こちらは、お茶の水女子大学名誉教授の外山滋比古先生が書かれたエッセイ「思考の整理学」(筑摩書房)。
累計発行部数が100万部を突破して、異例の増刷を繰り返しているらしい。
こちらの書籍は、1986年に文庫化されて既に20年以上のベストセラーが続いている。
私がよく訪れる、東京丸の内の丸善にも、かなりの棚のフェースを取って陳列しているのを目にする。
そもそもこの書籍がブレイクしたのは、盛岡市のとある書店のスタッフが書いたPOPがきっかけらしい。そのPOPとは、「もっと若いときに読んでいれば…そう思わずにはいられませんでした」という手書きの推薦文でブレイク。さらに、その後、東京大学や京都大学で一番読まれているということで、再ブレイク。
さて、この本のどこが面白いかというと、「忘れることの大切さ」を主張しているところ。昨今の情報過多のこの時代に、不要な情報を「忘れる」ということは、一つの重要なポイントだろう。
そもそも、人間の脳も処理能力は限られている。
インターネットという仕組みを通じ、情報が氾濫しているなかで、必要な情報、不必要な情報、それらを目利きできる「目」が、やはり重要な時代になっているようだ。