2010年1月16日土曜日

諸行無常の響きあり。。。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、
   沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕わす


平家物語の冒頭の一節。

ここ最近の世の中の動きや様々な生活シーンから、ふと思い出したフレーズだ。
正直、何年振りだろう。恐らく学生時代以来かもしれない。


昨年の政権交代、米国に端を発した金融破綻、大手自動車メーカーの破綻、芸能人の数々の事件、そしてここ数日のニュースを賑わしている航空会社の問題、政治と金の問題。。。
更に、個人的な周囲でも、様々な動きがある。


この世のすべての現象は、絶えず変化していくもの。
どんなに勢いが盛んなものも、必ず衰えるもの。
栄えているものも、その栄えはずっと続かず、最後は滅び去り、
風に吹き飛ばされる塵と同じようである。。。

昔の人は、良く言ったものだなぁと、つくづく感心をする。


現代の経営理論やマーケティングの理論でも、「ライフサイクル」なる考えがある。
「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」なる分類だ。

「商品」や「サービス」はもちろん、「企業」そのものも、この過程が存在するという考えだ。


市場やマーケットのニーズは、日々変化している。
この変化が、最近は極端に早く移ろい、更に多様化している。

過去、流通に身を置いている時に、この「変化への対応」を、厳しく言われ続け育てられた。極端な話をすると、朝言っていたことが、夜には変わることもありうるというのだ。所謂、「朝令暮改」。「朝令暮改」という言葉は、しばしばネガティヴに捉えられるが、そこの根底にある理念や主義主張が首尾一貫していれば、こういう判断は必要な時代になってしまっているのだとも私は思う。


こうした日々の変化を敏感に捉え、対応していかなければならない、時代になってしまっているのだろう。

今、様々なものが変化し始めている。そして、スピードも加速している。

そうした変化を的確にとらえ、キャッチアップしていくためにも、様々に飛び込んでくる情報に対して、きちんと目利きすることが重要だ。

2010年1月15日金曜日

「信用」と「信頼」ということ。。

複数の人間で仕事をしていると、お互いの役割分担と統制が取れた、所謂「チームワーク」がポイントだ。

そこには、お互いのことを良く理解し、お互いの信頼が重要である。

以前、私がプロダクションに所属している時に、いつも心がけていたことがある。
それは、「信頼」と「信用」の区別。

プロジェクトをマネジメントする人間には、「信頼はしても、信用はするな」ということを言っていた記憶がある。

この「信頼」と「信用」という言葉、似て非なる言葉だ。

辞典によると、以下のように説明されている。

■『信用』
<新明解国語辞典(三省堂)>
(1)確かだと思って、それに従うこと。
(2)まちがいないと見込むこと
<大辞林(三省堂)>
(1)人の言動や物事を間違いないとして、受け入れること。 
(2)間違いないとして受け入れられる、人や物事のもつ価値や評判。 

■『信頼』
<新明解国語辞典(三省堂)>
その人を信じ切って、すべてを任せる
<大辞林(三省堂)>
信じて頼ること。 


つまり、相手を信じて役割をお互いに分担し任せるということは大事。しかし、だからと言って、任せた相手が、全ての行動において間違いないと見込んでしまうことは、危険である、ということだ。

チームでプロジェクトを推進している際には、お互いに役割分担を明確にするのはもちろん、業務遂行中の定期的なフォローとチェック(点検)がポイントなのである。


私どものアーキレッジ株式会社では「ホウレンソウ(報連相)」を非常に重要視している。所謂「報告、連絡、相談」のこと。

これは、上述のお互いの「信用度」を高めていくためには欠かせない。


「信頼」は、「信用」の上に築き上げられるが、これは、一日やそこらで築き上げられるものではない。日々の積み重ねによるものだ。だからこそ、日々の「ホウレンソウ」が大切なのだ。

逆に、「信頼」も「信用」も崩れる際は、一気に崩れてしまう。これは、お客様から対企業に対してのブランドイメージも同じことが言える。もしかしたら、カップルの間でもあるのかもしれない。

2010年1月14日木曜日

ビジネスでは、「予想屋」ではなく、「想定屋」であれ!

