2009年10月31日土曜日

弊社サイトが公開されました

今日は、少し、弊社のことを。。

この度、待望の弊社アーキレッジ株式会社のコーポレートサイトがオープン。

今回は、長年仕事をご一緒させて頂いているプロデューサー・デザイナーの井浦むつお氏によって、手がけて頂いた。
まずは、厚く御礼を述べさせていただきたい。

# 井浦さん、ありがとうございました。非常に感謝しております。
末永く、私ども会社同様に、WEBサイトも育ててゆきたいと思います。

さて、今回、私自身も何年もコーポレートサイトの構築のプロジェクトマネジメントに携わってきており、数10ページのレベルから数1000ページまでの大規模なものまで、ありとあらゆる業種と用途のものを経験してきた。

しかし、今回は、いつもとは違う進め方をさせて頂いた。

通常は、「計画」「要求整理」「設計」「開発」「実装」といったステップを踏んで、かなり多くのドキュメントを制作し、漏れの無いように着実に進めていく。

それに対して、(まぁ、そもそもそれほどページ数が多いのではなくボリュームも少ないことはあるのだが)、今回は、制作する対象を、こまめに確認しながら進めていくというような進め方を行ってみた。実際には、リアルタイムに修正&確認という作業を繰り返しながら進めてみたのだった。

大げさな表現をすると、「アジャイルソフトウェア開発手法」の思想の流れになるのではと思われるが、まぁ、この手法に近い方法を実践してみたのだった。


弊社側も、素材等が非常に少ない中での制作でもあり、思考錯誤せざるを得ない状況ではあったが、お互いにクリエイティヴ表現、文章表現の確認から、構成変更などを随時行うような形で進めた。

更に、これはなかなか、通常のプロジェクトでは行いにくいと思われるが、ソースコードの設計思想とリンクをさせながら、表示する文章の構成変更なども実施してみた。目的は、もちろん検索エンジンの対策ではあるが、そもそも、WEBページを表現しているHTMLという構文には、ページ内に表示する情報そのものの、重要性、関係性などを意味関連を定義づけるプログラミング言語が含まれている。それらを、意識しての文面調整ということである。

こうした進め方は、当然、紙ベースのDTPなどの世界ではあまり存在しない。
どうしても、「見た目」からの進め方になってしまうのだ。

しかし、多くのWEBのプロジェクトの進め方は、こうしたWEBライクな進め方は、現実行われていないように思われる。発注側、受注側の対応能力も、その原因の一つだろうが、多くは時間的にもコスト的にも予算化し難いというのが現実だろう。

本来あるべきプロジェクトマネジメント手法が、世間一般的に確立し普及するのは、もう少し時間がかかりそうだ。

2009年10月30日金曜日

護衛艦衝突事故に見る、現場コミュニケーション

10月27日の夜、山口県下関市と福岡県北九州市の間にある、関門海峡で海上自衛隊護衛艦「くらま」と韓国籍の貨物船が衝突した。

あの平家一門が滅亡した壇の浦の戦いでも有名な関門海峡。
私自身、亡き祖父の家からも近く、幼いころにも何度か訪れた思い出のある所でもある。
この海峡は、対岸が非常に目の前まで迫り、非常に狭い。
船舶の航行上でも、非常に世界的にも難所でもあるらしい。


さて、今回の事故であるが、韓国籍の貨物船が、前方の別の貨物船を追い越そうとして、舵を切りすぎ、対岸から接近する護衛艦と衝突したらしい。

今回の衝突の原因究明は、現在行われているようだが。。
  • A) そもそも、航行するには難関の狭い海峡であるという事実
  • B) 海上管制から、後方から迫る韓国籍貨物船に護衛艦を注意しながら前方の貨物船を追い越すよう「情報提供」 (航空管制とは、権限が違うらしく、海上管制の指示権限はないらしい)
  • C) 後方の韓国籍貨物船は、海上管制の「情報提供」に従って、追い越そうとする。だが、左へ舵を切りすぎてしまった様子。
  • D) この海上管制の韓国籍貨物船とのやりとりは、護衛艦には伝えておらず
このような所に、ここ数日の報道によると問題があるのではと指摘されている。


これを、私、「情報の目利き」流の言葉で整理してみると
  1. A)の難所であるという事前情報(=先行情報、ノウハウ)は、各船舶の舵を取っている人間、管制の人間は意識記していたのか。「慣れ」が出てしまって忘れていなかったか。
  2. B)C)は、海上保安庁としての海上管制は、あくまでも「情報提供」というスタンス。しかし、現場の韓国籍の貨物船側はどう認識していたのかという、役割分担の問題。それぞれの立場の認識を誤れば、情報の解釈も微妙に変わってしまうものだ。
  3. D)は、前方から接近する護衛艦との、今現状で起きている「情報共有」
となるのだろう。


