最近耳にするのが、「多機能工」や「仕事の多機能化」というもの。
1人で、一つの仕事内容をこなすのではなく、マルチに様々な職種をこなすというもの。
製造現場だけでなく、最近では、サービス業でも多く取り入れられている。
今晩のNHK教育テレビ「仕事学のすすめ」の中で、星野リゾートの星野社長が登場。
ホテルや旅館を運営する星野リゾート。
ここで働くスタッフは、一般的なホテルとは仕事のスタイルが異なる。
一般のホテルでは、ベル係、フロント係、宿泊係、レストラン係と分業されているのが一般的。
これに対して、星野リゾートでは、これらの仕事をマルチにこなす。
朝、朝食担当でレストランで働き、そしてチェックアウト対応、午後にはレセプション対応と、マルチにこなすのだ。
星野社長曰く、こうした仕組みは、8時間の就業時間を効率よく使うことが出来るだけでなく、全ての仕事を一通り身につけることで、会社へのロイヤリティも高まるのだとか。
さて、最近就航したLCC(格安航空会社)でもこうした「多機能化」が行われている。
先日、羽田空港に就航が決まったマレーシアに拠点を置くエアアジアXでも、従来は行っていなかった、キャビンアテンダントがチェックイン対応、客室乗務、そして機内清掃などすべての業務をこなすのだ。
これらの職務を一通りこなすことで、ローコストオペレーションに繋げるのだとか。
星野リゾートとエアアジアXとでは、その導入の目的は少し異なるようだが、こうした仕事のスタイルは、恐らく多くの業種でも広がるのではないだろうかと思う。
スペシャリストとゼネラリスト。
この開きが、より大きくなるのかもしれない。
そこで一番ポイントになるのは、恐らく、スタッフ自身の「モチベーション」というものが重要になるのではないかと思われる。
スペシャリストはともかく、ゼネラリストにとっては、こうしたマルチな仕事を求められると、スタッフ自身のモチベーションを維持させることが非常にパフォーマンスを左右するだろう。
その「モチベーション」を維持するためには、会社の雰囲気は勿論、社内のコミュニケーション量、それらを生み出す各種仕組み、そしてそして何よりも会社自身のビジョンやミッションの明確化が大切だ。