今日は、9月11日。とある大事件が起こった日。
そう、今から遡ること9年前の2001年9月11日。あのニューヨークのワールドトレードセンターとワシントンのペンタゴンを狙った、アメリカ同時多発テロの起きた日だ。
私が、これまでの人生の中で、いくつか鮮明に記憶が残っている日の一つだ。
2001年当時、私は大阪のとあるプロダクション会社に勤務。
毎日のように残業が続く毎日。三十路に足を踏み込んだ当時、特に苦も無く当たり前のように過ごす毎日だった。
そんなある日、部下と私の二人が会社に残り仕事をしていた際、部下がYahoo!ニュースを見て、その第一報を知る。
当時の第一報は、「NY、世界貿易センタービルに小型機衝突」。
セスナ機か何かがぶつかったような報道だった。
そして、その後、徐々に詳細な情報が入ってくる。
そんな中、私の携帯が、今まで聞いたことの無いような着信音を鳴らした。
そう、当時のJ-Phone(現ソフトバンク)のサービスである「ステーション」というサービスの緊急ニュースの配信だった。私が、そのサービスを受け取ったのは、それが初めてで最後でもだった。
「どうやらテロでは?」という視点で、刻々とニュースが伝えられる。
部下と、「戦争になるんじゃないの?」と冗談半分に話していたが、それがその後現実のものになったのだった。
そして、帰宅後もすぐにテレビのスイッチをつける。
画面に映ったのは、2つのビルからモクモクと立ち昇る黒煙。
数分後、1つのビルが崩れ始める。生中継している英語の実況中の声の主が叫んでいるのが聞こえる。そして、更に別のビルも崩壊。
私自身、このワールドトレードセンターに訪れたことがあったため、あのビルが、こんなにもろく崩れてしまうのが信じられず、数分間声が出なかったのが今でも覚えている。
このように鮮明に覚えている事件・事故は、いくつぐらいあるだろうか。
私にとって災害系や事故系は、この他にも身近に起きたものも含めて、いくつかある。
こうしたものは、いつまでも覚えているものだ。
さて、「情報を伝え聞き、覚える」という場合、こうした印象に残るエピソードと一緒にするといつまでも覚えているものだ。
特に、時間軸での出来事は、大きな事件などと絡めて覚えていることが多い。
何かを伝えて、覚えてもらいたい場合、インパクトのあるメタファーやエピソードなど添えてみるとよいだろう。
日常生活の何気ないことから、企業経営に至るまで、世の中にあふれる「情報」を様々な角度で、アーキレッジ株式会社の後藤秀行が語ります。 「情報アーキテクチャ」「コミュニケーションデザイン」「ユニバーサルデザイン」「ナレッジマネジメント」など、幅広く扱ってみたいと思います。
2010年9月11日土曜日
2010年9月10日金曜日
地球の裏側、南米チリの鉱山で発生した落盤事故、その後、どうなっているのか。
最近、救助グループの心理学者が語ったところによると、非常に健全に過ごしているようだ。
■地下の33人「驚くほど健全」 チリ落盤、心理学者分析(asahi.com)
記事によると、心理学者の先生が、閉じ込められた作業員と電話等で声の調子や表情、話の内容から、その状況を観察しているそうだ。
現在、地下に閉じ込められた33人は、リーダー的な役割、精神的な支えになる人、雰囲気作りのひとなど、それぞれが上手く役割分担が行われ、これが異常な状況下でも落ち着いている理由の一つなのだとか。
これは、スポーツでもビジネスにおける組織でも同じだ。
強いチームは、個々の役割が明確になっており、そこに所属するメンバー自身もきちんと自覚し理解している。
弱いチームは、その逆だ。
ビジネスにおいても、この役割分担が明確になっていない場合がある。
自分が所属する組織だけでなく、例えば、お客様側と企業側との関係もそうだ。
例えば、お客様と一緒に何かをしなければならない場合。つまり、発注側の役割と受注側の役割。それぞれが、どこからどこまでを責任もって行わなければならないのか、明確になっていないと、トラブルに見舞われる。
プロジェクトを開始するキックオフの際に、これらは明確にしておく必要があるのだ。
プロジェクトの遅延は、こうしたことが明確になっておらず、お見合い状態に陥り、結局放置状態がそれを招くことで発生する場合もある。
また、自身のキャリアアップという視点でも、自身の役割をきちんと理解することが大切である。正しい目標設定を行うためには、自身の役割が明確になっていないと行えない。もちろん、そうした部下を持つ上司は、部下の役割をきちんと明示しなければならない。