要するに、「事前情報」「役割分担」「情報共有」これらを総合したコミュニケーションに問題があったのではと想像できる。また、「慣れ」「勝手な解釈」というのもあったのかもしれない。

こうした「ミスコミュニケーション」は、一般の業務オペレーションでも発生し得る問題だ。

「誰かに頼る」「機械任せにする」「それらの勝手な思い込み」こうしたことの積み重ねが事故に繋がってしまうのだ。

事故は事故で、今後、調査委員会が究明して行くと思われるが、実際の我々のビジネスでも、こうした視点は忘れないようにしたいものだ。

2009年10月29日木曜日

びっくりする方法で、会話をする人達がいた!!

NHKの夜のニュース「ニュースウォッチ9」での話題。

トルコのとある山村で、驚く方法でコミュニケーションしているらしい。

その山村の名は、「クシュコイ村(Kuşköy)」

■クシュコイ村の場所はこちら


大きな地図で見る

■クシュコイ村はこんな所


このクシュコイ村でのコミュニケーション方法は、なんと口笛なんだとか。
口笛の下手な私にとって、非常に驚きである。
口笛を聞いていると、なんだか、鳥が山間でさえずっているようにしか聞こえなかったが、これで、きちんと会話が成立しているのだ。

この地域で、代々伝えられてきたこの口笛コミュニケーションは、遠く離れた人同士で話すのに使われている。

例えば、「今年のヘーゼルナッツの相場はどうかね?」「まだ安いから、蔵にしまっておいたほうが良いよ」といった、かなり複雑な会話まで交わすことができるのだ。

トルコ語の29のアルファベットを、すべてこの口笛で表現することが出来るらしい。

山間の村ならではのコミュニケーション。上手な人は、2キロ先の人ともコミュニケーションが取ることが出来るのだとか。

しかし、こうした素晴らしい文化が、あるものによって危ぶまれている。そう、携帯電話の普及。最近は、年配の人が子供たちに口笛教室を開いて、文化をきちんと継承しようしている。

ちなみに、「クシュコイ」とは、小鳥の村という意味らしい。
この「鳥の言葉」。是非とも、素晴らしい文化として次の世代にも技術伝承して欲しいと思った。

■BBCにも紹介記事(英語)が・・・ご参考まで。

2009年10月28日水曜日

マス・コラボレーション型ビジネス創出に向けて

2年に一度開催される東京モーターショー。今年は第41回として、10月23日から11月4日まで開催されている。

残念ながら、時間が無く、まだ行っていない。
今年の東京モーターショーは、出展者が激減しており、イベントの雰囲気も、かなり違うらしい。

こうした中で、本日のNHK「クローズアップ現代」で、激変する自動車業界を特集していた。

自動車業界に就業する人は、日本の就業人口の8%なんだとか。

まず、この数字を聞いて、日本の就業構造が一つの業界にかなり偏っているのだと、非常に驚いたものだ。更に、戦後の日本の高度経済成長を支えてきた一つの製造業としての大黒柱だったんだろうなとも、思ったりしたのだった。

その自動車業界が、昨今の若者の自動車離れ、ガソリン自動車から電気自動車への電子化の流れ、そして、昨年の金融ショックと、今、激変にさらされているのだ。

この自動車業界の構造は、メーカーを頂点に、大手部品メーカー、下請け企業というピラミッド構造になっており、この下請け企業の倒産件数が、昨年対比で激増しているらしい。

番組では、こうした激変する業界のなかで、下請け企業が生き残るための「脱 下請け」への取り組みを紹介していた。

ある中小企業は、自社の強みを徹底的に追及し、そこに集中して異業態の楽器製造への参入。

また、別の中小企業は、今まで別々のジャンルの部品メーカーであった企業が、それぞれの得意分野を持ち寄り、チームとしてタッグを組んで、別業界の大手企業への営業活動を行うという取り組み。

このチームを組んでの取り組みは、過去に蓄積した自社のノウハウ、様々な技術をお互いに完全にオープンにして、どうタッグを組めば、Win-Winの関係で大手に売り込んでいけるのかを、徹底的に行うのだという。従来の中小企業であれば、こうしたノウハウの開示というものは、まったく考えられなかったところを、あえて生き残るために、発想を転換して実践しているのだという。

