2010年7月29日木曜日

電子書籍の話題が、今年の年初から取り立たされ、早、半年。

各種、多機能端末の発売が相次ぎ、様々なメディアでも特集が組まれる昨今、電子出版のルール作りが急がれている。


電子出版で協議会設立 印刷2社が音頭「日本文化守る」(asahi.com)


こちらの記事、電子出版の環境整備を確立するために、「電子出版制作・流通協議会」なるものが設立されたとのこと。

実は、現在の電子出版に関して、そのルールというものは存在していない。
様々なフォーマットが乱立している状態だ。

私の周囲でも、最近電子書籍にに関するプロジェクトの相談を受けるようになっているが、やはりこの部分で一つの壁にぶち当たる。

どのようなフォーマットにすべきか。。。

そして、電子書籍のもう一つの壁が「日本語」そのもの。

多機能端末は、特にiPadなどは、アメリカで開発されている。つまり、英語圏。
自ずと、英語を軸にしたインターフェースで考えられたものになっている。

一方、日本語は英語と異なり、文字組みは「タテ書き」と「ヨコ書き」と2種類存在する。また、禁則処理等の特殊なルールもある。


海外に目を向けても、アラビア語のように、「ヨコ書き」で文字は右から左へ流れるなどの特徴を持っている言葉もある。


ITの基本技術は、英語を軸とした欧米が先行して開発されているものが多い。
そのため、日本語等のローカライズの視点が必要になる。


さて、日本語は、世界的にも非常に特徴のある言語とされている。
文字一つとっても、「ひらがな」「かたかな」「漢字」「ローマ字」「数字」と様々な種類の文字を取り扱っている。これだけの種類を操る民族も珍しいらしい。

更に、これだけの種類の文字を取り扱うだけあって、インフォメーションデザインの観点からも、デザインする側にとっては、ハードルが高くなるのだ。


IT技術の進展は、英語圏の国々が主体となって開発されているものが多々あるが、こうした、日本語のような特殊な言語圏を持つ国々の視点にもたちつつ、是非、開発してもらいたいものだ。
そのためにも、日本が、ガラパゴス的な技術立国にならないように配慮しつつ、世界的な視点を持ちながら「創造的な技術開発」というものが、まだまだ期待されるところなのかもしれない。