2010年10月12日火曜日

メールや携帯がもたらすデメリット

メールと携帯の功と罪について、このブログでも何度か取り上げてみたことがあるが、今回は「罪」と仕事の段取りというものを考えてみたい。


日々の仕事において、電子メールと携帯電話は当たり前のように、ビジネスツールとして利用しはじめて、早10年強。


このビジネスツールが、仕事の仕方に、「とある影響」を及ぼしているのではないかと私はつくづく思うのである。


その「とある影響」とは、仕事に対する「段取り力」というもの。


電子メールや携帯電話は、それ以前のコミュニケーションツールと比較して、「いつでも、どこでも、情報のやり取りが行える」という特徴を持つ。

この特徴である「いつでも」というものが、仕事の「段取り力」というものに対する「衰え」に影響させているのではないかとつくづく感じるのである。


十数年前まで、携帯電話がそれほど普及していない固定電話だけの時代、相手とコミュニケーションを取るためには、それなりに、相手のスケジュールや行動というものを意識して対応しなければならなかった。

また、更に、相手が固定電話が存在する場所にいなければ、コミュニケーションを取ることが出来ない。コミュニケーションを取ろうとすれば、予め相手の行動の先手を取った段取りをしておかないと、相手を捕まえることさえ難しくなる。

一方、携帯電話や電子メールは、相手のシチュエーション、状況というものをそれほど意識しなくても情報を「伝送」させることは出来るのだ。
当然、従来のような「相手の行動の先手を取る」という意識は、自ずと薄れてくるだろう。

こうしたことが積もり積もって、日々のタイムマネジメント、相手の行動を考えた段取りというものを意識しない仕事をする人が増えてしまっているのではないだろうか。


中々、抜け出せない不景気のこの時代。
経済的な側面だけでなく、こうした「仕事のスタイル」の質の低下も、抜け出せない要因の一つにでもなっているのではなかろうか。

こうした仕事のスタイルは、長時間労働にもつながり、肉体的・精神的へのダメージにも繋がりかねない。

自分自身の仕事も振り返りつつ、仕事の「段取り」というものをあらためて考えてみたい今日この頃だ。