役割分担と書くと、非常に薄っぺらいように見受けられるが、マネジメントという観点でみると、非常に重要なポイントであることは、常に肝に銘じなければならないだろう。
最近、救助グループの心理学者が語ったところによると、非常に健全に過ごしているようだ。
■地下の33人「驚くほど健全」 チリ落盤、心理学者分析(asahi.com)
記事によると、心理学者の先生が、閉じ込められた作業員と電話等で声の調子や表情、話の内容から、その状況を観察しているそうだ。
現在、地下に閉じ込められた33人は、リーダー的な役割、精神的な支えになる人、雰囲気作りのひとなど、それぞれが上手く役割分担が行われ、これが異常な状況下でも落ち着いている理由の一つなのだとか。
これは、スポーツでもビジネスにおける組織でも同じだ。
強いチームは、個々の役割が明確になっており、そこに所属するメンバー自身もきちんと自覚し理解している。
弱いチームは、その逆だ。
ビジネスにおいても、この役割分担が明確になっていない場合がある。
自分が所属する組織だけでなく、例えば、お客様側と企業側との関係もそうだ。
例えば、お客様と一緒に何かをしなければならない場合。つまり、発注側の役割と受注側の役割。それぞれが、どこからどこまでを責任もって行わなければならないのか、明確になっていないと、トラブルに見舞われる。
プロジェクトを開始するキックオフの際に、これらは明確にしておく必要があるのだ。
プロジェクトの遅延は、こうしたことが明確になっておらず、お見合い状態に陥り、結局放置状態がそれを招くことで発生する場合もある。
また、自身のキャリアアップという視点でも、自身の役割をきちんと理解することが大切である。正しい目標設定を行うためには、自身の役割が明確になっていないと行えない。もちろん、そうした部下を持つ上司は、部下の役割をきちんと明示しなければならない。
役割分担と書くと、非常に薄っぺらいように見受けられるが、マネジメントという観点でみると、非常に重要なポイントであることは、常に肝に銘じなければならないだろう。
2010年9月9日木曜日
スマートフォンの使い方も、色々と用途の幅が広がっているようだ。
千葉県で「電話」としてではなく、あくまでも「ツール」として利用している事例を紹介。
■スマートフォンで議案採決 千葉県流山市議会が初導入(47NEWS/共同通信)
■スマートフォンで議案採決、千葉・流山市議会(YOMIURI ONLINE)
議会の採決に、スマートフォンのアプリを利用しているのが千葉県の流山市議会。
一般の携帯端末より一回り画面の大きなスマートフォンの画面に表示された採決ボタンをタッチ。議会の採決のボタンとして利用するのだという。
議員以外が投票することの無いように、セキュリティも対応しているのだという。
今回、流山市議会が導入した背景には、通常の固定ボタン式の投票システムよりコスト削減効果があるのだという。
投票データは、そのまま会議場のモニタに表示されるだけでなく、WEBにも結果が連動するのだという。
本日、初めての採決が行われたそうだが、今までの方法に比べて採決に時間がかかってしまったそうだ。どうやら、議員自身がこうしたツールに慣れていなかったことと、事前の周知もあまり出来ていなかったからだそうだ。
さて、このようにスマートフォンも「電話機能」以外にも様々な応用範囲が広がる。
特に、ビジネスの視点では、まだまだ活用事例が広がるだろう。
スマートフォンは、電話機という視点ではなく、むしろ、様々な「情報」自身を手元で操作できるツールとして考えるべきだろう。
その使用用途は、情報の「収集」、「発信」、「加工・編集」の大きくは3つ。
そしてこれを如何に効率よく手のひらサイズの端末で行えるかどうかは、画面のインターフェースの設計にも関わってくる。
今後も、新たなツールの誕生に非常に期待するところだ。
千葉県で「電話」としてではなく、あくまでも「ツール」として利用している事例を紹介。
■スマートフォンで議案採決 千葉県流山市議会が初導入(47NEWS/共同通信)
■スマートフォンで議案採決、千葉・流山市議会(YOMIURI ONLINE)
議会の採決に、スマートフォンのアプリを利用しているのが千葉県の流山市議会。
