2009年11月7日土曜日

週末、「目利き」談義

昨晩、古くからの仕事仲間と飯田橋で久々に会食。

酒を交わしながら、お互い近況報告。

そして、「これからの時代は、目利きがキーワードだ」、、と、「目利き」談義に。

あらゆるもの、あらゆる場面にて、そのものの真贋、良否をきちんと見極める能力が必要という話に。

最近の世相全体が、なんとなく薄っぺらだ。情報は、巷に溢れかえり、物事の奥深くまで考えず、表面的な事象だけで、物事の是非を判断してしまう。会社での事業推進においても、数値評価のみの間違った成果主義が蔓延し、企業本来の思想は蔑にされている。元来、大切にされてきた「仕事上のプロセス」ということに対しても、大事にしない。大事にしないがため、そのプロセスの中から発見される、新たなイノベーションも生まれない。

今の世の中、抜本的なところを変えていかないと危ないのではないかと、最後は「日本の教育のあり方」談義に。

と、延々、4時間強。。


さて、そもそも、目利きとは、

器物・刀剣・書画などの真偽・良否について鑑定すること。また、その能力があることや、その能力を備えた人。人の才能・性格などを見分けることにもいう。(小学館「大辞泉」)。

とされ、英語でも、「judgment」「estimation」(新和英中辞典第4版(研究社))と訳される。

つまり、きちんとした知識経験をもとに、適切に判断できる能力が必要なのだ。

我々の周囲のビジネスから政治の世界といったレベルでも、「ビジョンの欠如」「意思決定の弱さ」といったキーワードが飛び交っていることが目につく。
こうしたキーワードも、違う視点で考えると、「目利き」という視点が重要だということが、如実に表れているのかもしれない。

「先人の知恵を、後世に残すお手伝いをしたい」というのが、そもそも、今回、私がアーキレッジ株式会社という新しい会社を興したきっかけの一つだ。社名やロゴにも、そうした意味を込めている。


いつまでも社会のお役に立てられる組織でありたい。。。色々と思いを巡らせる、一日だった。

2009年11月6日金曜日

インタラクティヴな次世代案内表示

さて、今日、情報の目利きがJR東京駅で見つけた案内表示をご紹介。




これは、JR東京駅の八重洲北口改札口付近にある、付近を案内するインタラクティヴな案内表示。

従来の駅案内は、文字情報や地図で表示される一方通行の情報発信。
表示される情報も、物理的に制限される。

しかし、写真は、タッチ式のインターフェース。必要な情報をインタラクティヴに抽出することができ、更に階層的に情報を持つことができるので、従来の駅案内表示として、膨大な量の情報を扱えるようになる。

更に、こちらの駅案内版、英語版、中国語版、韓国語版と多言語にも対応できるため、外国人にも便利に使えるのだ。

ご覧頂くとわかるように、表示そのものも、文字サイズも判読しやすいサイズが採用されていて、ユニバーサルな対応にもなっている。

ところで、先日Windows7が発売となった。こちらの大きな目玉は、タッチ画面。

タッチ画面は、以前から銀行のATMに代表されているように、携帯電話など各種デバイスにて先行して導入されているが、パソコンにて一般的に普及することにより、今後、より多くの場面で接する機会が増えるだろう。

しかし、このタッチ画面であるが、画面がフラットであることから、タッチしたユーザーアクションの結果が、どうだったのか、実は直感的には体感しにくいものだ。それを、補完する機能として、ATMでは音声ガイダンス等で補完している。この音声ガイダンス、実はご高齢の方には、実は非常に聞き取りにくいのだ。実際、私が、高齢者体験をした際に、それを痛感した。


今後、情報を伝達するインターフェースを設計する際には、五感を考慮しつつ、ユニバーサルな視点で考えることも、大事なのだろう。

2009年11月5日木曜日

とことん、食を楽しんでもらう‼

突然だが、回転寿司の話題。


私も、時々回転寿司店に訪れるが、こちらの市場は、ほぼ大手3チェーンで占められているらしい。その大手チェーンの3番目、「くら寿司」の話題。テレビで紹介していたので触れてみる。

この「くら寿司」チェーンの社長は、アイデアマンで有名だ。

くら寿司のWEBサイト

会社のスローガンとして、「Food Revolution」を提言し、「食の戦前回帰」、「安心・安全」、そして「楽しさ」を追求することに専念されている。

特に、「楽しさ」を追求することで、現在、特許50件、商標登録99件なんだとか。

具体的な取り組みも、例えば、「皿カウンター水回収システム」というものがある。
これは、テーブルで食べ終わった寿司皿が、カウンター横からそのまま集められ、調理場まで水の流れによって回収されるというもの。同時にカウントされるという仕組み。

