2009年12月17日木曜日

適正な価格って?!

最近、「値ごろ感」という言葉が気になることがあった。

そもそも、「ねごろ(値頃)」という言葉は、

ね‐ごろ【値頃】 
[名・形動]品物の値うちに相応した値段であること。また、買うのにちょうど手ごろな値段であるさま。「―な(の)品」「―感」

という意味ではあるが、株取引などの金融用語としてもよく使われる。

英語では、「a reasonable [moderate] price」。

また、「おまけより割引して欲しい」(徳田 賢二 著)という経済心理学の書籍では、「値ごろ」の方程式として、

「 値ごろ感 = 価値 ÷ 費用 」

と記されている。

下の写真は、つい最近、近くのスーパーで思わず手にとってしまったもの。




「イタズラ」ではなく、本当に売られていた商品である。

「70%引」という表示。私自身が学生時代にスーパーでのアルバイトで、値札シールを作成する機械の使い方に慣れるために、遊びで作ってみたことがある表示。
はじめは、目を疑ったが、何度かこの表示の商品を見たので、意思をもって、売っているのだろう。

デフレが進み、値引き競争が進んでいるが、このような割引率を見てしまうと、本来の値段そのものはいくらなのか、という疑問が湧いてしまう。

つまり、正規の値段に対しての「信頼」に揺らぎが生じてしまう。

「70%引」というシールそのものには、「正規の値段に対して70%割引する」という情報だけでなく、その情報に付随して、商品そのものへの信頼、信用、という目に見えない情報も伝えているのだ。

常識としてイメージできるのは、「50%」「半額」というのが想定の範囲内。これを超えてしまうと、「安くてうれしい」という半面、「何か問題があるのでは?」「大丈夫なのか」といったネガティヴなイメージまで生じてしまう。

モノを売り切り、廃棄商品を減らすということは、非常に大切であるが、同時に、売る側や商品に対する「信用」「信頼」という視点も、大切な事である。


情報やメッセージというものは、いろんな形でで伝わるものである。

「値ごろ感」も、そもそも期待していた感覚に対してあまりにも大幅にぶれると、「驚き」か「不信」かどちらかに、大きく針が触れてしまうのだ。

たかが、値札一つと思われるかもしれないが、一つ一つの積み重ねが、無形の価値を左右する大きな要因の一つにもなりかねないものであることだと、注意する必要があるのだと私は思う。