この10年を、「ゼロ年代」と言うらしい。
私にとって、この10年は、IT・インターネット畑での仕事で過ごしてきた。
言い換えると、インターネットを介した情報コミュニケーションのツールとともに歩んできたとも言える。
この10年を振り返り、思い浮かぶキーワードを順不同に並べて見ると、次のようなものが思い浮かぶ。
「iモード」「写メール」「TV付き携帯」「iPhone」「AR機能」
「Suica」「iPod」「NintendoDS/Wii」「地デジ」
「Wiki」「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)」「Blog」「Twitter」
「Google」「Amazon」「楽天」「2ch」「はてな」「mixi」「Gree」「YouTube」「ニコニコ動画」
ざっと見ても、色々なキーワードが出てくる。
これらは、ほんの10年前は存在していなかった、もしくは一部の人が利用されていたものばかり。
このようなものが、これだけ普及し一般化されると、2000年当初どれくらい想像出来ていたであろうか。
2000年当初は、ようやくインターネットの普及が加速化し、携帯電話は99年のiモードの登場後、徐々に機能進化し始めたころだった。
これらのキーワードを俯瞰してみると、以下のような視点で考えることが出来る。
- 「授受できる情報のリッチ化(情報量の増大化)」
- 「情報授受の際の、場所的・時間的制約からの開放」
- 「誰でも出来る情報発信」
- 「非対面、匿名性」
- 「情報と情報を組み合わせた新たな付加価値化」
こんな側面が見えてくるのではなかろうか。
特に目新しい切り口ではないが、これらを俯瞰してみると、技術の発展の割に、情報自身を取り扱う人間そのもののスキル、リテラシー、モラルといったものが、変化に追いついていないように思える。
非対面でのやり取りの増加、情報伝達手法の多様化により、その情報を伝えるスキルも向上させなければならない。
また、非対面や匿名性、場所や時間といった制約からの開放により、便利になっている反面、相手のことをあまり考えなくても、情報の授受が出来るようになってしまった。裏を返せば、当事者のスキルやモラル如何により、情報の真贋、意図しない内容の伝達、誤解といったものから犯罪に到るまで、容易に発生する時代にもなってしまった。
さて、これからの次の10年はどうなるか。
こうした技術面での進化は更に続くと思われるが、一方で、それを取り扱う人自身のコミュニケーションスキルがモノを言う10年が始まるのではと、情報の目利きとして思うのである。