2010年5月1日土曜日

一つのピンマイクがもたらす怖さ。。

海の向こう、遠く離れたイギリスで5月6日に総選挙が行われる。

そんな総選挙を前に、現職ブラウン首相が大失態というニュースが駆け巡る。
市民集会の終わりに、有権者の女性から移民政策についての対話。

その後、次の予定のために車に乗り込んだ後、直前の移民問題を指摘してきた女性のことに対して悪態。
ところが、同行取材をしているテレビ番組のマイクが付いていることを忘れていたのか、その悪態ぶりがすべて放送されてしまうことに。

指摘していた内容が、移民政策だけあて、余計に波紋を投げかけている。


マイクと言えば、あの老舗料亭の記者会見の際の、女将の囁き問題も思い出す。

技術が発達し、小型マイクの性能も向上し、ちょっとした音も取り込む時代。
音声にしても映像にしても、集められると瞬く間に、世界中に広まる時代でもある。


先の英国総選挙においても、とある候補者がTwitter上で発言した内容が、不適切であったとして立候補を降りたという報道まで耳にする。

一消費者として、一市民として、情報を収集する側の視点では、このように過去に比べて様々な情報を接することが出来るようになったのは、非常に便利であり、プラスかもしれない。

しかし、情報を発信する側。つまり、企業や政治家などの立場になって考えると、発する情報内容、手法、ツール、環境、タイミング、すべてに対して、今まで以上に気を使い、そして発信する先に対して注意を払わなければならない時代にもなっている。


日本でも、インターネット選挙の導入を進めようという動きがあるが、有権者側のリテラシー向上も勿論、情報発信側のこうした基盤づくりも同時に行わなければならないのだろう。

2010年4月30日金曜日

人は、やはり、目と耳でコミュニケーションしている!?

「メラビアンの法則」というものがある。
これは、米国心理学者のアルバート・メラビアン氏が1971年に提唱した法則。

これは、コミュニケーションにおける人の受け止め方についての法則であり、好意や反感などの態度、感情についてとある実験でとりまとめられたもの。

人間の行動が、相手に対して影響をどのように及ぼすかというものでその影響度合いの割合が下記のような研究結果データとしてとりまとめられている。


  • 話の内容などの言語情報(Verbal)…7%
  • 口調や話の早さなどの聴覚情報(Vocal)…38%
  • 見た目等の視覚情報(Visual)…55%


この「メラビアンの法則」で表れているように、相手に影響を及ぼす要因として、聴覚や視覚が非常に大きな影響を及ぼしていることがわかる。


さて、通信技術の発展に伴い、コミュニケーションのツールとして、電子メールが非常に一般的になっている。

この電子メールが、現代のコミュニケーションにおいて、非常にネガティヴな影響を及ぼしているのではないかと、私自身危惧している。

今晩のとあるニュース番組でも、「職場うつ」について取り上げられていたが、少なからず、私個人としては、電子メールによる影響もあるのではと考えている。


一方、対外的にお客様に対してメールで対応しなければならない場合も、以前に比べて格段に増えてきた。このメール一通で、会社のブランドを左右しかねない結果をもたらしてしまうこともある時代だ。

大手企業は、会社の広報窓口として、メール対応も非常に気を配って対応しているが、企業によっては、まだまだ対応が不十分な会社があるのが実情だ。


電子メールは、コミュニケーションを取るためのツールとしては、非常に伝えられる情報が限られる。上述の法則のような、文字情報以外の情報を伝えるのは、難しい。

さらに、日本語特有の問題もある。それは、主語の省略などの「曖昧な表現」。

そもそも電子メールは、英語圏を発祥とし、インターネット黎明期は、伝えたい用件のみのやりとり等がメインの時代があった。

しかし、日本人は、直接的な表現に慣れていない国民性もあり、事実情報のみを伝えると、「きつい人だな」という印象を受ける等、非常に誤解を生みやすい土壌そのものも存在する。用件のみを伝えるには、ある程度の人間関係が構築されていなければ、非常に誤解を与えてしまうものでもあるのだ。

こうした、日本独自の「メールのエチケット」なるものが確立されているのである。

さて、私個人もたまに、「事実情報のみのダイレクトな表現」のメールを受け取ることがある。しかも、それが企業のオフィシャルなメール対応としてである。

相手によっては、こうしたメールの文章で、会社のブランドそのもののイメージをダウンしてしまうリスクもあるのだ。

会社として、担当者本人としては、そうした意図は全くないはずであるが、きちんと対応しているにも関わらず、このように思われてしまうのは非常にもったいないことだ。


たかが、メール。されどメール。
メール対応にも、きちんと気配りを行わなければならない時代なのである。

2010年4月29日木曜日

「昭和の日」とは、どんな日?