「予想」と「想定」という言葉がある。皆さん、上手く使い分けているだろうか?


世間には、競馬や競艇などでは「予想屋」なる人がいる。場外馬券場の近くには、大きなレースが開催されるとなると、「あの馬が今日のイチオシ」「今日のレースは、○○が買いだ!」などと言う人たちが出てくる。こうした人たちを、誰も「想定屋」とは言わない。


「予想」と「想定」というそれぞれの言葉は、個々に意味が異なる。

「予想」とは、今後の起こること、起きるであろうことを、単に見当をつけることを言う。一方「想定」は、状況や前提条件を仮に決めることだ。ビジネスでは、もちろん「想定」することが重要だ。

私自身、流通業に身を置いているときに、耳にタコが出来るほど「仮説・実施・検証」について、現場で身をもって叩き込まれた人間でもある。

この中の、「仮説」こそ、あらゆる情報をかき集めて、今後起こりうることを「想定する」という作業の上で成り立っているのである。

この「想定する」ということは、日ごろから癖をつけておかなければならないかもしれない。

「想定」する作業の緻密さは、後々に様々な場面で大きな影響を及ぼす。

仮説立案の判断材料ために収集する情報の鮮度と精度、そして仮説のロジック如何で、大きく判断を間違うことがある。その間違ってしまうことの多くが、「私情」によるものだと私は思っている。「直感」から導かれたからということではない。

「私情」とは、「こうなって欲しい」「こうなりたい」という願望が入っているのに対して、「直感」は、過去に蓄積された経験値により、ある種の一定の暗黙のロジックによって直接判断に導かれているものと、私は解釈している。

冷静に見極め、正しく理解し、正しい論理的思考を用いて、集められた情報を、今後起こり得るであろうことに対する判断のための前提条件として取り扱わなければならない。そこに「私情」は禁物だ。


今、未曾有の大不況、デフレスパイラル・・・・、と、誰もが経験したことのない社会ではあるものの、こうした時代だからこそ、情報を正しく見極め、今後の舵取りの材料として取り扱える力が必要なのだと思う。


数年前に流行した言葉として「想定内」という言葉があった。

モノゴトを「想定内」に収められるか「想定外」になってしまうかは、事前の「情報収集」と、それに基づく、「あらゆる角度からの前提条件に対する検討」が、出来ているか出来ていないかにかかわってくるのだ。

2010年1月13日水曜日

「安売り戦略」ではない、次の一手。。。

不況真っ只中、低価格競争の激しいこの時代に、「安売り戦略」ではない戦略で売上をあげているスーパーがあるとのこと。
今日のNHKクローズアップ現代で紹介していた。

いくつかのスーパーを紹介していた。


株式会社ハローディ (福岡県)

こちらは、圧倒的な品揃え戦略を取ることで前年を上回る売上で頑張っているとのこと。味噌は500種類、醤油も500種類と、かなりの品揃え数だ。兎に角、お客様が欲しいという商品を原則すべて仕入。要望が出されて、通常1週間で入荷に至る。
大量に仕入れられない商品も取り扱い、コストもその分増加するが、客数増に繋がっているのだとか。


株式会社オギノ (山梨県)

こちらは、会員カードからデータマイニングを行い、顧客のライフスタイルを推察。顧客のついで買い増加を戦略にしている。会員カードの利用で蓄積されるお客様の購買動向から、いくつかのライフスタイルパターンに分類。店舗ごとに品揃えを変えることによって、売上を上げているのだとか。


株式会社オオゼキ (東京都)

