2009年12月21日月曜日

想定外な状態での、段取り力とは?

私が今通っているスポーツジムが、実は今月いっぱいで閉鎖だ。
通い始めてから、約3年、非常に残念だ。
折からの不景気により、終了せざるを得ないという案内を先日受け取った。

最終日まであと数日ではあるが、ジム会員に対して迷惑が掛からないようにと、様々な案内が郵便物や施設内でアナウンスされている。

また、引き続きスポーツをしたいという会員向けに、今まで競合であった他系列のジムへの移籍のサポートまで現在行っている。


過去、経営難で営業が出来なくなった英会話や各種学校といった様々なサービス業の様子をテレビ報道で見受けることが多かったが、そのどれもが、争議になっていたりしているものだった。

そうしたモメてしまう形が多い中で、今回の対応は非常にきっちりとしているなぁという印象を受けている。

こうした事態でのポイントは、「お客様視点での段取りの力」である。

異例事態における段取りは、通常の業務では発生しないことばかりであるため、オペレーションを推進する中で、物事がどのように進むかという「想定する力」が求められる。

どのようなビジネスでも、事件・事故といった「想定外」のことが発生することを避けることは出来ない。

そのため、どうしても起きてしまった場合、その事態悪化を最小限に留めるために、原理原則というものを定めて置く必要がある。その原理原則の視点こそ、その会社の理念的なものが顕著に現れる。

上記の争議になるようなケースの多くは、「お客様視点」の欠落だ。

接客レベルで日本で評価の高いディズニーランドを運営するオリエンタルランド、リッツカールトンホテルなどでは、こうした「イレギュラーなサービス対応」においては、基本的にマニュアルのようなモノが有るわけではなく、「理念」に基づき、ことの対処の優先順位を決めているのだという。


多くの企業が、理念等は構築していると思われるが、末端のオペレーションまで、きちんと血が通ったもので運用されていなければ、それは本当の理念とは言えない。

イレギュラーな事態が発生したときに、企業そのものの存在理由、理念というものが、きっちり徹底され共有・共感されているのか、常日頃の結果として露呈されるのだろうと私は思う。