言語力とは、自分で考えたことを文章やことばで表現する力とのこと。
この言語力低下が起きているのだと、昨日のNHKの番組で取り上げられていた。
学力低下もさることながら、小中高生の文章やことばで表現する力が衰えているらしい。文部科学省も、これらを問題視し、教育活動を通じて言語力を育成することになっているようだ。
■文部科学省 言語力育成のための教育内容の改善について(これまでの主な意見の例)
最近では、この言語力を検定する仕組みまであるそうだ。
■言語力検定
さて、この言語力低下の問題。その原因は、様々な視点で指摘されているとのことだ。
まず、親子の会話の問題。
子供の時に、親からの問いかけ等による、筋道を立てて話させる工夫が減ってきているのではないかというもの。そもそも、会話自体が減少している。家族揃って食事を取ることも減ってきているという統計データからも、そうしたことが伺える。
他の視点としては、携帯メールに起因する問題。
短い文章で、更に話し言葉。論理的に順序立てて文章を書くという習慣がなく、こうしたショートメッセージによる文章に慣れてしまい、論理的に考えられなくなっているという指摘。
このような原因を紹介していた。
こうした現状で、小学校でのカリキュラムで論理的な思考を身につける授業を実施している事例を紹介していたが、その中で、「マインドマップ」手法を取り入れた、頭の中の情報整理の仕方を指導している風景が映し出されていて、少し驚いた。
この言語力、学校教育だけではなく、スポーツの世界でも意識されているのだという。
日本サッカー協会は、「試合で勝てないのは言語力である」として、選手同士が論理的に思考し、意思伝達をしっかりとさせるためにも、言語力向上に努めているらしい。
これらは、何も子供たちだけの話ではなく、ビジネスでも大いに影響することだ。
日々の業務における報告・連絡・相談、所謂「報連相」にはじまり、会議や討論、プレゼンテーションなど、様々な場面において、私たちは「言葉で伝える」ということにぶちあたる。
私は、我々の親の世代に比べて、非常にコミュニケーションが希薄になって、さらにITがそれを助長していると危惧している。
そもそも、「日本語」という言葉は、主語を省略したりして曖昧に表現してしまう特徴があるほか、オブラートに包んだ表現や微妙な言い回し、文脈等から読み取ることを美徳とした、世界的にも独特の文化である日本に、西洋的な発想のITの利用の仕方を、そのまま導入してしまった結果起きている現象なのかもしれない。さらに、それらに言語力低下が追い打ちをかけている。
これを打開するために、子供の教育はもちろんだが、大人社会では、そもそもITでは解決はできず、本人自身が意識をして改善しなければならないと私は思っている。
自分自身できちんと5W1H的に考え、それを順序立て、「相手の立場に立って」「相手がわかるように」伝えるとうことを、日々意識しなければならないのだ。
私は、「相手の立場に立って」「相手がわかるように」が、一つの重要なポイントになるのだと思っている。