日常生活の何気ないことから、企業経営に至るまで、世の中にあふれる「情報」を様々な角度で、アーキレッジ株式会社の後藤秀行が語ります。 「情報アーキテクチャ」「コミュニケーションデザイン」「ユニバーサルデザイン」「ナレッジマネジメント」など、幅広く扱ってみたいと思います。
2010年1月11日月曜日
昭和の機械で、新たなものを生み出す!!
突然だが、「繊維業」と聞いてどいういうイメージを持たれるだろうか。
まず、繊維業と聞くと、多くの方が、昭和の時代に盛況だった業界というイメージを持たれることだろう。
確かに、現在は、原価の安い中国や東南アジアを拠点に展開されているのが現状だ。
そんな中で、この不況時に、海外を相手に日本国内でバリバリと活躍している企業がある。山形県の佐藤繊維株式会社だ。
今朝の、情報番組で紹介していた。
■佐藤繊維株式会社
ところで、この会社の製品を利用した商品が、とあることで有名になっているのだとか。
アメリカのオバマ大統領のファーストレディ、ミッシェル夫人が着用していた、ニナリッチのカーディガン。このカーディガンの素材こそが、この佐藤繊維株式会社が製造したものだった。
この佐藤繊維株式会社は、何故今のような不況下でも勝ち残っているのか。
まず、商品そのものに付加価値があること。
ここで作られているのが、従来の紡績糸とは違い、ここでしか製造できない特殊な高品質の糸を製造しているということ。
更に、この糸の製造であるが、過去に昭和の時代に使用していた紡績機械を使用しているのだ。
日本国内の紡績業が衰退し、稼働しなくなった各地の工場から機械を取り揃えて運用しているらしい。
つまり、昭和の技術にアイデアを加えて最新の製品を生み出しているのだ。
さらに、営業。
こうした付加価値のある商品を、当初、日本国内のメーカーに営業したらしいのだが、中々相手にしてもらえない。そうした中で、イタリアの見本市に出展し、多くの大手ブランドメーカーから声がかかり始め出したのだそうだ。
さて、この事例であるが、こうした付加価値を生み出すために、何も新しいシステムや技術を導入しなくても生み出すことができる一つの良い例だろう。
横並び、同じような商品で商いをしていると、今の時代、どうしても価格競争に巻き込まれてしまう。特に、メーカー企業ならば、尚更だ。
時代は、「量」から「質」へ。
ちょっとしたアイデアも、日頃からのオペレーションの中にヒントがあることが多い。
その為には、日々の業務の中で収集される情報をきちんと目利きし、そこでの「気づき」をこつこつと日頃から蓄積することが大切だ。