2010年1月30日土曜日

航空業界にもヒントがいっぱい。。

今晩、フジテレビ系列で映画「ハッピーフライト」が放映されていた。

田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか等が出演する、航空業界の裏側で働く人々を描いた矢口史靖監督による群像劇。

映画「ハッピーフライト」

航空機内の機長、副操縦士、客室乗務員たちの仕事、飛行場での管制官、整備士、グランドスタッフ、オペレーションセンターの仕事が、わかりやすく描かれている映画だ。

この映画は、全日空が全面的に支援。機材の提供、工場での撮影などだけでなく、企画段階から脚本に対してのアドバイスなど行っており、コミカルながらもリアルな描写をしている。


さて、航空業界は今、経営再建問題等で話題になっているものの、ビジネスにおけるあらゆるマネジメントという視点では、その他の業界にも非常に応用できるものが多い。

映画では、日常でもありうるイレギュラーなシチュエーションの対応をコミカルに描かれている。

「報告・連絡・相談」、「情報共有」、「整理整頓」、「チームマネジメント」、「リーダーシップ」、「ホスピタリティ」、「顧客視点」、「段取り力」などなど、映画の中ではいろんな視点でのヒントが満載だ。

娯楽コメディ映画ではあるものの、色々と考えるきっかけを与えてくれる映画でもある。

たまには、こんなビジネスの視点で見てみるのも面白いかもしれない。

2010年1月29日金曜日

2010年のキーワードトレンドから推察する

日経BP社が運営する情報サイト「ITPRO」でITキーワードに関する記事を見つけた。

企業におけるマネジメント/情報システム分野で注目したいITキーワードのランキングだ。

昨年に引き続き、クラウド関連が多く含まれる中、「見える化」、「コスト最適化」は引き続き高い関心があるようだ。

[マネジメント/情報システム]クラウド関連が圧倒的な強さ、「IFRS」も急上昇

●2010年に注目したいマネジメント/情報システム分野のITキーワード(ITPROより)
  • 1位:クラウド・コンピューティング
  • 2位:プライベート・クラウド 
  • 3位:国際会計基準(IFERS) 
  • 4位:見える化 
  • 5位:SaaS(Software as a Service) 
  • 6位:Twitter 
  • 7位:環境経営/グリーン経営 
  • 8位:PaaS/IaaS(Platform as a Service) 
  • 9位:コスト最適化 
  • 10位:排出量取引
●2009年に注目したマネジメント/情報システム分野のITキーワード
  • 1位:クラウド・コンピューティング 
  • 2位:パンでミック(新型インフルエンザの大流行) 
  • 3位:SaaS(Software as a Service) 
  • 4位:内部統制/日本版SOX法 
  • 5位:見える化 
  • 6位:Twitter 
  • 7位:国際会計基準(IFERS) 
  • 8位:工事進行基準 
  • 9位:コスト最適化 
  • 10位:プロジェクト・マネジメント/プログラム・マネジメント


この中で、私が注目したいのは、「見える化」というキーワード。

この「見える化」というのは、マネジメントや情報システム分野だけで話題になっているわけではなく、政治活動、検察の取り締まりなど、様々な分野で取り立たされている。

この「見える化」という言葉は、トレンドキーワードになってしまっているが、使用をする際に、少し気をつけないといけないのではと考えている。

まず「見える化」の対象物を「何」とするか。何でもかんでも「見える」ようにすれば良いわけではない、情報洪水を引き起こすだけだ。目的に対して、「何」が適切かを考えなければならない。

次に「見る側のスキル」。つまり、情報を受け取る側が、きちんと情報を理解し、適切に処理できなくては、意味のない非効率な「見える化」になってしまう。受け手のスキルによっては、「見える化」ではなく「見せる化」であるべき場合もあるのだ。

では、一体どうしたらよいのだろうか。

昨今指摘されている、コミュニケーションの低下により、過去には見えていたものが見えなくなってしまっているものもあるだろう。また、通信分野やIT分野では技術の発展により、素人目にはブラックボックスになってしまっているものもある。また理念的な変化、社会風潮の変化により、ウィキペディアやLinuxの開発に代表されるように、今までクローズドで培われたノウハウ・知恵などをオープンにして共有するような考え方も出てきている。


「見える化」に取り組む前に、まず、グランドデザインをしっかり描くことが大切だ。そのグランドデザインを基に、どのような情報が関連するのか、そしてどのようなプロセスを経て、見えるようにするのか、一つ一つ整理することで活きてくる。

2010年1月28日木曜日

相撲界も、現場主義が必要か?

