2010年9月4日土曜日

新たな発見は、現場にあり。。

意外なものが、機械を誤作動させることがあるものだ。

昨日、虫1匹が、東海道新幹線を止めたらしい。

虫1匹、新幹線止めた ポイント制御機器に入り込む (asahi.com)



体長2cmの虫が、新幹線を制御する機器に入り込んで電流が流れなくなり、線路のポイントが制御できなくなったのだという。


様々なものが、電子化され、緻密に設計された機械であるが、たまに意外な原因により故障することがある。


ネズミによってケーブルがかじられたり、カビや湿気などによる漏電などによる故障も、たまにニュース等で目にすることがある。


我々が、システムを設計する際に、意外に見落としがちな視点でもある。

こうした視点は、中々、デスクワークの中では気がつかずに見過ごしてしまうものだ。

実際に使う機器が、どのような場所でどのようなシチュエーションで利用されるのか、実際の現場で使われて初めて気がつくことさえある。


これらは、システムだけではない。

広告のクリエイティヴでも、どのような媒体で利用されるのか。
店舗のオペレーションでも、どのようなシチュエーションで運営されるのか。

それぞれ、「現場視点」というものが重要だ。


これらを設計する際には、可能であれば、自ら足を運び、その「現場」というものを実際に観察し、理解することをお勧めしたい。

必ず、少なくとも幾つかの新たな発見がそこにはあるだろう。

2010年9月3日金曜日

死後のデジタル資産の取扱。。。

以前より、個人的に私が気にしていたこと。
それは、ユーザーが死亡した後の、保有していたデジタル資産の行方。


やはり、同じことに注目している人はいるものだ。
こんな記事を見つけた。

もし急死、デジタル資産どうなる 米で相続サービス拡大 (asahi.com)



企業だけでなく、個人もインターネット上に様々な情報資産を持つ時代になった。
Blogに始まり、SNS、個人サイト、更にはサイドビジネスでキャッシュを生んでいるECサイトなどを運営している人もいるだろう。

そうしたデジタル資産は、保有者自信が死亡したあと、一体どうなるのだろうか。

インターネットが普及して早10数年。

そろそろ、こうしたことにも注目される時代が到来だ。


亡くなられた有名人のBlogにも、注目され始めた。
某有名人Blogは、その故人の遺志を引き継いだ有志が運営しているという事例もある。
また、そのまま、情報として残しておくという事例もあるようだ。


一方、キャッシュを生み出すECサイトの資産価値は、どう引き継がれるのだろうか。
相続の対象として、どう考えられるのか。どう評価されるのだろうか。

まだまだ、環境整備は整っていないように思われる。

少なくとも、オンラインサービスを運営する側がまず考えるべきことは、サービス約款にも、こうしたことを想定して、どのように対応すべきかを、まず考えるべきなのだろう。

2010年9月2日木曜日

情報を伝える際に気を付けるべきこと

チリの北部で起きた、鉱山落盤事故。
事故発生から、まもなく1カ月が経過しようとしている。

地下約700メートルの避難所に33人が閉じ込められ、地上からの救出を待っている。


地上と避難所の間には、小さな通気口のみ。

そんな中で生活している鉱員を無事に救出するために、チリ政府がアメリカのNASAに健康管理などの支援を要請したそうだ。

チリ:鉱山にNASAスタッフ到着 政府に助言へ (毎日.jp)