こちらの特徴は、1平方メートルあたりの売上が業界の5倍以上。何が違うのか。。社員力なのだとか。通常、小売業では、正社員とパートタイマーの割合は、3対7。しかし、オオゼキは全く逆。7割が正社員。
正社員が店頭に立ち、お客様の動きをきめ細かくチェック。臨機応変に売り場陳列から価格まで、自分の判断で変更できる権限を持っているらしい。さらに仕入れも担当者自ら実施。一貫して行えるので、現場の活きた情報が仕入れから売り場まで活かされる。また、お客様に対して専門知識を持った人間が接することで、信頼度も増す。自分自身が仕入、販売に接することにより、責任力が高まる。そうした社員力が強みなのだとか。

ここ最近、「安値」「割引」といった価格競争ばかりが目に付くトレンドであるものの、このように「質」で結果に結びついている事例もある。

「質」で結果に結びつけるためのキーワードは、お客様を知る努力と、お客様の動きに関する情報の目利きとその活用だ。

デフレ脱却、こうした企業の取り組みは、大いに参考になるのでは。。

2010年1月12日火曜日

「消費者ホットライン」、本日スタート!

今日から消費者庁による、「消費者ホットライン」がスタートした。

全国共通の電話番号で、消費者被害の相談に応じるサービスだ。

消費者庁


悪質商法や製品事故などに消費者が遭遇した場合、共通の電話番号にかけることによって、最寄の相談窓口につながるというシステム。

ちなみに共通の電話番号は「0570・064(守ろうよ)・370(みんなを)」とのこと。

これは、国が消費生活相談に関して、最初の第一歩を踏み出しやすくするためのサービスとして位置づけられている。昨年発足した消費者庁の目玉政策の一つ。

今回導入されるシステムは、NTTコミュニケーションズが提供する「ナビダイヤル」サービスを利用している。そのため、PHSやIP電話、ひかり電話では利用できない本日のスタート時に、上記共通番号での運用が出来ない自治体もあるのだとか。

ところで、この試みは被害に合った消費者を救うことはもちろん、被害を未然に防ぐことも視野に入れているのだとか。今年の四月からは、「事故情報データバンク」なるものもスタートする。

今回の、消費者庁でのこうした情報の一元化は、今後の方針を決定したり、傾向と対策を行う上でも重要なことだ。是非、ここで収集された情報を活かした政策を行って欲しいものだ。


ところで、企業においても、多くの「現場情報」は、「現場に散在」していることが多い。これでは、せっかく「次に活かせるはず」の情報が、そのまま放置されてしまいかねない。今回の消費者ホットラインではないが、情報が一元化される仕組みがまず必要だ。
しかし、こうした情報は、「集めろ」といって集まるものではない。

多くの企業でも業務報告等により、情報の収集しているであろう。いわゆる、情報を「集める」仕組みだ。

しかし、私としては、情報を「集める」仕組みというよりむしろ、「集まる」仕組みが必要だ。つまり、「情報を自ら提供したくなる雰囲気や仕組み」が重要だ。
強制的に集められた情報には、ヌケ、モレ、更に作為、偽造なども含まれる可能性が高まる。

「集まる」仕組みを構築するには、会社組織、会社理念といったものから社員同士の共感がまずあってこそできるのだ。

そうして情報が集められて一元管理されて、初めて、情報のマネジメントが出来るのだと私は思う。


2010年1月11日月曜日

昭和の機械で、新たなものを生み出す!!


