2010年2月7日日曜日

非常時の顧客対応。。。

先般より話題となっているトヨタ自動車の品質問題。
アメリカでは、昨年から史上最大のリコール問題に発展してしまっている。

さらに、日本での新型プリウスのブレーキ問題。

どうして、このような事態になってしまっているのだろうか。

アメリカの場合、ドライバーがフロアマットを勝手に他のものに取り換えたために、アクセルペダルが戻らなくなってしまい、事故が発生しているのだ。そもそもの使い方であれば、安全上の欠陥は無い。

また、国内のプリウスのブレーキ問題。ハイブリッド車ならではの、2種類のブレーキ、従来からある油圧ブレーキと、ハイブリッド車の回生ブレーキと呼ばれるものとの連動するタイミングに、ある状況下で感覚的に「遅れ」を感じるというもの。

とうとう、日本でもリコール対応となる様子。こちらも、そもそも欠陥ではない。

アメリカでの問題が起きたのに合わせての状況だったために、このような対応をすることに決定したのだろう。


どちらも本質的な技術的な問題というよりも、お客様への対応という意味で、後手に回ったがために、影響が広がったのではないだろうか。

長年の製造業のリーディングカンパニーとして、自分たちの技術へのプライドというものもあったのだろう。確かに、技術は世界屈指のトップレベル。品質管理も勿論のこと、言うことはない。しかし、今回の対応を見ていると、前原国交相が言うように、お客様の視点に欠けていたと言わざるを得ない。

強く感じたのは、豊田社長の会見内容。会見の内容の一字一句が、現在WEBサイトに公開されている。

■トヨタ:品質に関する記者会見 豊田社長あいさつ


ところで、お客様視点で対応するならば、WEBサイト上の情報の取り扱いに、もう少し配慮がいるのではないだろうか?今日の時点でも、「ニュース」の1コンテンツとして情報が掲載しているのみだ。危機的な技術的欠陥で無いにしろ、お客様の心配を案ずるのならば、もう少し様々な視点での情報を掲載するべきではないだろうか。

ちなみに、パナソニックの石油ファンヒーター問題は、今もなお、トップページで「お客様への大切なお知らせ」として告知を継続している。たまに、CMも見かける。確かにこちらは、あきらかに欠陥であったこと、自動車同様、お客様の生命にかかわることでもあり、これだけの対応をせざるを得ないのも否めない。

パナソニック


平常時にこうした「あってほしくない」ことを想定するのは、実際のところ心苦しいことではあるが、非常時対応の方針というものも、常日頃から計画しておく必要がある。

トヨタは、こうしたことにも慣れていなかったのではとの指摘もあるくらいだ。

現在は、ほとんとの消費者は、何か問題があったときに、インターネットで情報を取得しようするのが一般的になってきた。

WEBサイトを、消費者からのファーストコンタクトとしての情報媒体として、非常時対応の日頃からのシミュレーションも、企業広報の視点としては重要だろう。