2009年12月18日金曜日

「ゆとり世代」と言われる若者たち

「ゆとり教育」という政策が取られて、早十数年。
今日のNHK「特報首都圏」(関東ローカル)という番組で、「“ゆとり”と言われる若者たち」と題して特集していた。

週5日制、総合学習といった大幅なカリキュラムの変更が始まったのが1992年。当時小学1年生として入学した世代が、来年の4月に社会人1年生となるようだ。

この世代は、小学6年生の時代にインターネット普及率が50%、高校1年生の時代には、更に60%を超えるなど、情報インフラの発達とともに育った世代である。

番組では、この「ゆとり世代」と言われる世代の特徴を、立教大学の准教授が次のような形でまとめていた。

  1. 浅いコミュニケーション
  2. 失敗を極端に恐れる
  3. 言われたことしか出来ない。

就職活動の指導を通してこのような特徴があると述べている。

「個性の尊重」=「大切に育てられる、丁重に育てられる」
という図式で育てられ、思い切ったことができなくなったのだとか。

つまり、家庭や学校で怒られたことがないことが多いとされるこの世代。失敗を起こしたくないので、聞かなくても良いのに聞いてしまう。自分で考えると、失敗することに怯えてしまい、前に進めなく動けなくなるのだそうだ。

また、一方では、コミュニケーションをとる手段の幅が広がる一方で、人間関係自身が、浅く薄くなっているとも指摘。

彼らは、中学生から携帯メールで育ってきており、メールが、目や口のような重要な手段。電話は、かけるタイミングによっては相手に迷惑になったりして嫌われたくないということで、あえて無難なメールでコミュニケーションを取ってしまうのだとか。

さて、こうした動きはゆとり世代だけではなく、今の社会全体も同じような動きになっているのではないかと思えることが多々ある。

番組では、受け皿の企業側の教育にもフォーカスを当てて紹介していたが、そこでのポイントは、「褒めて育てる」という視点から、徐々に「叱って育てる」という視点を重視しているのだという。

そもそも、叱られることに慣れていない。上司に怒られると、自分を理解してくれていないとして会社を辞めてしまうのだとか。

私が思うに、これは、コミュニケーションのスキルが低下してしまったが故の結果ではないかと考えたりする。

メールに代表されるように、「相手の立場」を余り考慮しなくても、メッセージを発信することが出来るような時代になった。

情報コミュニケーションにおいて、「相手の立場を考える」というのは、非常に大切なことだ。相手に、如何に正しく伝え、理解してもらうためには、しっかりと相手のことを知らなければならない。


通信技術の進歩がある一方で、その技術を使う人自身のスキルアップも忘れてはならない時代になってしまったのだろう。