2010年2月2日火曜日

「時」のマネジメント

最近、仕事をしていて、特に気になることがある。それは、「時間」に対する考えだ。

経営の三大要素である「ヒト」「モノ」「カネ」というものがあるが、これに「トキ」を加えるべきではないかとつくづく思う。

先の三大要素も非常に大切なことは事実でるが、この「トキ」というものも、非常に重要である。先の三大要素に比べて、一度失ってしまうと取り戻せない厄介なものでもある。


「トキ」は、
・プロジェクトやタスクを実施する「日時」的な概念、
・商談や打ち合わせ、業務遂行そのものの実施している「期間」の概念
・何かを実施しようとする「タイミング」という視点での概念

など、いくつかの概念で考えられるのではないだろうか。

これら、「日時」、「期間」、そして「タイミング」には、それぞれに意味があり、そうでなければならない理由がある。

また、ビジネスをしている限り、これら3つ、「日時」「期間」「タイミング」が決定するプロセスは、単なる1人によるものではなく、それに関わる人の都合や思惑など、様々な要素が複雑に絡み合っている。


そこで、最近私が感じるのは、この「トキ」をマネジメントする力が、社会全体的に低下しているのではないかと感じるのである。もしくは、「無理」をし過ぎている感も否めない。

やらなければならない「ゴール」は明確であるが、そこに至るまでの「プロレス」「タスク」というものが明確でなく、対処的な予定や計画で終わり、結論として「バタバタ」してしまっている。

その結果、「頻繁なリスケ」「無理な段取りによる業務遂行」といったものに行きついてしまい、結果として、事故や不正、手抜きなどにつながってしまっているのではないだろうか。特にIT業界で発生する「段取り」に関する不慮の事故は、携わる人間が「段取りが見えていない」というところに原因があるものが多い。


私が一つここで提唱したいのは、「スピード感」の共有、「タイムライン、タイムスタンプ」の共有の2つ。

全社の「スピード感」の共有とは、文字通り「時間の進む速さ」の共有だ。
接客を例にするとわかりやすい。
朝の通勤時の売店の接客は、手際の良さが勝負。一方、日中のオフ時間には、丁寧な対応が要求される。客のスピードのニーズが違うのだ。

そして、「タイムライン、タイムスタンプ」の共有とは、節目節目がいつなのかということ。
複数の人間には、それぞれ予定も計画もある。それぞれが上手く絡み合うためには、それぞれの節目節目になる時間を知っておく必要がある。

プロジェクトをマネジメントする場面だけではなく、ごく普通のビジネスの場面でも、こうした基本的なことを見直すことも、大切だと思う。