日本相撲協会の理事選挙、今日、立候補者が決定した。
定員は10名のところ、立候補者が11名となり、投票が実施されるというのだ。

「慣例」に倣うと、一門ごとに事前に決められた定員枠を調整して、選挙に臨むため投票が行われない。そんな中、二所ノ関一門である貴乃花親方は、他の親方2名の定員枠の中、どうしても理事選に出馬したいということで、立候補した。


貴乃花親方曰く、「現状の相撲界を改革したい!」と理事選に出馬。

具体的な改革案が述べられないものの、今日のニュースで、「弟子たちを育てる」ことに対して触れていた。

奇しくも、横綱朝青龍の不祥事事件の報道。
何となく、貴乃花親方が改革をしたいという問題点が、伺える。


貴乃花親方が理事選に出馬することに反対する親方も、多いとのこと。それは、今までの慣習をきちんと守りたいというところからだろう。


しかし、恐らく、親方としては経験の浅いながらも、「現役力士や土俵に近い」、言い換えると「現場に近い」貴乃花親方が改革しなければならないと、問題提起している点は、見逃されるべきではないことがたくさんあるのではないだろうか。

相撲は国技。長年の伝統を守るべきところは守ってほしい。しかし、一方で時代の変化で変えなければならない、ならざるを得ないもの、などもあるだろう。それは、第一線の現場に一番ヒントが隠されている。

来週、投開票があるが、様々な不祥事なども起こさないためにも、理事会全体がもう少し現場に目を向ける必要があるのかもしれない。そういう意味では、貴乃花親方のアクションにエールを送りたい。

ところで、本論から外れてしまうが、立候補者名簿への届け出。すべての親方が毛筆の自署で記入していたが、皆、字が素晴らしく上手いのに驚いた。。。

2010年1月27日水曜日

ヒト型ロボット。。活躍始まる!!

「ロボットが築くニッポンの未来」と題して、今日のBSフジ「プライムニュース」で、ロボットの特集をしていた。

産業用ロボットは、かなり前から実用化されてきているが、最近では人型ロボットも実際にビジネスで活躍し始めているらしい。

番組では、フラワー・ロボティクス社のマネキン型ロボット「Palette」が「ゲスト出演」していた。

↓の動画は、そのマネキンロボットの動く様子だ。




フラワー・ロボティクス社

実際に、このマネキンロボットは、昨年、銀座和光のショーウィンドウで活躍もしているのだそうだ。
参考までに、1体購入すると500万円、レンタルだと4日間で30万円だとか。

このマネキンロボットの中には、外界の動きを感知するセンサーがあるとのこと。
マネキンの動きに対して、観客がどのような反応をしたのかを記録する仕組みがあるのだという。
その記録から、どのようなポーズが良かったのか、ロボット自身が判断し、次のポージングの際に、その記録を参考に、次の動きを考えるのだそうだ。まさに、学習だ。

経験した結果をきちんと記録し、次の行動の時にその記録を判断材料とする、まさに学習効果の結果が、次の行動に出るというわけだ。


人間が学習するのと、まったく同じロジックである。しかし、人間は、怠けてしまい学習を疎かにしてしまうことも多々ある動物だ。

SF映画の世界では、近未来に、人間が堕落してしまい、進化したロボットが人間を支配するというコンセプトのストーリのものも多く描かれるが、あながち、全くの空想ではない、少しづつ現実味を帯びてきているのかもしれない。


「学ぶ」ということは、単なる学術的な学ぶということではなく、日々の行動を振り返り、その行動結果がどうだったのかを常に振り返り、知識情報として蓄積し、行動を改善する。。その繰り返しだ。

ビジネスでも、こうした視点で、常に振り返る「癖」が重要だろう。

人間も、組織も、「学習する」ということ、それは非常に重要なことだと思う。

2010年1月26日火曜日

「ボケ」と「突っ込み」に潜む、大切なもの。。

関西のコミュニケーション文化には、「ボケ」と「突っ込み」というものがある。
多くの方が、吉本の芸人のおかげで全国区になり、ご存じのことだろう。

この「ボケ」と「突っ込み」というものであるが、私個人的には、コミュニケーション学的に、非常に重要な要素を保有しているのではと思ったりしている。

「ボケ」と「突っ込み」の中の、特に「ボケ」の部分だ。

「ボケる」という行為は、相手に対して、「突っ込んでもらうための隙を作る」ということが必要だ。
つまり、相手に対して、心を開き、更に、相手が突っ込んでもらえそうな形で心を開かなければならない。つまり、相手の立場になり、相手のことを知らないと、「正しいボケ」は行われないのだ。


ここに、コミュニケーションにおける重要な要素があるのだ。

つまり、「心を開く」ということと「相手の立場になり、相手を知ること」ということだ。

ビジネスにおいても、お互いに良い関係を築くには、まず、相手のことを知らなければ始まらない。
そのきっかけは、どちらかが、心を開かねば、いつまでも詮索し続け、疑心暗鬼になってしまうだけだ。

心を開くには、それ相応の勇気も必要だ。しかし、この初めの第一歩が、大きく踏み出せるか否かで、そのごの関係構築にも影響すると私は思う。


たかが、「ボケ」と「突っ込み」。

しかし、関西人の私にとっては、コミュニケーションの視点で考えると、非常に価値の高い文化的な財産なのではと思ったりする今日この頃だ。


2010年1月25日月曜日

日本流のサービスを海外に。。。

あの「宅急便」が「タッキュウビン」として海外でスタートらしい。

そう、クロネコヤマトの宅急便が「TA-Q-BIN」としてシンガポールで1月8日から開始した。日本でお馴染みのサービスが、海外でも同じようにスタートとなった。その第一弾がシンガポール。

日本流のサービスを、海外でも同じように展開するらしい。

YAMATO TRANSPORT(S) PTE.LTD.

