2010年2月8日月曜日

企業の風土、文化がもたらす影響とは。。

今日、キリンホールディングとサントリーホールディングの経営統合交渉の話が破談した。統合すれば世界最大級の飲料メーカーの誕生であったが、それも泡と消えた。
理由は、統合比率などの条件が、折り合わなかったためとのことだ。


効率的な経営を推進する上場会社であるキリンと、文化や社会貢献を重んじる非上場会社であるサントリー、外の人間から見ても、その組織文化、企業風土の違いがありそうなのが伺える。

私自身、経営統合も経営傘下の破談も経験したことがある。
特に、経営統合の際には、帳簿や数字などの財務的には表れない、「目に見えない」部分での影響が、その後の経営にも影響する。企業文化、社風というものだ。現場を肌身で感じ、理解していないと、経営層はなかなか把握しきれない部分だ。
私自身も、「水と油」のような異なる業界同士の組織が統合したために、その後の人事評価制度を始め、社員間のコミュニケーション面、社員のモチベーションなど様々な場面でなかなか上手くいかなかったことを思い出す。

今、経営再建中の日本航空も、日本エアシステムとの経営統合の時に、こうした側面で様々なハザードが起きたと耳にする。大手都市銀行の過去の大型合併の時も同じだ。

こうした合併の際に、下手をすると、今まで培った多くの無形資産が消滅するリスクも抱えていることを忘れてはいけない。なぜならば、そうしたことのほとんどが、人に依存して存在しているからだ。


恐らく、今回の経営比率の割合の面で、両社のビジネス思想といったものもぶつかったに違いない。

市場が冷えこみ、経営的に大きな組織に変換しなければならないという背景も理解できるが、その裏側での目に見えない「資産」が、市場に対してどのような「価値」をもたらしているか、そして同じく「組織」に対して「価値」をもたらしているか。じっくり見つめることが必要だと思われる。