今朝、NHKのニュースを見ていて、妙に印象に残ったトピックがある。
「〝人の役に立ちたい"若者たちが増えている」という特集。
何故、この特集が印象に残ったのか。
それは、個人的にあまりにも私にとっては「当たり前」のことが特集として取り組まれているということが不思議に思えたからだ。
逆に考えると、今までの多くの人は、どれほど、「人のことを考えてこなかったのか」ということの裏返しになるからだ。
事実、私と同年代の世代や20代の知人にも、多くの人間が、「人の役に立ちたい」と考えている人は多い。
報道では、20代が65%、30代で60%の人が、そのように考えているのだと。
以前、私は人事採用で多くの方を面接する機会に恵まれた。
年代も、下は20歳代半ばから上は60歳代まで幅広い年齢層の方と、「仕事観」について質問をしたことがある。
確かに、個々人における仕事に対する考え方の違いはあるものの、年齢層によって「仕事観」は異なっていたと記憶する。
報道では、田坂広志先生のコメントを紹介していた。
「そもそも、従来の日本企業には、こうした考えをもった社員が多くいたが、ここ10年から20年の間に変わってしまった」のだと。
バブルの後遺症が続いているのだろうか。
「アメリカ流をそのまま表面的な部分のみ取り入れた」成果主義によるものなのか。
株主市場主義、市場原理主義が行きすぎたためなのだろうか。
田坂氏は、「原点回帰している」とコメント。
商売の原点とは、何だろう。
ある人は、利益をあげるためにモノを売買することというだろう。
多くの人は、こう言うだろう。
しかし、モノを売ろうとしても、買ってもらえる人がいなければ、利益どころか売買すら成立しない。
買ってもらえる人、つまりお客様がいなければならない。
しかも、そのお客様に継続して買って頂くためには、満足して頂かなければ、次からは買って頂けない。
お客様に「満足」して頂くためには、お客様の「期待」以上のモノやコトを提供しなければならない。
つまり、お客様の「期待」というモノに対して役にたてられなければ、「満足」には繋がらない。
非常に単純明快なことであるが、実際はなかなか難しい。
さて、「人のために役に立ちたい」ということ。
ここ、バブル以降10年~20年の間で、日本がどこかに置き忘れてしまった、大切な「視点」なのかも知れない。
今日から、新しい政権もスタートした。
先日、菅総理は、「官邸も内閣も党も一体性を持って、そして全員が参加できる」体制を構築して臨むと言っていた。
「脱他人依存」。「脱自己中心」。
我々自身も、人に頼り、依存するのではなく、自ら自身が「人のために役に立ちたい」という主体性と熱いハートを持って、力強く行動すべきなのだろう。