電話一本での即日・翌日配達、食品や冷凍食品などの配達、留守の場合の再配達など、お馴染みのキメ細かいサービスが、シンガポールでも受けられる。

今後は、中国やマレーシアなどのアジア各国にも事業を拡大するのだという。


海外では、即日配達、翌日配達、時間指定といったきめ細かなサービスは、基本的に無い。日本では当たり前な感覚になってしまっているこうしたサービスは、海外ではまだまだ提供されていないのだ。

日本的なこうしたきめ細やかなサービスが、非常に評価されているのだ。

日本では当たり前のサービス、結構、海外では案外未成熟だったりする。

たとえば、バスの車内アナウンス。

日本では当たり前のように、昔から音声テープなどにより(今ではIC録音?!)停留所の案内が流れていた。こうしたサービスは、アメリカなどでは、結構最近まで提供されていなかったのだ。
例えば、2~3年前にハワイに行った際に知ったことだが、市バスでは当然のようなサービスである音声アナウンスと車内での次の停留所の液晶表示など、サービス改善に取り組み、全米での公共交通機関に対しての表彰されているのだ。

ホノルル市交通局(英語)


今、不景気で価格競争が激化し、値下げ、値下げという動きがあるが、その裏で、当たり前としてのサービスが、実は、企業努力の賜物であることも多々ある。

いつもは当たり前のことが、無くなって初めて、その価値がわかったりする。
海外旅行等に行くと、顕著に感じる。

こうした、目に見えにくい「無形の価値」というものを、消費者側もきっちりと見極め、きちんとした評価できる能力も、必要ではないだろうか。。

2010年1月24日日曜日

現場オペレーションが持つ、「潜在力」

「信頼の鶴のマーク」と言えば、そう、今毎日連日のようにニュースで流されているJAL。

昔、海外旅行に行った際に、あの赤い「鶴丸」を見ると、いつも何故かホッとしていた記憶がある。今でこそ、赤○に変わり、さらにトリトンブルーのANAの垂直尾翼を見ることも増えてきたが、日の丸とイメージが重なるせいか、なんとなく落ち着いたものだった。

そんなJALが、今は大変な状況になっている。

さて、そんな大変なJALではあるが、今朝のテレビ朝日系「サンデープロジェクト」で、なかなかテレビ等で報じられることのない、裏側での社内改革を紹介していた。

その紹介の一つに、「CLM」プロジェクトというものを紹介していた。

「CLM」とは、「Communication Leader Meeting」の略で、飛行機の運航、機体整備、客室乗務員、空港、貨物、販売(予約・発券・セールス)に至る、あらゆる職場の社員が、部門を超えてコミュニケーションを図ることを目的として、社員自ら起案され、西松社長に上申され発足されたものだ。

トップダウンでの経営改革が進められる中、現場でも、なんとか企業風土を変えなくてはということで生まれたものだ。2006年2月に発足している。

部門を超えて、情報交換を行い、様々なことに取り組まれたそうだ。

直近のニュースで、よく見かける社員の手書きメッセージカードも、このプロジェクトから生まれたとのこと。

お客様の声の部門を超えた形での共有も積極的に行われ、正式に会社側にも改善依頼などが出されたりされているらしい。

ある支店では、遅延到着した機材の清掃を、本来は客室乗務員と清掃担当が行うところ、部門を超えて皆で協力することにより、その遅延を取り戻すことにも効果をあげているらしい。事実、ANAより定時運行においては、非常に高いレベルで実践されている。

また、以前、JALでは、部品の落下事故など多数発生していたが、風土改革を行い、失敗・トラブルの積極的な報告も行われることにより、整備不良による事故減少にも効果をあげているのだそうだ。所謂、失敗等の情報の共有だ。


JALだけでなく、このような縦割りの企業風土による、コミュニケーション不全に陥って、経営不振になってしまている企業も少なくないはず。特に、IT系企業で多く発生しているのではと思われる。

経営側の単なる財務の視点でなく、現場視点での業務改善をすることで、不振脱却の施策として出来ることは、まだまだあるはずだ。

現場の意識変化、現場で新たに発見される様々なニーズや改善点。
こうした細かい積み重ねこそが、強い組織への第一歩になるのではなかろうか。