2010年5月29日土曜日

iPadの発売に見る、情報リテラシーを考える

昨日、待ちに待ったアップル社の多機能端末、iPadが発売になった。
発売する各店舗の前には、長い列が出来ていたようだ。
多くのメディアが、iPadの発売開始を伝えていた。

印象的だったのが、巣鴨でのレポート。シニア層が多い巣鴨であるが、iPadへの反応がかなり好意的であったこと、特に操作感に対しての評価が高いことが、今後のユーザー層の拡大に期待が持てる。


さて、このような多機能な情報端末の登場により、より一般の人も様々な形で情報収集が出来るようになった。

常に身の回りで携帯できる端末を通して、あらゆる情報が簡単に入手できる。
非常に便利でもある。


今まで情報を入手するまでのプロセスと言うものが省かれ、ハードルが減ったことによる効果だ。

しかし、今までは、こうしたプロセスのなかで、情報を得ようとする側は、様々に思考し洞察を持って自身の考えをまとめることをしてきた。

情報が簡単に手に入れられることにより、物事を深く考えるということが減ってしまうのではという懸念が生まれてくる。


事実、現在の世相を見ても、政治からメディアの報道、ビジネス、教育、そして家庭に至るまで、表面的な事象ばかりに目が向けられ、その奥深くにある原因をじっくりと洞察を持って考えるということが、軽んじられているように見受けられる。

政治の混迷、不況からの脱出、職場環境、教育問題、様々な問題に対して、原因がある。しかし、これら表層の現象ばかりに目を奪われていると、本質を見極めることが出来ない。特に、この表層部分は、情報発信力のある側からの影響力も非常に左右されてしまう。

情報通信端末の発展とともに、それを使用する側の能力を、日頃から鍛錬することも大事だろう。

2010年5月28日金曜日

注目される「バリューエンジニアリング」。。

私たちが、日常生活で商品を購入する時、その商品の価格に対してどのような価値が見出せるかを天秤にかけて、購入するかを判断する。

自分自身が期待する機能やメリット、そうしたものに優先順位をつけて価格とのバランスを考える。

このようにユーザーが「よし、買おう!」と思う「値ごろ感」に合わせて価格設定し、その価格に対してコスト調整を企業側は行わなければならない。


さて、こうしたコストに対して、商品やサービスが持つ機能や性能、お客様の満足度を最大化させようという手法として、「バリューエンジニアリング」という考え方がある。

自社が提供する商品やサービスは、誰に対してのものなのか、何のために存在しているのかを明確化して、その価値を「機能」と「コスト」の関係で表し、その価値を向上させることを目的とするのが、この考え方だ。


この考え方自身は、以前より存在しているが、最近、この手法が注目され、「バリューエンジニア」という職種として、製造業等では専門職として配置しているようだ。

バリューエンジニアリングにおける価値を向上させるパターンは、次のパターンがある。

  • 機能は維持しつつコストダウンによる価値向上
  • コストは維持しつつ機能向上による価値向上
  • 機能向上とコストダウンによる価値向上
  • コストアップさせつつ機能向上させ価値向上
  • 機能ダウンとコストダウンを行い価値向上

このようなパターンで価値を向上させることが出来る。

このブログでも良く書いているが、ここ数年、価格を下げることだけにフォーカスした商品戦略、更には[フリーミアム」と呼ばれる無料施策等が取り沙汰されるが、その裏側のコストとのバランスをきちんと考えられていなければ、ビジネス自身が成り立たない。

商品やサービスの価値。

これらは、あくまでも利用者やお客様が決めるものである。

常に利用者の目線、お客様の目線を忘れずに、このバランスを取る施策が重要だ。

2010年5月27日木曜日

日本人は、広告に寛容なのか!?

日本人は、欧米人と比べて広告に対しての感覚が違うのだろうか・・・?

とあるサイトで、下記のような記事を見つけた。

日本人は、欧米人よりオンラインメディアに積極的で広告に寛容 (日経BP ITPRO)


デロイト トーマツ コンサルティングが、日本におけるメディア消費について調査したもの。

インターネット、テレビ、新聞雑誌などのメディアについて、アメリカ、イギリス、ドイツの3カ国と日本の傾向を比較したものだ。


記事によると、

  1. オンラインメディアをより利用したいという傾向が日本は高い
  2. 日本は欧米に比べて自ら情報を発信することには消極的
  3. 欧米に比較して、広告配信に寛容的

