2009年10月26日月曜日

リアルタイムで欲しい情報とは

本日、某芸能人の裁判があった。みなさんも、ご存じだろう。

その裁判が開始された際の、テレビ報道で気になったこと。

本日の公判開始が、13時30分ごろ。
この時間帯は、通常、民放各局は情報番組ありドラマありの時間帯だ。

しかし、今日は著名有名人の公判ということもあり、情報番組では特集を組み、ドラマを通常放映している局は、報道特別番組に差し替えるなどして放送していた。

当の公判は、朝から傍聴席の抽選に長蛇の列ができるなど、関心も非常に高いものだった。

公判が始まると、裁判所前からの中継が始まり、折しも、台風が接近している大雨の中、記者が裁判の様子を刻々と説明をしている。

各局ごと、複数の記者がローテーションで、入れ替わり立ち替わり、裁判の様子を伝言している。つまり、法廷から飛び出して、今さっきまで自分が見聞きした内容を、原稿もまとめる暇なく、伝えているのだ。

この風景を見ていて、非常に不思議に感じたことがある。

果たして、公判の中の様子を、スポーツの実況中継のように、記者が入れ替わり立ち替わり、息を切らしてまで、急いで伝える必要のあることなのだろうかと。。。しかも、風雨の中。

アメリカでは、法廷の公判の様子をリアルタイムで中継する放送局もあるが、見る側の動機としては、あくまでも、「野次馬的」「興味本位」なものでしかない。

特に、強くそう感じたのは、ある場所でもっと重要なことが始まっているからだった。そう、同時刻に、本日から臨時国会が始まり、総理大臣の所信表明演説が始まっていたのだ。
(さすがに、NHKは中継したが…)。さらに、関東地方は、台風も接近しているのである。

情報をリアルタイムに必要とされるシチュエーションは、まず、生命が危ぶまれるような場合や、刻々と変化する状況の把握をしたい場合などがあげられる。まさに、今日のような、台風の接近や地震情報、交通情報など。

一方で、感動や興奮を一緒に味わいたいというときにもリアルタイム性を欲するだろう。ポーツ観戦や各種式典などがそれにあたるだろう。


果たして、今日の公判の様子といったものは、風雨の中、リアルタイムに刻々と伝える必要があるのだろうか?
きちんと情報を整理してからでも良いのではないだろうか?

さらに、政権交代したばかりの総理大臣の所信表明演説もあった。自分たちの生活を左右する政治の動向と、直接自分の生活には関係のない芸能人のことと、どちらが重要なのだろうか。




話をビジネスの側面に置き換えてみよう。
ビジネスの基本である「報連相」として考えてみるとわかりやすい。いわゆる、「報告」「連絡」「相談」の「ホウレンソウ」である。

社内での業務報告は、「悪いことを優先して上長に報告しなさい」とよく指導を受けるものだ。

この上司が言う「悪いこと」とは、会社の業務において支障が起きる(起きるであろう)ネガティヴな事象をさす。会社にとっての、「生命に危険を及ぼす」とでも考えられるのではなかろうか。


たまたま、同時刻のテレビ報道を見ていて、考えさせられた。