2009年12月2日水曜日

メタルバルーン、金属風船!?

金属製の風船?

金属が膨らむ?

そう、金属が膨らむのだそうだ。
この金属を加工する技術を専門用語で「油圧塑性技術」と言うらしい。

これは、鋳造業等で良くつかわれる金型を用いるのではなく、金属板に対して、液体や空気を圧力計算しながらポンプで注入し、その圧力により膨らませ所定の立体的な曲面を得る技術なのだとか。

数日前に、テレビでこの技術で特許を持つ、株式会社一村製作所を取り上げていた。

株式会社一村製作所


上記WEBサイトでは、冒頭で紹介した「金属製の風船」のような、数々の「珍品」を紹介している。


さて、この特許にまでなっている「球形型」の加工技術、実は、従業員の失敗から生まれたものだとか。

油圧塑性技術で、とある商品加工を行っているときに、圧力の計算を間違えて、球体のものが生まれたのだとか。


失敗は、そもそも避けたいものであるが、起きてしまうのも事実。

大抵の場合、原因究明にフォーカスされるよりも、どちらかというと責任追及などのほうに焦点が絞られやすい。

責任追及は勿論必要かもしれないが、失敗してしまった原因、その背景から学べることが多いのも事実である。

一村製作所の例は、その典型例。

業界は変わるが、航空業界でも失敗情報を非常に意識している。
特に、乗客の命を預かる旅客機に、整備不良や操縦におけるヒューマンエラーなどがあっては、悲劇に繋がってしまう。

航空業界では、失敗情報をきちんと報告させることを、人事評価に取り入れたりもしている。


文字通り、「失敗は成功のもと」。

失敗は、単に失敗に終わらせるのではなく、底に至ったプロセスを整理し、分析をきっちりと行い改善に繋げることで、情報をより「活きた情報」としての資産に変えられるのだ。