という傾向が出ているとしている。

まず、1について。
情報収集のためのデバイスとして、特に携帯電話からの情報収集率が高いというのが、欧米と大きな違いがある。「ガラパゴス化」と言われている代表例の携帯電話、外国と比べて非常に多機能になり、情報収集のハードルが低く、容易にアクセスできることがこれを物語っているのだろうか。
私は、逆に従来のメディアの質の低下が、新しいメディアに対しての期待度を高めているとも見れるのではとも個人的に思える。

そして、2について。
これは、明らかに国民性の違い。情報に対して「メディア依存」の高いのが日本。
自分自身の意見を発表したり、意思を押し通すよりも、「カリスマ○○」というものを真似してみたり、情報番組や情報誌の流行に流されてしまったりする傾向が強いことも、このデータが物語っているのではなかろうか。
今の政治の混迷も、そんな世相から生まれてきているような気がする。

そして、3について。
これは、寛容と捉えるべきなのだろうか。「慣れ過ぎ」というものではないだろうか。
欧米に比べて、日本では、ありとあらゆるところで「広告」と言うものに接する。

電車の中づり・つり革、エスカレーターの手すり、ビルの看板から、電柱の張り紙。
欧米の人が、日本を象徴する映像を撮影する際、寺院以外に、こうした「混沌とする都市」をテーマにすることが多いのも、こうしたイメージからきているのではないだろうか。
個人的に、このような媒体や場所に広告を出すことの意図に疑問を感じてしまうものが多々ある。どう考えても、効果の見込めない広告出稿ということだ。

欧米は、費用対効果を非常に意識して広告を出稿する。
だから、日本に比べて、街中で広告を見ることが少ない。

日本は、インターネット広告の台頭により、ようやくこうしたことにも目を向けるようになったと言えるのではないだろうか。


様々なメディアが新たに出現し、世の中に氾濫する情報量も膨大になった。

情報を発信する企業、情報を受信する消費者も、それぞれ今までとは違う時代に突入した。
企業側は情報発信の効果を問い、消費者側は情報の真贋を見極める力が求められるようになったのだ。

この調査結果から、欧米との違いについて、まだまだ他にも仮説が立てられるかもしれない面白いデータだ。

2010年5月26日水曜日

明日から、新しい気象情報の提供がスタート!

明日、5月27日から、気象関係の情報提供の仕組みが変わる。

大雨や洪水などの警報や注意報が、より細かい地域に区分されて発表される。
例えば、東京管区気象台の発表地域は、現在が114の地域から672の地域に細分化されるのだ。


~大雨や洪水などの気象警報・注意報の改善について~:気象庁
~雷ナウキャスト・竜巻発生確度ナウキャストについて~:気象庁


こうした新しい発表は、過去に起きた大規模な風水害に対して、災害を出来る限り未然に防ぐためにも、その危険性を細かく伝える必要性があると判断し、今回の導入に至ったらしい。


さて、この新しい取り組みに対して、困惑しているのがテレビ局。
以前に比べて、情報量が格段に増えてしまい、従来の方法では、複雑になって上手く情報が伝えられなかったり、情報を伝えたとしても非常に時間がかかってしまうなどの見解を出し、各局の対応が分かれている。


ところで、今回の気象庁の新たな情報提供は、情報の受け手にとっては、より精度の高い情報を受け取ることが出来、私は好意的に見ている。

技術が発達し、様々な種類、より多量の情報を取り扱うようになった。

情報の発信者と情報の受信者の媒介役である「マスメディア」では取り扱いきれない豊富な種類と多量の情報が、氾濫する時代にもなったのだ。

今回の気象庁発表の情報について、放送局による情報取扱いの姿勢を見ると、マスメディアが伝えられる情報には限界があるということを明確に示している。


これからは、今までのような「受動的な情報収集」から、「能動的な情報収集」が出来るか否かが、より質の高い、自分自身が必要とする情報を得るためのポイントになるだろう。

そのためにも、個々人が、氾濫する情報の中から本質を見極める「目利き」的な力を養うことが重要だ。

2010年5月25日火曜日

Google VS Apple

今年になって、いろんなニュースで話題にされるようになっている2つの外資系企業、Google社とApple社。


今まで、この2社は仲良くタッグを組んでいたように思えたが、ここ最近、Google社が敵視したコメント等が見受けられるようになっている。


iPhone、iPadが話題になっているApple社。

Andoroid携帯など、オープンプラットフォームを推奨するGoogle社。

この2社の動きが、個人的にも非常に興味深い。


Apple社は、昔からオリジナルなユーザーエクスペリエンスを重視した戦略を取ってきた会社だ。
今でこそWindowsで当たり前になっているGUY(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)も、マッキントッシュが先駆者だ。こうしたGUYの開発のノウハウは、今の、iPhoneやiPadにも受け継がれている。