NASAからは医者の他に、心理学者やエンジニアが助言するのだという。


記事によると、嘘の希望を与えないように救出の時期について正直に伝えることが重要だとアドバイスとのこと。


記事では詳しく触れていないが、私は、恐らく「伝え方」「言い回し」についてもアドバイスしているのだと推測。


情報を伝える際に、よくありがちなのが、その情報を伝える人の私見、思い、感情というものが、無意識に入ってしまいやすいものだ。

この私見や思い、感情というものは、その伝達する人の考えであり、事実ではない。

この事実情報に付け加えられた思いや感情によって、その情報を受け取る側の印象が左右されてしまうのだ。


まず、情報を伝達する際に、何が事実情報なのか、そして何が意見や思いなのかというものを、明確に意識しながら伝える能力も、こうした場合には必要になってくるものだ。

2010年9月1日水曜日

「防災の日」を迎えて考える。。。

今日は9月1日。新学期のスタート。そして、「防災の日」でもあった。


私自身、今日、とあるお客様とのお打ち合わせの際に、避難訓練に出くわした。
その訓練は、ビル全体での避難訓練。

お客様の事務所が入るビルは、30階以上のフロアがある高層ビル。

打ち合わせ中も、訓練の防災放送が全館に流れ、避難を促すアナウンスが。
各階で働くスタッフが、エレベーターを使わずに、1階ロビーまで避難する。


さてこうした防災訓練。みなさんは取り組まれているだろうか。

私自身は、自治会等で参加したことはある。
しかし、ビジネスにおいては、実は1度だけ経験があるのみだ。


地震や火災といったものは、いつ起きるかわからない。それだけ、常日頃からの心準備は大切だ。

今から10数年前に発生した阪神淡路大震災を、私は現地で経験した。
当時私がいたのは、マンションの11階。今までに体験したことの無い揺れを体験した。

地震直後、家の中は目茶目茶にになり、足の踏み場も無く、自室から出るのもやっと。

それから以降、「防災」というものにはプライベートでは、かなり意識するようになった。家には防災セットを用意し、地震保険にも加入。そして鞄の中には、防災マップを常に常備している。備えあれば憂いなし。


しかし、ビジネスにおいては、なかなかこうしたリスク管理に取り組むのは大企業でなければ中々難しいのが実情のようだ。

昨年、新型インフルエンザの流行とともに、BCPという考え方が注目され始めた。
BCPとは、「Business Continuity Plan」。つまり企業が、災害や事故により被災しても重要な事業を中断せず、例え中断したとしても可能な限り短期間で再開させるための、手順や計画を取りまとめたものだ。


特にこうした取り組みは、大手企業は先行して取り組んでいるが、中小企業はこうしたことに取り組む余力を用意できない。

しかし、少しでも取り組んでいるか否かで、万が一の時の対応が大きく変わってくる。

国のほうでも、こうしたことをサポートする為に、中小企業BCP策定のガイドラインを提供している。

中小企業BCP策定運用指針


こちらも、是非参考にされてみてはいかがだろうか。

2010年8月31日火曜日

「安全」と「効率」の天秤。。。。

少し古いネタだが、こんなニュースを見つけた。

JR西運転士ら、ATS警報装置にテープ 「音量調整」 (asahi.com)


電車の運行に関して、最近では様々な運行管理システムにより制御されている。
そのうちの一つが、ATSと呼ばれる自動列車停止装置。

列車の衝突防止や速度超過を防止するための安全装置だ。
速度超過した場合に、運転士に警報を与え、更に自動的にブレーキを作動させて停止させたりする。

さて、こうした安全装置なのだが、音量が大きいとのことでスピーカーにテープを張っていたのだという。


安全装置というものは、文字通り、安全に制御することを目的とされ設計された機器。
そのために、様々な安全策を講じるよう設計されている。


しかし、わざわざそうした安全策を取り除いてしまうことを人間は、時々考えてしまう。
その場の、そしてその一時の利便性、快適性を重視するあまり、そういう行動を取ってしまうのだ。


同じ鉄道の例では、「開かずの踏切」でも同じようなことがある。

とある首都圏の鉄道会社で実際にあった話。
毎日の通勤時間帯、列車の過密ダイヤにより、ほぼ1時間近く踏切の遮断機が上がらないという場所があった。横断者の「早く渡りたい」という要望に応えて、踏切の安全装置を切り、遮断機をあげ歩行をさせていたところ、運悪く、列車が通過し人身事故を起こしてしまったというエピソードがある。