一般の携帯端末より一回り画面の大きなスマートフォンの画面に表示された採決ボタンをタッチ。議会の採決のボタンとして利用するのだという。
議員以外が投票することの無いように、セキュリティも対応しているのだという。
今回、流山市議会が導入した背景には、通常の固定ボタン式の投票システムよりコスト削減効果があるのだという。
投票データは、そのまま会議場のモニタに表示されるだけでなく、WEBにも結果が連動するのだという。
本日、初めての採決が行われたそうだが、今までの方法に比べて採決に時間がかかってしまったそうだ。どうやら、議員自身がこうしたツールに慣れていなかったことと、事前の周知もあまり出来ていなかったからだそうだ。
さて、このようにスマートフォンも「電話機能」以外にも様々な応用範囲が広がる。
特に、ビジネスの視点では、まだまだ活用事例が広がるだろう。
スマートフォンは、電話機という視点ではなく、むしろ、様々な「情報」自身を手元で操作できるツールとして考えるべきだろう。
その使用用途は、情報の「収集」、「発信」、「加工・編集」の大きくは3つ。
そしてこれを如何に効率よく手のひらサイズの端末で行えるかどうかは、画面のインターフェースの設計にも関わってくる。
今後も、新たなツールの誕生に非常に期待するところだ。
2010年9月8日水曜日
職場のストレス。その原因を紐解いてみる。。
昨今、「職場のメンタルヘルス」や「職場うつ」というキーワードを耳にすることが多くなった。
そんな社会の流れに呼応したのか、厚生労働省のほうでは、企業が健康診断とはべつに、「うつ」などの症状が無いかストレス検査の義務付けを検討しているようだ。
■健診とは別にストレス検査、企業に義務付け 検討会提言 (asahi.com)
多くの職場で、「職場うつ」と呼ばれる精神疾患に悩む社員が、増加しているようだ。
ストレスの多い現代社会。しかし、過去に比べて何がそのような現象を増やしているのだろうか。これら「ストレス」というものでひとくくりにしてしまっていいのだろうか。
私自身、この「うつ」が増加しているのは、その原因の一つに職場のコミュニケーション量の減少があるのではと考えている。
十数年前の職場と現在の職場では、おそらく社員同士の会話が少なくなってしまっているのではないだろうか。
その原因の一つに、「ペーパレスによる電子化」「電子メール」といったITの負の影響があるのではないかと考えている。
ペーパレスによる電子化は、今まで紙の申請等の際のフェース・トゥ・フェースの会話というものを無くしてしまった。電子メールも同じく、お互いの顔を見ず、一方的なメッセージの発信に終わってしまう。
「顔」と「顔」を合わせてコミュニケーションを取るということは、その相手の表情から心理的な微妙な情報も伝達することが出来る。しかし、これらの表情を電子化されたコミュニケーションにおいては、なかなか伝達することが出来ない。
ちょっとした声かけや相槌やアイコンタクト。
こうしたことの積み重ねが、心理的な側面にも少なからず影響する。
ビジネスにおけるIT化における「功」は、様々なメディアでも検証されているが、その一方の「罪」も存在することにも注目したい。
今回の記事で、役所の方からストレス検査の義務付けの流れが取り組まれ始めているようだが、そもそも、「どうしてストレスが発生してしまっているのか」という原因にも、企業はフォーカスして見なければならないだろう。
そんな社会の流れに呼応したのか、厚生労働省のほうでは、企業が健康診断とはべつに、「うつ」などの症状が無いかストレス検査の義務付けを検討しているようだ。
■健診とは別にストレス検査、企業に義務付け 検討会提言 (asahi.com)
多くの職場で、「職場うつ」と呼ばれる精神疾患に悩む社員が、増加しているようだ。
ストレスの多い現代社会。しかし、過去に比べて何がそのような現象を増やしているのだろうか。これら「ストレス」というものでひとくくりにしてしまっていいのだろうか。
私自身、この「うつ」が増加しているのは、その原因の一つに職場のコミュニケーション量の減少があるのではと考えている。
十数年前の職場と現在の職場では、おそらく社員同士の会話が少なくなってしまっているのではないだろうか。
その原因の一つに、「ペーパレスによる電子化」「電子メール」といったITの負の影響があるのではないかと考えている。