今日から、ゴールデンウィークに突入。
今年の連休は、長い休みを取りやすい暦となっており、円高の影響もあり、例年より海外旅行をする人も多いようだ。このようなニュースを見ていると、「これで不景気なの?」と思いたくなるもなる。しかし、感覚的には上向きを感じるところもあるから、まんざらでもないかもしれない。

ところで大型連休の初日。

今日は、「昭和の日」。

「あれっ、今日はみどりの日では?」と一瞬思ったが、2007年から法律が改正され、「みどりの日」から「昭和の日」に変わったのだった。ちなみに「みどりの日」は、5月4日。

4月29日は、元号が昭和の時代は、天皇誕生日。
その後、平成天皇が即位し、「みどりの日」とされた。

平成17年の国会で、国民の祝日に関する法律の改正案が提出され、平成19年、2007年から施行され、現在の「昭和の日」となった。


さて、この「昭和の日」。
少し調べて見ると、オフィシャルWEBサイトがあった。

昭和の日


この「昭和の日」は、上記法律の定義として、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」とされているのだそうだ。


さて、まさに今日(こんにち)の日本が置かれている状態は、どうだろう。
本気で将来を考えなければならない、岐路にさしかかっているかもしれない。


今朝のNHKの解説番組で、普天間問題、日中関係・対アジア関係を特集していた。
これらの問題は、国際的な視点からは、まさに、日本の将来を左右する重要なテーマでもある。

ビジネスにおいても、短期的な施策と長期的な施策と両方を常に考えていなければならない。
短期的な施策は、現状の状態の課題を抽出しそれに対する対策を打つことで考えていくが、長期的な施策を考えるにあたって、重要なのは、過去の「大きな流れ」というものを掴むということも重要だ。


この「過去の大きな流れ」は、短期的な経験値ではなく、大きな歴史の流れから学べるものがある。個人的にも、これらが重要だと、最近気付かされるようになった。


さて、「今日は、過去を顧み、将来を思う」日。
たまに、ゆっくりと考えて見るのも良いかもしれない。

2010年4月28日水曜日

「情報の保管」というものを考える

昨日、とある法律が国会で可決し成立した。
殺人罪などの凶悪事件の公訴時効を廃止する「改正刑事訴訟法」。
衆議院本会議で成立し、昨日公布、施行された。

今回の時効が見直しされたのは
・殺人、強盗殺人…今まで:25年⇒今回:廃止
・強制わいせつ致死、強姦致死…今まで:15年⇒今回:30年
・傷害致死、危険運転致死…今まで:10年⇒今回:20年
・自動車運転過失致死、業務上過失致死…今まで:5年⇒今回10年

というようになり、傷害致死などの殺人は廃止、それ以外は2倍に延長されることになった。

アメリカでは、テレビドラマ「コールドケース」でも描かれているように、殺人事件の時効が無い。今回、日本も、同様な取扱になったというわけだ。


さて、テレビドラマ「コールドケース」でも見ることが出来るが、気になるのが、過去に起きた事件の証拠情報。テレビでも、膨大な広さの倉庫(実際はどうなのかは分からないが)が登場する。


実は、今回の法律が施行されたことにより、こうした事件に関する証拠情報の保管量も、自ずと増えることになる。


ここで、気になるのが、「情報の保管」について。

時々、ニュースでもDNA情報を取り違えて、まちがった捜査をしてしまったというようなことを耳にする。

企業においても、過去に保管していた情報が、どこに行ってしまったのか分からないということもある。政府でさせ、年金問題で明らかになったように、情報の保管がずさんなものもあるのだ。

そして、意外に抜け落ちるのが、「保管に関わるコスト」。
情報量が増えるとともに、自ずと物理的保管管理にかかるコストも上昇するのだ。


情報を保管する場合、まず、長期的な視野に基づいた計画を立てる必要がある。

それを視野に入れつつ、管理する組織体制、方法、期間、場所、コストに関するルール作りを行わなければならないのだ。

2010年4月27日火曜日

親孝行を、第三者が監視する時代!?

