2009年10月3日土曜日

改善だけでは終わらせない

第45回衆議院議員総選挙が実施され、1か月ちょっとが経過した。

歴史的な政権交代となり、非常にこれからどうなるか、今までよりも「政治」というものに対して、国民が注目しているのではないかと思う。選挙後のマスコミの話題も、政治色が多くなり、その注目ぶりが表れているのだろう。

そうした中で、「雇用問題」「少子化問題」「格差問題」等がテーマで取り上げられるが、ひとつ気になることがある。それは、これら問題に対して「金銭的助成」等での「表面的」な解決手法が目立ち、根本的な構造の変革、未来に対しての明るいビジョン、新たなモノ・分野へのイノベーション、こうしたものの議論が感じられない。これでは、今の苦境を打破するのは、なかなか難しいのではなかろうか(CO2削減は、新業種創造の一つのカンフル剤にはなるかもしれないが・・・・)。

企業においても同じはずである。

多くの企業において、今の不景気を乗り越えるために、「経費削減」などの「業務改善」に取り組んでいる。これはこれで、大切なことだとは思う。
しかし、この「業務改善」だけでは、今の「悪いところを、直す」にとどまり、「マイナスをゼロ」にするだけである。このままでは、どう考えても現状維持、もしくは縮小傾向な路線をたどらざるを得ない。

つまり、これからを力強く生き抜くためにも「ゼロをプラス」にする、「業務創造力」が必要だ。

何を言いたいかというと、多くの企業では、「業務効率化」「業務合理化」という視点に対しては、多くの議論を割かれやすいが、「新たにイノベートする」ということに対して、疎かにしていないだろうか?

「業務の効率化」や「業務の合理化」だけ進めば、それだけ労働力は企業として不要になり、そこで働くスタッフは、不要になる、これは、至極当然である。では、その分の労働力を、新たなモノに投下することにも、視点が向いているだろうか?

これは、何も、経営者だけが考えることではなく、働く者みなが考えなければならないことだと私は思う。

今の日本が抱える社会問題も、このようなところにも根本原因があるように思えてならない。