ペーパレスによる電子化は、今まで紙の申請等の際のフェース・トゥ・フェースの会話というものを無くしてしまった。電子メールも同じく、お互いの顔を見ず、一方的なメッセージの発信に終わってしまう。
「顔」と「顔」を合わせてコミュニケーションを取るということは、その相手の表情から心理的な微妙な情報も伝達することが出来る。しかし、これらの表情を電子化されたコミュニケーションにおいては、なかなか伝達することが出来ない。
ちょっとした声かけや相槌やアイコンタクト。
こうしたことの積み重ねが、心理的な側面にも少なからず影響する。
ビジネスにおけるIT化における「功」は、様々なメディアでも検証されているが、その一方の「罪」も存在することにも注目したい。
今回の記事で、役所の方からストレス検査の義務付けの流れが取り組まれ始めているようだが、そもそも、「どうしてストレスが発生してしまっているのか」という原因にも、企業はフォーカスして見なければならないだろう。
2010年9月7日火曜日
統計データの信用を考える。。。
連日の猛暑。少々秋の気配は感じられ始めてはいるものの、今年は9月に突入した尚、暑い毎日が続いている。
そんな中、9月に入っても、国内の観測史上最高の記録を残したというニュースが飛び込んでいた。
しかし、その記録がどうやらあやしいというニュースも本日になって飛び込んできた。
■京田辺39・9度、記録の有効性検証へ…気象台 (YomiuriONLINE)
■「39.9度」って本当? 観測機器につる草 京田辺 (asahi.com)
どうやら、今回の京都府京田辺市の気象観測の機器の周辺に、ツタが絡まっていたそうだ。同地域の消防署での観測された気温のデータとも、少し開きがある様子。
気象台の発表では、今回の記録に直接の影響はないということであるが、こうした状況が発生していると、情報そのものへの信憑性が揺らいでしまう。
情報への信頼と言えば、昨今話題となっている、超高齢者の戸籍問題。
江戸時代生まれの人が、戸籍上生存しているというもの。
海外のメディアでも大きくこの問題は報じられたそうだが、そもそも長寿国ニッポンの統計データそのものへの信頼も、統計上の誤差の範囲とはいうものの、こうした事態があると揺れてしまう。
前者は、機械への頼りすぎの問題。後者は、仕組み上の問題。
どちらも、「現場でどのように情報が運用されているか」ということを冷静に観察すれば、問題は浮かび上がりそうなものだ。
情報の信頼性を維持するためにも、こうした視点で、適度に「点検」することも大事ではなかろうか。
そんな中、9月に入っても、国内の観測史上最高の記録を残したというニュースが飛び込んでいた。
しかし、その記録がどうやらあやしいというニュースも本日になって飛び込んできた。
■京田辺39・9度、記録の有効性検証へ…気象台 (YomiuriONLINE)
■「39.9度」って本当? 観測機器につる草 京田辺 (asahi.com)
どうやら、今回の京都府京田辺市の気象観測の機器の周辺に、ツタが絡まっていたそうだ。同地域の消防署での観測された気温のデータとも、少し開きがある様子。
気象台の発表では、今回の記録に直接の影響はないということであるが、こうした状況が発生していると、情報そのものへの信憑性が揺らいでしまう。
情報への信頼と言えば、昨今話題となっている、超高齢者の戸籍問題。
江戸時代生まれの人が、戸籍上生存しているというもの。
海外のメディアでも大きくこの問題は報じられたそうだが、そもそも長寿国ニッポンの統計データそのものへの信頼も、統計上の誤差の範囲とはいうものの、こうした事態があると揺れてしまう。
前者は、機械への頼りすぎの問題。後者は、仕組み上の問題。
どちらも、「現場でどのように情報が運用されているか」ということを冷静に観察すれば、問題は浮かび上がりそうなものだ。
情報の信頼性を維持するためにも、こうした視点で、適度に「点検」することも大事ではなかろうか。
2010年9月6日月曜日
ヒューマンエラーをどう減らす。。。
人というものは、ミスをするものだ。
しかし、度を超えると、それは許されるものではなく、異常事態として捉えなければならないこともある。
その異常事態が、神奈川県川崎市で発生しているようだ。
それは、川崎市バスの経路ミスの問題。
■市バスでまた経路ミス、右折地点で左折/川崎(カナロコ)
■相次ぐ市バス経路ミス、市長が議会で陳謝/川崎(カナロコ)
路線バスが、決められた経路を通らず別のルートを運行してしまうというミスが、今年になって多発しているらしい。