今日、非常にショッキングな話題を目にした。

中国のとある制度のお話。NHKのとある番組での紹介。

急速な経済成長を続ける中国。
人々は生活水準があがる一方で、年配層が取り残されてしまっている。日本と同じように、若い人は収入を得ることにより、親元から離れて核家族化。
仕事が自由に選べるようになる一方で、所得格差も生まれ、生活に不安を持ったり、余裕が無くなってしまっている人もいる。

また、日本に比べて中国は、福祉制度もあまり整っていないなかで、若い世代の介護の余裕がなく、高齢者の孤独死などが増えるという問題も生まれている。

そうした中で、行政が親子関係にまで入り込む施策が実行されている。
その名も、「親孝行契約」。

子供が、親に対して孝行をきちんとするという契約を、行政が仲立ちするというもの。
この他にも、近隣の住民が、お年寄りに声かけをすることを契約するというものまである。

この契約制度を聞いた時、非常に驚いた。
「ここまできたか。。。」と。

親に対して敬意を払うことを重んじる、儒教の国、中国がこのような制度を行わざるを得ない状況になっているということに、非常に驚いたのだった。


高齢化社会は、日本でも同じ。

政治のほうも、「コンクリートから人へ」とスローガンは出されているものの、明確な着地点が見えていないのも現実。

お互いが支え合う社会。
ある意味、資本主義の真反対のイデオロギー。

「理想」と「現実」の狭間で、どう社会を発展させていくのか。
我々はきちんと考えていかなければならない時期に差し掛かっているのだろう。

2010年4月26日月曜日

「終わる」も、計画のうち。。。

先週末から、事業仕訳の第二弾がスタートしている。
今日は、2日目。本日も、いくつかの事業について「廃止」と結論が出されたものがいくつかある。

どのような事業にも、始めがあれば、終わりがある。継続することが出来ない、継続する意味が無いとなると、必ず終わりを迎える。

さて、この「終わり」というものに注目してみたい。

実は、このような事業やプロジェクトから、書類の保存期間といったものまで、実は「終わり」を疎かにしてしまうことが多い。


例えば、営業活動。
お客様にアプローチをして、中々クロージング出来ない場面を見受けることがある。
一体、いつまで行わなければならないのか。。。「終わり」の目標をきちんと決めておかないと、ずるずると生産性の上がらない活動をしてしまう羽目になる。

その他にも、書類の保管。
以前、個人情報保護のコンサルティングを行っている際に、多くの企業で見受けられたが、保存期間の「終了」を定めていないものが多い。これでは、不必要なものをいつまでも保有しておかなければならなく、リスクが増すだけだ。

システムの設計においても、いつまでデータを保管しておくのか、削除のタイミングはどうすべきかというものが疎かにされやすい。


新しい事業の立ち上げやプロジェクトの立ち上げなど、スタート時点は、大きな夢や期待に意気揚々とエネルギーを注ぎ込む一方、「終了」というものも、実は色々とノウハウが必要でもある。また、コストもかかる。

先日、デパートの閉店の際には、そのコストが非常にかかるという話を、とある番組で代表が答えていたのが、印象に残ったものだ。


人間にもライフサイクルがあるように、ビジネスにおいてもライフサイクルというものはある。
ビジネスの新陳代謝を良くするために、事業の内容、商品・サービスというものも、定期的に入れ替えなければならない。

その入れ替えを考える際に、「終了」のタイミングというのも、忘れてはならない重視しなければならない計画要因の一つだろう。

2010年4月25日日曜日

中国におけるオペレーションマネジメント

上海万博まで、あと僅かになった。

テーマソングやキャラクター、パビリオンの建設などの盗作が話題になっているが、色々なニュースを見ていると、中国パワーを至る所で感じさせられる。

中国初の国際万博、過去最大級の規模での開催と、非常に興味深い。
1970年の日本で開催された大阪万博と、とかく比較されるが、当時の日本よりも今の中国のほうが格段にパワーがあるのではないだろうか。

さて、そうした上海万博も開催直前となり、リハーサルが行われている。
ここ数日のニュースでも報道されている。人気があるのは、日本館なのだとか。

しかし、そのパビリオンの入場の様子を見ていると、トラブルも発生している様子。親子で来訪しているのに、入場制限で離ればなれになってしまったり、上手く入場制限が行えず、館内に雪崩れ込でしまったりと。。先日の入場ゲートでも、金属探知機などのセキュリティーチェックが機能しないほどの混雑になるなど、非常に多くの混乱が生じていた。

これらは、オペレーションのノウハウが必要なものだ。

テーマソング、キャラクター、建物など、目に見えるもの、つまり有形のものについては、上手く真似が出来ているようだが、このオペレーション管理のような無形のノウハウは、中々真似できるものではない。

どうやら、こうした部分については、まだまだベンチマークが必要なのだろう。


日本も、このサービスオペレーションのマネジメントが確立されたのも、最近であろう。スーパーマーケット、コンビニエンスストアに始まり、ファーストフード、テーマパークなど、様々なサービスオペレーションが確立されたのも、ここ30年で確立されたものだ。

当初は、「効率」「サービスの均質」を重視したものであったが、最近では「付加価値」「おもてなし」などが注目されている。


さて、こうしたオペレーション。
これからの中国市場で、どのように展開されていくのだろうか。非常に興味深いところだ。