2009年12月27日日曜日

良い指揮官とは・・・

今、毎週日曜日にNHKでスペシャルドラマ『坂の上の雲』が放映されている。

あまり大河ドラマを見ない私であるが、このスペシャルドラマは楽しんで見ている。

このドラマの原作は、司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』がベースとなっており、発行部数も2000万部を超えている作品とのことだ。

NHK『坂の上の雲』

今回、NHKはこの小説家をいつもの大河ドラマよりも多額の費用をかけて、今までにないスケールで描かれている。映像化にあたっても、戦争が描かれていることもあり、軍事礼賛等として、なかなか現実化させるのも、難しかったらしい。

番組を見ていると、近代国家として歩みだした明治の若者の青春群像が、今混迷を深めている現代の日本と比べて、非常にエネルギーを与えてもらえている印象を受ける。

ところで、先日、こんなシーンがあった。


清国との戦いにおいて、本木雅弘扮する秋山真之(海軍軍人・日露戦争時連合艦隊参謀)が、自分が出した命令により部下の命を失ったことを振り返り、自分自身が軍人にあっていないのではと悩んでいる。秋山真之が、戦いのあとの祝宴で、上官である渡哲也扮する東郷平八郎に対して、「良い指揮官とは何ぞですか?」という質問に対して答えたセリフ。

「指揮官の決断は一瞬であっても、決断を導くための準備は、十年、いや数十年かかるんでごわす。」、、と。

つまり、リーダーは、一瞬一瞬であるけれども、その決断をするための経験、事前情報の収集、見識を深めたりするためには、10年以上かかるものだと。。。

何故か、私にとって、このシーンが非常に印象に残った。

ビジネスにおいて考えてみても、組織論として同じように考えることができる。

「戦略」「戦術」と言う言葉が、普通に使われているが、元々は軍事用語。

ビジネスにおける決断ロジックも非常に参考になるものが多い。

戦時においては、指揮官が適切な判断を下すためには、現場の情報を、適切なタイミングで、正しく伝えられなければならない。つまり「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」だ。

ビジネスにおいても、経営層が正しい判断をするためには、同じように現場の正しい情報が必要だ。

たかが、ホウレンソウ。されど、ホウレンソウ。

結構、おざなりになっていることを目にする。その殆どが、その運用の本来の目的と効用が、きちんと組織内で共通認識されていないためである。そのために、大きな事故や不祥事を起こしてしまっている企業も、時々目にする。

今一度、客観的に見てみるのも必要だろう。