ノウハウというのは、そもそも特にモノづくりにおいては、門外不出。秘伝として職人から職人へ伝授されるものだろう。しかし、時代は変わり、アナログからデジタルへ。ちょっとした「技」というものは、簡単に模倣され、その情報も伝わってしまうような時代になってしまった。
インターネットがそうしたことを後押ししていることは、否めない。

こういう時代においては、逆の発想で、それぞれ持ち合わせたノウハウを、コラボレーションという形で、お互い出し合い、新たな物を「創出」するということも、生き残っていくための策の一つだと言えよう。

また、こうしたコラボレーションは、インターネット上で先行して実践されている。サーバOSのLinuxの開発に代表されるように、各種オープンソースの技術開発などにもそれが表れている。

ところで、一昨年前ぐらいに、「ウィキノミクス」という言葉が流行した。インターネットの百科事典「WikiPedia」に代表されるウィキソフトウェアの「ウィキ」と経済の「エコノミクス」が組み合わさった造語だ。





この「ウィキノミクス」は、アンソニー・D・ウィリアムズ氏によって同名著書(写真の左側が和書、右側が原著)が発売されているが、本書では、上述のようなウィキを初めとするツールをベースにしたコラボレーションの環境が今後発展し、従来の企業組織やコミュニケーションスタイル、経営戦略やワーキングスタイルを大きく変るのだと、記している。

更に、本書では次世代ジャンボ機の開発やヒトゲノムの研究、P&GやBMWなど、地球規模のマスコラボレーションの事例を紹介している。

今日、この番組を見ながら、こうした自社のノウハウやナレッジを、お互いに出し合いながらコラボレーションしていくというのは、今後の新しいビジネスのパラダイムシフトに繋がっていくのではと、より一層感じたのだった。

是非とも、この不況を脱出するためにも、こうした今まで培われた無形資産を、次の時代に有効活用していきたいものだ。

2009年10月27日火曜日

「結果」より重要なもの。。

今日、ちょっと気になったニュース。

最近、観光地化してしまっている、あの八ツ場ダム問題。

午前と午後で、少し動きがあった。
民主党が今まで、建設中止を貫いてきたこの八ツ場ダム問題であるが、前原国土交通相がダムの必要性を再検証して、ダムに頼らない治水・利水の代替策を示すとの方針を表明したのだ。

今日午前の閣議後の記者会見で明らかにし、午後には、建設地およびそれに関わる流域の6都県の知事との会談があった。

この午後の会談のための、ちょっとしたお土産にも見受けられたが、さて、この問題を見ながら、ひとつ気になるキーワードが。。。

そのキーワードは、「プロセス」。

要所要所の発言に至るまでの「プロセス」が非常にないがしろにされて、どうも「結論」から物事を進めようとする感が否めない。


昨日は、小沢幹事長に平野官房長官が謝罪というニュース。これは、行政刷新会議の中で、事業仕訳を行う国会議員メンバーの中に、新人議員が含まれるということに対して、きちんと官邸と党でコンセンサスが取られていなく、小沢氏から党側への説明不足を批判に対して謝罪したのだった。

つまり、官邸と党での現在進行形の「プロセス」に対して、「報告・連絡・相談」が行われていなかったのだ。いわゆるビジネスの基本「報連相(ホウレンソウ)」が行われていなかったのだ。

ビジネスにおいても同様だ。

「結果」はもちろん大切。それ以上に「プロセス」も重要だ。

結果が失敗に終わっても、そこまでに至るプロセスがきちんと明確になっており、原因究明ができるのであれば、次に繋げられる。

それには「報連相」が重要。

別に、「報連相」は、部下が上司にするたものものではない。上司が部下にすべきこともあるし、チームで動いている場合には、関係するメンバーにも行うものである。
さらに、自分自身が「報連相」を行うことにより、情報を整理することができるというメリットもなる。


「プロセス」をないがしろにするのではなく、一つ一つのプロセスを大切にし、情報共有を行いながら、互いに可視化を行うことによって、強い現場組織、強い絆が生まれるのだろう。