横断者のことを思う思いは理解できるが、本来であれば、踏切を横断せずに済む方法を検討すべきところ、安易な方法で安全装置というものを解除する判断をしてしまった残念な事例。


システムにおいても、開発者はセーフティー機能を考えるが、使用者にきちんと伝わっていない場合もたまにある。

危険回避、リスクマネジメントをきちんと実行するのであれば、こうした状況に陥った場合、何を第一に判断基準とするのか、常日頃から組織全体で徹底しておかなければならないものだ。

2010年8月30日月曜日

如何に直感的に使い方を分からせるか。。。

日常生活で、我々は様々な機器を利用している。

洗濯機や冷蔵庫といった「白物(しろもの)家電」といったものから、オーディオ、テレビ、パソコンといったものまで多種多様。

そうした機器について回るのが、「取扱説明書」。

その「取扱説明書」が徐々にスリム化しているのだそうだ。


携帯電話の説明書、スリム化 「使えばわかる」主流に (asahi.com)


携帯電話やハードディスクレコーダー等、技術が進歩するとともに非常に多くの機能を搭載するようになり、その分、取扱説明書が何冊にもなるなど、使い手にとっては読む気が失せてしまう量のものもあるほどだ。

しかし、ここ最近は、記事にもあるように説明書自身が薄くなってきているのだという。メーカー側が、説明書を読まなくても良いように取り組み始めているのだとか。


さて、取扱説明書が「無い」ということで言えば、米国アップル社が代表格。

話題のiPhoneやiPadには、日本メーカーにあるような説明書は無い。
説明書など無くても、自然に分かるようなインターフェースを意識しているからだ。

街中にある様々な機器類。
例えば自動販売機や自動券売機、銀行のATMに、エレベーターのボタンなど、様々な場面で、私たちは「操作しなければならない」機器が存在する。

それらには取扱説明書は無いが、決して100点満点の使いやすさではないが、出来るだけ自然に利用出来るようにインターフェースが設計されている。


技術が進歩し様々な機器が登場する中で、最後に如何に人間に使えてもらえるかが重要だ。

どんなに便利でも、使い辛く分かり辛いものは、世の中に普及しない。


「技術」先行のモノづくりから、「人」中心のモノづくりへ。
時代は変わりつつある。

2010年8月29日日曜日

夢と魔法にも、その裏には仕掛けが。。。

東京ディズニーリゾートが、先日、開園してから入園者5億人を突破したとのこと。


ディズニーリゾート、入園者5億人突破 83年開園以来(asahi.com)



東京ディズニーリゾートは、当社の事務所からも近くにあり、多くの訪問者で賑わっている。

私自身、最初に訪問したのが開園1周年の4月。当時、祖父母含めてわざわざ関西から訪れたのだった。あれから20数年、ディズニーシーがその後開園し、周辺商業施設やモノレールが開通するなど、一大リゾート地と発展した。


さて、ディズニーリゾート、特に東京ディズニーランドの話題となると、キャラクターが話題の中心になってしまうが、パーク自身の設備の演出、接客オペレーション等に注目して見ると、いろいろとベンチマーク出来るものが多々ある。


例えば、有名なのがパーク自身の導線設計。

パークのエントランスは1か所。その1か所を介して、物販を中心としたワールドバザールというエリアを通ることで、パークの中心に出る。シンデレラ城を中心に放射上に各テーマエリアに広がる。非日常空間を演出するために、パーク外の風景は全く見えないように設計されている。大阪のユニバーサルスタジオと大きな違いだ。
また、シンデレラ城を中心に放射状に広がっているため、どのエリアにいても、今どのあたりにいるのかが分かる。
そして、帰路時には、先の物販エリアを必ず通らせることにより、お土産の購入促進にも繋げている。


この他にも、マーケティング的にも様々な仕掛けも隠されているが、詳しくは別の機会に触れて見たい。


さて、このような成功している商業施設。

そこには、隠された取り組みが多くあるものだ。

週末にぷらっと訪れたところを、そうした視点で見て見るのも、なかなか面白いものかもしれない。