通常でも年に数件は発生しているらしいが、川崎市バスは6月以降だけで23件。異常な数値である。私自身、小学生の時に一度だけ、自身が乗るバスが路線を間違えて、バックしたことを今でも覚えている。経験したのは、その時、一度だけだ。
原因は究明されていないようだが、既にいくつかの対策は講じ始めているらしい。
その一つは、車内アナウンスの変更。
停留所の案内アナウンスの中に、次に左折するのか、右折するのかというアナウンスを盛り込み、ドライバーへの注意喚起に繋げている。ドライバー自身もマイクで右折、左折の車内アナウンスを行い、再確認させる工夫を取り入れている。
そして二つ目は、停留所での注意標識。
これは、鉄道でも採用されている方式だが、停留所の標識に、行き先確認、方向確認を促す表示ステッカーを添付。鉄道の駅でも通過駅なのか確認させているのと同じだ。
そして三つ目は、営業所内での注意喚起を促す地図の張り出し。
間違えやすい交差点での注意喚起を常に意識させるために、地図を張り出し、注意すべきポイントを可視化させたもの。
そして四つ目は、究極の「人力による注意喚起」。
つまり、交通局職員が間違えやすい交差点付近に立ち、ドライバーに注意を促すという方法。
四つ目は、人件費もかかり非常に負荷のかかる対策だが、ミスが経るまで続けるのだそうだ。
さて、こうしたヒューマンエラーを防止する取り組みは、ビジネスにおいても参考にしたいものだ。
しかし、気になるのが、「どうしてこういう事態が起きたのか」という原因究明。
本日も1件、発生してしまっているらしい。
報道を聞いていても、その原因となる部分が見えてこない。
実は、まだ解決していない根本的な原因というものがあるのかもしれない。
それを見つけ出すまでは、ヒューマンエラーの対策も、対処的な策としてでしか機能せず、抜本的な解決には導かれない。
原因の究明こそが、まず、エラーを減らす第一歩になるのだ。
しかし、度を超えると、それは許されるものではなく、異常事態として捉えなければならないこともある。
その異常事態が、神奈川県川崎市で発生しているようだ。
それは、川崎市バスの経路ミスの問題。
■市バスでまた経路ミス、右折地点で左折/川崎(カナロコ)
■相次ぐ市バス経路ミス、市長が議会で陳謝/川崎(カナロコ)
路線バスが、決められた経路を通らず別のルートを運行してしまうというミスが、今年になって多発しているらしい。
通常でも年に数件は発生しているらしいが、川崎市バスは6月以降だけで23件。異常な数値である。私自身、小学生の時に一度だけ、自身が乗るバスが路線を間違えて、バックしたことを今でも覚えている。経験したのは、その時、一度だけだ。
原因は究明されていないようだが、既にいくつかの対策は講じ始めているらしい。
その一つは、車内アナウンスの変更。
停留所の案内アナウンスの中に、次に左折するのか、右折するのかというアナウンスを盛り込み、ドライバーへの注意喚起に繋げている。ドライバー自身もマイクで右折、左折の車内アナウンスを行い、再確認させる工夫を取り入れている。
そして二つ目は、停留所での注意標識。
これは、鉄道でも採用されている方式だが、停留所の標識に、行き先確認、方向確認を促す表示ステッカーを添付。鉄道の駅でも通過駅なのか確認させているのと同じだ。
そして三つ目は、営業所内での注意喚起を促す地図の張り出し。
間違えやすい交差点での注意喚起を常に意識させるために、地図を張り出し、注意すべきポイントを可視化させたもの。
そして四つ目は、究極の「人力による注意喚起」。
つまり、交通局職員が間違えやすい交差点付近に立ち、ドライバーに注意を促すという方法。
四つ目は、人件費もかかり非常に負荷のかかる対策だが、ミスが経るまで続けるのだそうだ。
さて、こうしたヒューマンエラーを防止する取り組みは、ビジネスにおいても参考にしたいものだ。
しかし、気になるのが、「どうしてこういう事態が起きたのか」という原因究明。
本日も1件、発生してしまっているらしい。
報道を聞いていても、その原因となる部分が見えてこない。
実は、まだ解決していない根本的な原因というものがあるのかもしれない。
それを見つけ出すまでは、ヒューマンエラーの対策も、対処的な策としてでしか機能せず、抜本的な解決には導かれない。
原因の究明こそが、まず、エラーを減らす第一歩になるのだ。
2010年9月5日日曜日
