2009年12月26日土曜日

観光庁長官が交代

観光庁長官の人事異動が発表された。

年末年始の時期に、トップ人事が行われるのは異例と言うことで、事実上の更迭人事として報道されている。

次期長官は、大分フットボールクラブ前社長の溝畑氏とのこと。前原国交相は観光政策の強化のため、公務員からプロサッカーチーム経営に転じた経歴を持つ溝畑氏に期待したとのことだ。

ところで、観光庁のサイトを確認してみると、このような目標が掲げられている。

「観光庁は、観光立国実現のために5つの目標を掲げ、施策の実施を強化します。」
  • 訪日外国人旅行者数:1000万人 
  • 日本人の海外旅行者数:2000万人
  • 観光旅行消費額:30兆円
  • 日本人の国内旅行による1人当りの宿泊数:4泊
  • 我が国における国際会議の開催件数:5割増

とのことだ。

観光庁WEBサイト


このなかで、外国人観光客に注目してみたい。

何度かこのブログでも、外国人観光客のことについて触れたことがあるが、昔に比べて来日はかなり増えている印象だ。

ちなみに、直近の統計で見てみると、昨年のリーマンショックの影響がかなり出ているものの、先月11月の推移では、前年比に対して16ヶ月ぶりに増加に転じており、8月から増加傾向で推移している。

日本政府観光局(JNTO):2009年 11月推計値 9月暫定値 <PDF>(平成21年12月21日発表)


ところで、最近の私が日常生活で利用している大手スーパーに、最近中国人観光客が買い物に来ているのだ。しかも、どうやら観光コースの一つに組み込まれているようだ。

大きく中国語のラッピングがある観光バスがスーパー横に横付けられ、そこから多くの中国人が来ぞくぞくと降りてくる。そして店舗の中へ。

彼らのほとんどが、ダンボールに一杯買い物をしている。中身は、食材やお菓子から日常生活雑貨に至るものまで。レジ後にその場でダンボールに梱包している。このように、日本製品を安く大量に買っているのだ。


さて、今回の観光庁長官の人事異動について、外国人観光客の来訪数が目標に対して伸び悩んだ結果に対しての、事実上の更迭との一部報道もある。

観光庁では、多くの外国人観光客を呼ぶための政策を掲げている。そうした政策を検討する際に、実際には上記のような観光客のニーズをどれだけ取り入れているのだろうか。
どうやら、現場とギャップが発生しているのではないだろうかと思われる。


ビジネスにおいても戦略を掲げることは重要だ。しかし、あまりにも現場とかけ離れたものであったら、絵に描いた餅。現状をきちんと把握し、どのような動きやニーズがあるのか、きっちり情報分析下上で、戦略を練る必要がある。そのためには、現場での動きの情報をきちんと汲み上げる仕組みが必要だ。