これは、ファミリーレストランでは、食べ終わった食器は、適度なタイミングで回収されるのに対して、回転寿司のカウンターでは、回収されず、不衛生ではないか、というのが発想の発端らしい。

この回収する仕組みが、カウンター横の回収穴に、皿を放り込むわけだが、これが子供にとって「楽しい」という意見があり、次に、「びっくらポン」というシステムが生まれたとか。

この「びっくらポン」というのは、このカウンター横の回収穴の上部に、あの「ガチャガチャ」が乗ったようなもの。皿を5枚回収するごとに、「ガチャガチャ」のゲームが出来るという仕組み。
「ガチャガチャ」の中身は、子供たちが喜ぶキャラクターアイテムが入っている。

くら寿司のアイデア事例

最近は、このキャラクターも、ずいぶんと人気を呼んでいるらしい。

くら寿司のキャラクターサイト「回転むてん丸」

こちらのキャラクターは、社員(元は店長を目指していた)が描いているのだとか。


さて、この不況下で売上をあげ邁進しているくら寿司の取り組みであるが、様々な発想に共通して言えるのが、「現場起点」「お客様視点」であるということ。

お客様に安心して、そして楽しんで頂ける、そして現場で拾い上げた「素朴な疑問」から、田中社長は、様々なアイデアを創出されておられるのではなかろうか。


この不況下でも元気のある企業の共通点は、どうやら、こうした所に存在しているような気がする。

2009年11月4日水曜日

広がるか、スマートフォン!!

今日、長年の仕事上の知人と、久々にお会いする約束をやりとりしていた時のこと。

携帯メールで、何度かのやり取りの後、「では、当日は、iPhone自慢でも…」との一文。

てっきり、私がiPhoneユーザーなので、私のiPhoneを見せてもらいたいと言っているのかと思ったら、当の本人が私への話のネタにと考えていたらしい。
確かに、私が持っていることを相手には伝えていなかったので、相手も知らないはず。

結局、「iPhoneユーザー会」として、久々の顔合わせと、近々なることとなった。


さて、こうして、仕事の周りでも徐々に、iPhoneユーザーが増えているようだ。

先日のソフトバンク社の決算発表でもそれらを裏付けるように、数値として表れ、同社の利益を押し上げた結果になっている。


■ソフトバンク 2010年3月期 第二四半期決算 プレゼンテーション資料(PDFファイル)

ソフトバンク社の孫社長によると、予想以上の前年比数百パーセントの伸びらしい。

このiPhoneに代表されるスマートフォンであるが、NTTdocomoも新機種の投入が行われている。
今年の夏も、いくつか話題の機種が発売されているが、更に来年にかけても、こうした動きがきになるものだ。

そもそも、スマートフォンとは、従来の日本の多機能の端末に対して、PDA的機能が付加されたものを指して言われているが、欧米のほうが先行して一般的に普及している。

日本国内では、iPhoneの発売前にもウィルコム社のW-ZERO3の発売から、徐々に注目の兆しが出ていた。

iPhoneにしてもGoogle携帯にしても、ビジネスでの利用方法での展開が注目したいところだ。
自分自身、iPhoneを利用しているが、Gmail、カレンダー、マップなど、Google機能との連動性が高く、非常に使いやすい。また、各種アプリも、手軽で使いやすいものも、続々登場している。

ビジネスコミュニケーションの一つのツールとして、まだまだ、変化し続けるのだろう。

2009年11月3日火曜日

Googleは、何を変えてくれる!?

こちらは、とある駅でのビルボードメッセージ。。。




“Day 13: この広告が始まって13日目。
何も変えない部長を、私は変えたい。
あぁGoogleにしたい。”

このメッセージは、日替わりで内容が変わる、Google社の「Google Apps」のサービスのプロモーション。JR品川駅にて現在展開しているものだ。


 # ちょっと今日は、宣伝モードでスミマセン。

実は、アーキレッジ株式会社では、「Google Apps」サービスの利用を各社様に積極的に推進している。

この「Google Apps」サービスは、これからの将来性を期待されているクラウドサービスであるが、導入費用が廉価であるだけでなく、汎用性が高いところも注目したいところだ。

特に、企業のナレッジマネジメントを啓蒙しようとしている我々にとっては、面白いツールである。

従来のナレッジマネジメントに関するソフトウェアは、グループウェアに代表されるように、単に、サーバーにドキュメント類を、統制して管理するに留まったものがほとんどだ。

これに対して、「Google Apps」は、ドキュメント管理はもちろん、Office製品を利用することなく、WEBライクにオンラインでドキュメントを作成でき、バージョン管理まで出来るのだ。