一方、Google社は、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」をミッションとしている。つまり、「世界一の情報整理屋」といっても良いかもしれない。


そうした2社が、最近では、対立の構図として報道しているが、そもそもAppleは「モノ作りの会社」、Googleは「情報整理屋」ということで、理念も違えば、社風も全く異なる。
Appleは、モノ作りにおけるガイドラインをしっかりと構築し、理念に基づいてモノ作りをしている。

一方のGoogle社は、非常に自由な社風で、Apple社とは対照的。

しかし、両社に共通するのは、既存の枠にとらわれず、「イノベーティヴ(創造的)でクリエイティヴ」に事業推進をしているところ。

今の時代、モノがあふれ、社会が成熟したなかで、新しい発想、イノベーションというものが、かつてなく重要な位置づけになっている。

そういう意味で、日本企業は、この2社から学ぶべきことがたくさんあるのではと思う今日この頃だ。

2010年5月24日月曜日

次世代のマニュアルスタイルに期待!

我々の日常生活や、日々の仕事でも取扱説明書やマニュアル・手順書というものに日々接する。

この取扱説明書やマニュアル。人によって、使い方が異なる。

例えば、家電製品の取扱説明書。

ある人は、「はじめに」からじっくりと最後まで読む人がいるだろう。
また、別の人は、「必要な部分のみ」じっくりと読む人もいるだろう。


ソフトウェアのマニュアルも、作り方が様々だ。

仕様書レベルの詳細な情報を詰め込む場合もあれば、ユーザーが必要な機能をピックアップしてとりまとめた場合もある。

少なくとも、ドキュメントを使用するユーザーが何を求めているかが重要だ。


ところで、こうした取扱説明書やマニュアル類。

紙の時代からデジタルの時代を迎えた今尚、抜本的な変化があっても良いのかなとつくづく思う。

変化があったと思えるものも、せいぜい、紙面で表現していたものを画像や動画で表現しているレベルだ。


冒頭でも記述したように、ユーザーにより、情報の取り扱い方も千差万別。
携帯電話や家電製品を取ってみても、使用するユーザー層の年齢も、以前に比べて幅広くなってきた。


それだけ、マニュアルや説明書は、幅広いユーザー層に対応しなければならない時代にもなってきている。

そうした背景のなかで、各種デジタルデバイスは、以前にも増して、効果を発揮できるツールになると、私は期待している。

2010年5月23日日曜日

インターネット選挙へ一歩前進。。(!?)

公職選挙法の改正により、いよいよインターネットでの選挙運動が解禁に向かい始めた。
インターネットが一般的に普及しだして十余年。
諸外国に比べて一歩出遅れた感は否めないが、ようやくという感じだ。


さて、今晩、フジテレビ系の情報番組でもこのことに触れていた。

そこで、とある2人の政治家のBlogに注目。

自民党 小泉進次郎議員と民主党 田中慶秋内閣委員長。

番組では、とある日の両氏のブログに注目。
そのブログの記事は、先日、採決された国家公務員法改正案についての採決の模様。
例の転倒事件のあった、あの採決の日のことだ。

小泉進次郎議員の5月12日のブログ

田中慶秋内閣委員長の5月12日のブログ


このブログをそれぞれ紹介し、当日の採決の様子の動画を流す。小泉氏のブログの後に当日のVTR、田中氏のブログの後に当日のVTRを流して、印象の違いを比較していた。

同じVTRであっても、そのブログの内容の視点によって、VTRから受けるイメージも変わるのだとして、こうしたインターネット上の情報に接する我々の国民側、つまり情報を受け取る側の視点に番組は注意を促していた。

確かに、インターネットの情報は、その情報発信者のフィルターを通して情報が掲載されている。従って、その情報がありのままの情報とは限らない。どこかに恣意的なものも含まれる可能性も大いにある。


政治に限らず、企業の情報から個人のブログ(当の私のブログですら)まで、その発信者のフィルターがかけられているのだ。

今日、インターネットという、あらゆる情報を自由に接することができるツールを得た一方で、こうした情報をきちんと目利きできる力も、同時に求められる時代にもなったのだ。

情報は、ある一方だけの視点で見ては、本質は汲み取ることが出来ない。

右から、左から。
上から、下から。
外から、内から。

事象そのものの立場になったり、相手方の立場になったり。そして俯瞰して、第三者的に見る等、様々な視点で物事を捉えることが必要だ。