突然だが、「繊維業」と聞いてどいういうイメージを持たれるだろうか。

まず、繊維業と聞くと、多くの方が、昭和の時代に盛況だった業界というイメージを持たれることだろう。
確かに、現在は、原価の安い中国や東南アジアを拠点に展開されているのが現状だ。

そんな中で、この不況時に、海外を相手に日本国内でバリバリと活躍している企業がある。山形県の佐藤繊維株式会社だ。
今朝の、情報番組で紹介していた。

佐藤繊維株式会社

ところで、この会社の製品を利用した商品が、とあることで有名になっているのだとか。
アメリカのオバマ大統領のファーストレディ、ミッシェル夫人が着用していた、ニナリッチのカーディガン。このカーディガンの素材こそが、この佐藤繊維株式会社が製造したものだった。

この佐藤繊維株式会社は、何故今のような不況下でも勝ち残っているのか。

まず、商品そのものに付加価値があること。

ここで作られているのが、従来の紡績糸とは違い、ここでしか製造できない特殊な高品質の糸を製造しているということ。
更に、この糸の製造であるが、過去に昭和の時代に使用していた紡績機械を使用しているのだ。
日本国内の紡績業が衰退し、稼働しなくなった各地の工場から機械を取り揃えて運用しているらしい。
つまり、昭和の技術にアイデアを加えて最新の製品を生み出しているのだ。

さらに、営業。

こうした付加価値のある商品を、当初、日本国内のメーカーに営業したらしいのだが、中々相手にしてもらえない。そうした中で、イタリアの見本市に出展し、多くの大手ブランドメーカーから声がかかり始め出したのだそうだ。


さて、この事例であるが、こうした付加価値を生み出すために、何も新しいシステムや技術を導入しなくても生み出すことができる一つの良い例だろう。

横並び、同じような商品で商いをしていると、今の時代、どうしても価格競争に巻き込まれてしまう。特に、メーカー企業ならば、尚更だ。

時代は、「量」から「質」へ。
ちょっとしたアイデアも、日頃からのオペレーションの中にヒントがあることが多い。

その為には、日々の業務の中で収集される情報をきちんと目利きし、そこでの「気づき」をこつこつと日頃から蓄積することが大切だ。

2010年1月10日日曜日

今年は、電子書籍端末元年?!

今年になって、アメリカから電子書籍端末の話題が飛び込んできている。
7日から10日までラスベガスで開催されている、世界最大級の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(Consumer Electronics Show)から発信されているホットなトピックス。


コンシューマー・エレコトロニクス・ショー


いくつか電子書籍端末が発表されているなかで、目に止まったのが、プラスティックロジックの「QUE」というもの。非常にスリムなボディに、直感的なインターフェース。ボタンも無い。個人的な表現であれば、Appleライクといったところだろうか。

PLASTIC LOGIC 「QUE」
「QUE」



この他にも、アマゾンの「キンドルDX」、米国大手書店のバーンズ&ノーブルの「Nook」といったものから、デュアル表示の端末のものまで、様々。

entourage 「eDGe」
Springdesign「Alex」

さて、こうした電子書籍端末であるが、昨年アマゾンがキンドルを発表して火がついた形となり、全世界で約500万台、今年には1200万台になるのではと言われている。

一方日本では、電子書籍端末として過去に市場に出回ることはあったものの、魅力あるソフトがなかなか出ることなく、不発に終わってしまったことがある。また、日本の出版業界では再販制度があり、デジタル化のメリットである廉価なソフトの提供へのハードルが存在しているのも事実である。

日本国内でも、こうした電子書籍化への流れが起きるかは、こうした問題を片付けなければならない。

とはいうものの、上記のプラスティックロジック社は、自社の「QUE」のことを、「ペーパーレスな書類ケース」と位置づけているらしい。

電子書籍端末を、単なる「書籍のデジタル化」という位置づけではなく、「書類に代わるリーダー」という視点で考えると、何も書籍のみにフォーカスする必要はないだろう。

ビジネスマンの1つのツールとして捉えてみる方が、色々と考えも広がるのではないだろうか。

情報を、二次、三次と編集加工出来るのも、デジタルならではの強みだ。
情報をスクラップしたり、保管・検索だけでなく、複数で共有することも、これからは当たり前の時代。

情報の目利きとしては、これからどんなトレンドになるのか、非常に気になるところだ。