また、一方で、これら素材を、WEBサイトのコンテンツとして連動して利用できるなど、汎用性が非常に高い。

運用を工夫することにより、ちょっとした、データウェアハウス等の簡易版BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとしても利用できると思われる。

セキュリティは、世界最高水準の監査を受けている。
権限管理は、もちろん搭載。


将来的にも期待できるツール「Google Apps」、暫くは目が離せない。。


★★★★(PR) ここで、ちょっとお知らせ★★★★
アーキレッジ株式会社では、GoogleAppsの導入のお手伝いをしています。
ご興味のある方は、是非お問い合わせください。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


2009年11月2日月曜日

業界スタンダード、決まる。

このブログをご覧になっている方々も、「アクセスログ」の分析をされている方も多くおられるだろう。

先日、アクセス解析の人的交流と効果的な活用を広める協議会「アクセス解析イニシアチブ」というところが、「アクセス解析の集計と用語定義ガイドライン(第1版)というものを発表した。

アクセス解析イニシアチブ(a2i)
「アクセス解析の集計と用語定義ガイドライン」を発表~アクセス解析の標準化推進を目指して~」


私にすると、「ようやく決まったのですね」という感じ。

このガイドラインの作成の目的は、用語や用語の定義、集計方法の定義などを統一することで、国内でのアクセス解析を多くの人が共通の認識のもとで行える環境作りとしている。

今回の発表は、「ページビュー」「訪問(のべ訪問者数)」「ユニーク訪問者」「ページ滞在期間」の4つと、「データ収集方法の明示」に関するもの。


この中の、「ページビュー」と「ユニーク訪問者数」について、私自身、過去に当惑したことが多々あった。

10年近く前の話になるが、この前述の2つのキーワード。定義が明確でなく、「セッション」「ヒット」「トップのページビュー」「全体のページビュー」といったものの認識が、クライアント様や周囲のメディア媒体の担当者、プロダクション企業などの間でバラバラのため、どれが正しい数値を表しているのか、混乱することが多々あった。

インターネットは、従来のマスメディアと比較して、結果数値が測定できるツールとして認識されている。
しかし、こうした「指標」そのものの基準がばらばらでは、その意義そのものが体をなさない。

アクセスログだけでなく、企業活動において蓄積した各種「データ」という結果情報をきちんと評価分析するためには、そもそもの評価基準、分析する基準、これをまず先に整理する必要があるのだ。

2009年11月1日日曜日

「知識」と「知恵」の違いを意識するということ。。

今日の日経のニュースに、こんな記事があった。

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「官僚は知恵使っていない」 菅副総理、激しい批判
「知恵を、アタマを使っていないんです。霞が関なんて成績がよかっただけで大バカだ」。菅直人副総理・国家戦略担当相は31日の民主党本部での講演で激しい官僚批判を展開した。   ~以下、省略~

日本経済新聞「NIKKEI NET」2009年11月1日記事より
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さて、管直人副総理の発言の内容そのものについては、特にここでは触れないが、発言の言葉にあった、「知恵」と「知識」について、考えてみたい。


この、「知恵」と「知識」については、ビジネスの現場でも業務を推進するにあたり、重要なキーワードだ。

ここで、言葉の定義を再度確認してみると

知識とは、一般的に、認識され記憶された情報のことを言う。「大辞林」では、「ある物事について知っていることがら。」「ある事について理解すること。認識すること。」という感じで定義されている。

一方、知恵とは、知識によって得られたもの、という意味から発展して、ものごとの道理をわきまえていて適切にふるまう能力のことを指すとされている。同様に「大辞林」では、「正しく物事を認識し判断する能力。」「事の道理や筋道をわきまえ、正しく判断する心のはたらき。事に当たって適切に判断し、処置する能力。」「単なる学問的知識や頭の良さではなく、人生経験や人格の完成を俟(ま)って初めて得られる、人生の目的・物事の根本の相にかかわる深い知識。」と定義されている。

ビジネスでは、もちろん様々な「知識」は必要だ。

ビジネスマナーに始まり、業界知識、業務知識、商品知識など、それぞれの職業に応じた知識の習得が必要だ。

その一方、忘れてはならないのが、「知恵」である。

ビジネスで言うところの「知恵」とは、「ノウハウ」「勘所(かんどころ)」「経験値による工夫」などを包括したものと言える。

こうしたものは、非常に見えにくいものである。
更に、こうした「知恵」というものが、雇用の不安定化にともない、企業にとっては、流出するリスクを大いに抱えているのが実情だ。

こうした見えにくい「知恵」といった無形資産こそ、今の厳しい時代には、重視すべきポイントでもある。

「見えにくい」ものを、如何に「見えやすく」「見えるように」するには、単に仕組みを導入したり変えるだけでなく、全社一丸となった、徹底した「意識改革」と「場づくり」が、何より大切だ。