2010年6月9日水曜日

振り返り、「検証する」ことの意義

今晩のNHKクローズアップ現代で、7年前のイラク戦争について、イギリスの独立調査会の検証について報じていた。


2003年に始まったイラク戦争。この調査会は、あの戦争について、何故、イギリスは参戦に踏み切ったのか。その政策の意思決定から戦争に至るプロセスの検証をしようとするものだ。

「THE IRAQ INQUIRY」(イラク戦争の独立調査会サイト)


これは、戦争責任を問うものではなく、あくまでもそのプロセスを明らかにし、政策決定や政治の仕組みの問題点を洗い出そうとすることを目的としている。

調査委員会は、ブレア元首相を筆頭に、当時の官僚から政治家などの当事者80名からの証言を取りまとめるだけでなく、外交機密文章、電子メールを閲覧する権限も有するそうだ。

戦争に対する検証の取り組みは、過去の戦争においても行われてきたそうだが、今回の画期的な部分は、政策意思決定のプロセスや調査委員会での証言、そして一部の機密文章までもが全て公開されるということ。
先のURLのWEBサイトで閲覧できる。


番組では、オックスフォード大学でのアダムロバーツ教授が、今回の調査委員会での教訓として、「歴史から学ぶことの大切さ」というものを指摘していた。


さて、我々ビジネスにおいても、「振り返り検証する」ことは重要だ。

ここで、多くの場合にぶつかる壁が、「振り返り検証=責任追及」という形に考えられてしまうこと。

検証は、あくまでも実際に取り組んだことを振り返って、良かったこと、悪かったことを整理し、「将来のための糧」にすることがポイントだ。

ここで振り返るときに忘れてはならないのは、行動に至る原因や意図、仮説、、前提条件、その背景、環境などの情報。


「どうしてこのようになったのか」という原因を分析する際に、ここがポイントになるのだ。

将来に、プラスに活かすのか、反面教師として活かすのか、この原因を上手く整理しておかなければ何の役にもならないのだ。


個人単位、チーム単位、プロジェクト単位、会社単位とどのような組織単位であっても、常にこうした行動の振り返りのプロセスを、積極的に「きちんとした業務プロセス」として取り入れてみてはいかがだろう。