2009年11月1日日曜日

「知識」と「知恵」の違いを意識するということ。。

今日の日経のニュースに、こんな記事があった。

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「官僚は知恵使っていない」 菅副総理、激しい批判
「知恵を、アタマを使っていないんです。霞が関なんて成績がよかっただけで大バカだ」。菅直人副総理・国家戦略担当相は31日の民主党本部での講演で激しい官僚批判を展開した。   ~以下、省略~

日本経済新聞「NIKKEI NET」2009年11月1日記事より
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さて、管直人副総理の発言の内容そのものについては、特にここでは触れないが、発言の言葉にあった、「知恵」と「知識」について、考えてみたい。


この、「知恵」と「知識」については、ビジネスの現場でも業務を推進するにあたり、重要なキーワードだ。

ここで、言葉の定義を再度確認してみると

知識とは、一般的に、認識され記憶された情報のことを言う。「大辞林」では、「ある物事について知っていることがら。」「ある事について理解すること。認識すること。」という感じで定義されている。

一方、知恵とは、知識によって得られたもの、という意味から発展して、ものごとの道理をわきまえていて適切にふるまう能力のことを指すとされている。同様に「大辞林」では、「正しく物事を認識し判断する能力。」「事の道理や筋道をわきまえ、正しく判断する心のはたらき。事に当たって適切に判断し、処置する能力。」「単なる学問的知識や頭の良さではなく、人生経験や人格の完成を俟(ま)って初めて得られる、人生の目的・物事の根本の相にかかわる深い知識。」と定義されている。

ビジネスでは、もちろん様々な「知識」は必要だ。

ビジネスマナーに始まり、業界知識、業務知識、商品知識など、それぞれの職業に応じた知識の習得が必要だ。

その一方、忘れてはならないのが、「知恵」である。

ビジネスで言うところの「知恵」とは、「ノウハウ」「勘所(かんどころ)」「経験値による工夫」などを包括したものと言える。

こうしたものは、非常に見えにくいものである。
更に、こうした「知恵」というものが、雇用の不安定化にともない、企業にとっては、流出するリスクを大いに抱えているのが実情だ。

こうした見えにくい「知恵」といった無形資産こそ、今の厳しい時代には、重視すべきポイントでもある。

「見えにくい」ものを、如何に「見えやすく」「見えるように」するには、単に仕組みを導入したり変えるだけでなく、全社一丸となった、徹底した「意識改革」と「場づくり」が、何より大切だ。