2009年11月9日月曜日

大都会の駅で戸惑う、老夫婦。。

今日の仕事途中でのひとコマ。

JR東京駅で、新宿方面に行くために中央線に乗り換え。

中央線は東京駅が始発なので、発車ベルがなるまで電車に乗りしばし待つことに。

すると、目の前に老夫婦が乗り込んでくる。しかし、何やら騒ぎながら。。。。

じっくり聞くと、こんなことを話している。
「この車両は、女性専用車じゃ。乗れんぞ!」と、ご主人。
「えっ、そうなのかしら。男の人も居るわよ。」と、奥さん。

そう、私が乗っていたのは、女性専用車。しかし、それは、通勤時間帯のみのお話。私が乗っていたのは、お昼を過ぎた、13時ごろ。

このご夫婦は、通勤時間帯のみが女性専用だとは、なかなか気付かない。
それもそのはず、女性専用車であることのステッカーには、通勤時間帯にそうなることは記載されているものの、その文字は非常に小さく、読みづらい。ぱっと見た際には、分からないのだ。(下の写真は、新宿駅。ちなみに東京駅には、この表示はない。)




ステッカーを見れば、「女性専用」という言葉と、「女性的(フェミニン)」なデザインで、それらしいメッセージがあることはわかる。
しかし、肝心の「時間帯」は、メッセージとして訴求力が弱いのだ。

日ごろ通勤慣れしていない老夫婦にとっては、時間帯によってサービスが異なるなど、知る由もない。

情報の目利き的な視点で捉えると、情報の受け手に対して、「どういうシチュエーションで、何を伝え、どうしてもらいたいのか」ということを、まず、じっくり考える必要がある。今一度、情報伝達の際のシナリオ設計とペルソナ設計を俯瞰してみると、改善する必要のある部分が、色々と出てくるだろう。

必ずしも、このステッカーを見るのは、この老夫婦のように、通勤客とは限らない。また、ラッシュアワーとは限らないのだから。

伝えなくてはいけない情報、伝えなくてもよい情報。

「時」と「場所」と、そして「伝える相手」をしっかり考える必要があるのだ。