2010年8月3日火曜日

ライブ感を考える!

ライブ感。

突然だが、この言葉からイメージするものは、どんなものがあるだろうか。


野球やサッカーなどのスポーツ観戦。ロックからクラッシックなどのコンサート。更に、落語や演劇、ミュージカルなどなど。

「生(=ライブ)」で、実際にその場に身を置き、その場を体感する。
そいう感じだろう。


さて、情報技術が発展してくると、こうしたライブも、「居ながらにして」味わうことが出来るようになる。

まずは、テレビによるライブ中継。

プロ野球や、今話題になっている大相撲、オリンピックなどの生中継。
さらに、大事件や事故の現場からのレポート。

最近では、こうした中継が、専門的な知識を必要とせず、一般の人でも行えるようになった。
その技術の一つが、U-Stream(ユーストリーム)。

先日の政府による事業仕分けの様子も、この技術で中継された。

さて、こうした技術を使って、とあるスポーツの中継を紹介する記事を見つけた。

19時女子プロレス:観客はゼロ ユースト生中継、声援はツイッター(毎日.jp)


U-Streamを利用した女子プロレスの中継だ。
一方、試合会場には観客がいないらしい。その代わり、声援がTwitterにより流れるのだという。


さて、ここで個人的に気になったのが、女子プロレス選手のモチベーション。

スポーツにしても、演劇や舞台等でも、基本的には、目の前にいる「観客」が存在する。その「観客」の反応が、選手たちや演者たちにダイレクトに、そしてリアルタイムにフィードバックされる。目や耳で、その反応を感じ取ることが出来るのだ。

しかし、この女子プロレスの場合、選手自身は、インターネット上で流れる声援を耳にすることが出来ない。


個人的に、このインターネット上に飛び交う声援を、是非、選手に伝える仕組みを考えたいものだ。


ところで、もう何年も昔の話になるが、私が小学生のころ、週末に「8時だよ!全員集合」(TBS系)という番組があった。
故 いかりや長介氏がリーダーを務めるザ・ドリフターズ主演のバラエティ番組。
毎回、全国からの生中継での放送。

番組の演出も、視聴者はもちろんだが、会場に来ている観客との一体感を常に考え、出演者自身も、随所に観客とのコミュニケーションが存在する。

その後も含めて数々のバラエティ番組は存在するが、あの「ライブ感」を上回るものは、私自身未だ出会ったことが無い。

過去に、とある番組で、この「お化け」番組の裏側を紹介していたが、常に視聴者や観客の立場に立って、どう番組作りをしたらよいか、徹底的に議論し、そのこだわりようは、本番直前ぎりぎりまで、毎度続いていたらしい。最近の出演者自身が楽しんでいるようにしか見えない番組作りとは、根本的に違うのではないだろうか。
これも、観客を目の前にしていなければ、ここまでのこだわりは、無かったのかもしれない。


さて、我々も、U-Streamといったツールを使って、生中継等が出来るような時代になった。

しかし、より「ライブ感」を出すのであれば、やはりその場の雰囲気というものは、重要な要素であることは間違いないだろう。

音楽番組でも、観客の目の前で演奏しているものと、テレビカメラと番組スタッフだけを目の前に演奏しているのでは、やはり、その雰囲気は自ずと出ているのだから。