スマートフォンの使い方も、今年に入って様々な事例が増えてきた。
今日また、こんな事例を見つけた。
■スマートフォンで素早い救急搬送 仙台市が独自システム (asahi.com)
救急搬送の際に、スマートフォンを使用して適切に素早く救急患者を病院に運ばせようとするものだ。
また、同様の症状の患者の対応ためにも、その時に対応した詳細な情報を、他の救急車にも情報共有出来るのだという。
今回のシステムの中心は、緊急搬送先の利用期間の情報をリアルタイムで現場で収集し活用出来るというものだ。
今まで、出動直前に紙面で搬送先医療情報を保持しておき、そこから搬送先を決めていたのだという。
恐らく、今までの手法と比べると、格段に搬送までの時間短縮には繋がっているだろう。
一方、こうした機器を使うことで事前に注意しておかなければならないこともいくつかある。
ます、スマートフォンであるが故、電波の状況。情報を授受する為には、携帯電話の電波の届く所でなければならない。常に、どこでも情報を授受出来ると過信してしまうのも禁物だ。
そして、緊急性を伴う場合のソフトウェアのインターフェース。
如何に、誤操作を防ぎ、ヒューマンエラーを発生させない設計になっているか。
一分一秒を争う場合、利用する人自身に負担のならないものが必要である。
そして、最後に気を付けたいのが、全てをこのシステムに頼りきらないこと。
つまり、万が一のための他の方法も確立させておく必要がある。
上記のような電波の通じない場所や、バッテリー切れ、本体自身の故障等により、そもそも端末が利用出来なくなってしまうことも、考えられなくはない。人の命に関わるための情報の授受においては、それらの想定外のシチュエーションを考慮したうえで、リスク回避策を予め取っておく必要があるだろう。
今回の場合は、現場の救急車車内でこうしたツールが使えない場合は、無線等により指令センター等で代替の対応が出来る仕組みなども、その対策の一つだろう。
恐らく、今回の仙台市消防局はこうしたことを考えてはいるだろう。
我々が、システムをビジネスで利用する際には、こうしたリスク管理も、オペレーション設計時からどこかで考えておく必要があるのだ。
今日また、こんな事例を見つけた。
■スマートフォンで素早い救急搬送 仙台市が独自システム (asahi.com)
救急搬送の際に、スマートフォンを使用して適切に素早く救急患者を病院に運ばせようとするものだ。
また、同様の症状の患者の対応ためにも、その時に対応した詳細な情報を、他の救急車にも情報共有出来るのだという。
今回のシステムの中心は、緊急搬送先の利用期間の情報をリアルタイムで現場で収集し活用出来るというものだ。
今まで、出動直前に紙面で搬送先医療情報を保持しておき、そこから搬送先を決めていたのだという。
恐らく、今までの手法と比べると、格段に搬送までの時間短縮には繋がっているだろう。
一方、こうした機器を使うことで事前に注意しておかなければならないこともいくつかある。
ます、スマートフォンであるが故、電波の状況。情報を授受する為には、携帯電話の電波の届く所でなければならない。常に、どこでも情報を授受出来ると過信してしまうのも禁物だ。
そして、緊急性を伴う場合のソフトウェアのインターフェース。
如何に、誤操作を防ぎ、ヒューマンエラーを発生させない設計になっているか。
一分一秒を争う場合、利用する人自身に負担のならないものが必要である。
そして、最後に気を付けたいのが、全てをこのシステムに頼りきらないこと。
つまり、万が一のための他の方法も確立させておく必要がある。
上記のような電波の通じない場所や、バッテリー切れ、本体自身の故障等により、そもそも端末が利用出来なくなってしまうことも、考えられなくはない。人の命に関わるための情報の授受においては、それらの想定外のシチュエーションを考慮したうえで、リスク回避策を予め取っておく必要があるだろう。
今回の場合は、現場の救急車車内でこうしたツールが使えない場合は、無線等により指令センター等で代替の対応が出来る仕組みなども、その対策の一つだろう。
恐らく、今回の仙台市消防局はこうしたことを考えてはいるだろう。
我々が、システムをビジネスで利用する際には、こうしたリスク管理も、オペレーション設計時からどこかで考えておく必要があるのだ。
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