2009年12月14日月曜日

3D映像で、何を伝える?!

本日のNHKクローズアップ現代で、「3D映像がビジネスを変える」と題して3D映像のビジネス利用を特集していた。


この3D映像だが、最近の映画でも増えてきている。
今年のアメリカで公開された作品のうち、19本が3D映像。更に来年は約50本が予定されているのだという。映画館離れが進む中で、3D映像が増えたことにより、映画館の入場料収入も10%増に繋がっているらしい。

そんな中、来月公開される、ジェームズキャメロン監督の新作「アバター」も3D映像の映画だ。

映画「アバター」


ジェームズキャメロン監督は、CGをふんだんに使用して描かれた映画「タイタニック」の監督でも有名だが、この「タイタニック」を撮影した後は、3D映像の映像表現に取り組んでいたらしい。

映画撮影のためのカメラの開発にはじまり、NASAの技術までをも取り入れた観客用のメガネ開発まで取り組むという「力」の入れよう。

一方、家電メーカーも、最近では3D映像に力を入れているらしい。

先の10月に千葉・幕張メッセで開催されたCEATECでも、3Dテレビが多数参考出品していたのを記憶している。
最近では、韓国メーカーに薄型テレビのシェアを奪われる中、日本メーカーは、ここぞとばかり、来年に向けて3Dテレビの投入し、巻き返しを図る戦略を取っている。来年の冬季オリンピック中継も3D映像での撮影が準備されているらしい。


ところで、情報の目利きとして、こうした開発競争を見ていて、いつも気になるのが、ハード先行でソフト面がどうなのかというところ。

家電メーカーも、アメリカに研究所を設置するなどして、単にテレビの開発だけでなく、撮影用のカメラ、保存用メディアから映像ソフトの開発に関してトータルで取り組んでいるのだとか。

3D映画は、非日常の空間で映像体験をする、そしてわざわざ期待をして見に行くという意味合いで、「3D」であることの効果はあるのだと思う。

一方、テレビ映像で、わざわざ3Dの専用メガネをかけて、見たいというものが、一体どれだけあるのか。。。また、専用メガネを着用するということで、視覚的な負担、疲労などの問題も存在する。

本日のテレビ番組内でも、コメンテーターが指摘していたが、3D映像を扱う制作理論、技法などは、まだまだ未熟である。ハード機器の技術開発をする一方で、ソフトウェアの研究も大いに頑張らなければ、なかなか普及には至らないだろう。

地上デジタル放送も開始して、ある程度の月日が経過しているが、デジタル放送ならではの特徴を活かした番組もまだまだ少ないように感じる。

3Dとしての立体映像にする効果は、建築、医療、文化遺産、教育等といった分野での活用が期待されている。

情報そのものの扱い方、伝え方を、発信者視点ではなく、受信者視点での研究開発と普及こそが、これからの情報ツールとソフトを発展させるためにも重要なことだろう。