アメリカで、インターネット上でクチコミで広がっている都市伝説がある。
場所は、テキサス州サンアントニオ。ここにに「呪われた踏切」として言われている踏切がある。サンファンミッションという踏切だ。
この踏切は、夜になると子供の声が聞こえ、なだらかに線路に向かって上り坂になっているところを、エンジンを切った車が勝手に進みだし、踏切まで行ってしまうのだという。更に後ろのバンパーには子供の指紋らしきものが付いているのだとか。
そもそも、ここの踏切付近の通りの名称が、過去に列車事故で亡くなった子供の名前が付けられたのだとか。
・・・とまぁ、このような噂があるのだとか。
これを伝えている動画がこれだ。
さて、これについてCSテレビ局のディスカバリーチャンネルで先日検証番組を流していた。
車は確かにエンジンを掛けなくても前に進み、後ろのバンパーに指紋が付いていることも確認された。では、何故なのか。。。
番組での検証は、以下の通り。
- 土地測量をすると、目視すると坂道に見えるが実は下り坂
- 指紋は、実は洗車等では拭き取れないとのこと
- 子供の声に聞こえたのは、近くで飼育されている孔雀の声
- 列車事故は確かにあったが、隣町で発生したものを地元紙が報じた
- 名前が付けられている通りの名称は、近くの教会の牧師にによるもの
ということが判明したのだった。
ところで、今日の晩にテレビ朝日系列で超常現象を特集した番組が放送されていた。
その番組中で、今年の7月に東京の豊洲付近で数百人が同時にUFOを目撃されたというネタが紹介されていた。翌日のスポーツ新聞にも一面で出ていたそうであるが、その後の検証で、凧ではないかと言われている。
さて、こうした「都市伝説」「噂」「謎の伝承」の多くが、「結論」「結果」からの「推論」と「思い込み」で情報が構成されているものが多い。
「原因」や「根拠」、結論に結びつけられるまでのプロセスを含めた「因果関係」の検証が欠けたものが多い。
人の噂は、その話題そのものの「面白さ」「特異性」「稀少性」「意外性」といったもので伝播し、その度合いにより伝わる力も増す。
また、先行情報としてそうした話題が頭の中に刷り込まれて、当の本人が実際の状況を体験した際、本来存在している原因や理由、根拠なるものをきちんと把握しない、もしくは見えなくなってしまうことが多いのだ。
つまり、人間は、自分自身が先に刷り込まれている情報により、「フィルター」がかかってしまい、その「フィルター」を通した判断をしてしまうのだ。
ビジネスにおいても、「情報の真贋」を見極める際に、まず行わなければならないのは、情報自身の分解だ。つまり、情報を「事実」と「意見(感想・印象・判断など)」を区分しなければならないのだ。
これが、情報をきちんと目利きするポイントである。
しかし、このような「都市伝説」や「超常現象」「噂」というものは、エンタテイメントとして楽しむことは個人的には大変好きだ。