2009年10月26日月曜日

リアルタイムで欲しい情報とは

本日、某芸能人の裁判があった。みなさんも、ご存じだろう。

その裁判が開始された際の、テレビ報道で気になったこと。

本日の公判開始が、13時30分ごろ。
この時間帯は、通常、民放各局は情報番組ありドラマありの時間帯だ。

しかし、今日は著名有名人の公判ということもあり、情報番組では特集を組み、ドラマを通常放映している局は、報道特別番組に差し替えるなどして放送していた。

当の公判は、朝から傍聴席の抽選に長蛇の列ができるなど、関心も非常に高いものだった。

公判が始まると、裁判所前からの中継が始まり、折しも、台風が接近している大雨の中、記者が裁判の様子を刻々と説明をしている。

各局ごと、複数の記者がローテーションで、入れ替わり立ち替わり、裁判の様子を伝言している。つまり、法廷から飛び出して、今さっきまで自分が見聞きした内容を、原稿もまとめる暇なく、伝えているのだ。

この風景を見ていて、非常に不思議に感じたことがある。

果たして、公判の中の様子を、スポーツの実況中継のように、記者が入れ替わり立ち替わり、息を切らしてまで、急いで伝える必要のあることなのだろうかと。。。しかも、風雨の中。

アメリカでは、法廷の公判の様子をリアルタイムで中継する放送局もあるが、見る側の動機としては、あくまでも、「野次馬的」「興味本位」なものでしかない。

特に、強くそう感じたのは、ある場所でもっと重要なことが始まっているからだった。そう、同時刻に、本日から臨時国会が始まり、総理大臣の所信表明演説が始まっていたのだ。
(さすがに、NHKは中継したが…)。さらに、関東地方は、台風も接近しているのである。

情報をリアルタイムに必要とされるシチュエーションは、まず、生命が危ぶまれるような場合や、刻々と変化する状況の把握をしたい場合などがあげられる。まさに、今日のような、台風の接近や地震情報、交通情報など。

一方で、感動や興奮を一緒に味わいたいというときにもリアルタイム性を欲するだろう。ポーツ観戦や各種式典などがそれにあたるだろう。


果たして、今日の公判の様子といったものは、風雨の中、リアルタイムに刻々と伝える必要があるのだろうか?
きちんと情報を整理してからでも良いのではないだろうか?

さらに、政権交代したばかりの総理大臣の所信表明演説もあった。自分たちの生活を左右する政治の動向と、直接自分の生活には関係のない芸能人のことと、どちらが重要なのだろうか。




話をビジネスの側面に置き換えてみよう。
ビジネスの基本である「報連相」として考えてみるとわかりやすい。いわゆる、「報告」「連絡」「相談」の「ホウレンソウ」である。

社内での業務報告は、「悪いことを優先して上長に報告しなさい」とよく指導を受けるものだ。

この上司が言う「悪いこと」とは、会社の業務において支障が起きる(起きるであろう)ネガティヴな事象をさす。会社にとっての、「生命に危険を及ぼす」とでも考えられるのではなかろうか。


たまたま、同時刻のテレビ報道を見ていて、考えさせられた。

2009年10月25日日曜日

日本の算数 vs イギリスの算数

さて、突然だが、ここで算数の問題。


3+6=[ ]

1+4=[ ]

5+2=[ ]

はい、よくある算数の問題です。

では次。

[ ]+[ ]=5

[ ]+[ ]=8

[ ]+[ ]=6

こちらの答えはどうだろう。いくつも回答が存在する。


さて、これは、教材販売会社の中央出版のテレビCMの1コマ。

実は、前者が日本の算数の問題で、後者はイギリスの算数の問題のスタイルなのだとか。
「イギリスの算数の問題には、答えはいくつもあり、子供の数だけ答えがある。算数も楽しくなるでしょ」というCM。


何気なく流れていたCMであるが、非常に大事なことを訴えているようにも思えた。


閉そく感漂う日本。今の日本は、こうした「思考力」が、徐々に衰えてしまっているのではないだろうか。日常生活やビジネスの場面でも、日本の算数の問題のような思考回路で、動いてしまっているのではないだろうか。

上述の日本のような問題は、一つの固定観念にとらわれてしまい、物事を判断してしまう、いわゆるステレオタイプな思考回路を助長する。
既存の方程式やルールに当てこんでしまい、自由な発想、斬新なアイデアを創出することを苦手としてしまうのだ。

一つの目的やゴールに対して、そのプロセスは、様々なバリエーションがある。そのプロセスを検討する考え方も、十人十色のはず。あらゆる視点、あらゆる立場で、物事を観察をし、さらに、固定観念に囚われない柔軟な論理的な思考が大切だ。

こうした考え方は、商品企画やマーケティングといった一部の状況下で使用するというだけでなく、人と人とのコミュニケーション、何か壁にぶつかった際の問題解決など、普段の日常生活の中でも、必要となるスキルだろう。