「脳波」と聞くと、オカルトや超常現象などのイメージを持つかもしれないが、まじめな科学のお話。。
しかも、空想の産物ではなく、実際に既に現実にある話を紹介しよう。。
アメリカで、今年になりある玩具が流行っているらしい。それは、自らの「脳波」を使って遊ぶゲームがあるのだとか。
日本でも、ここ数日テレビでも紹介されるようになった。
頭の中で集中力をコントロールして、おもちゃのボールを浮き沈みさせるゲームなのだとか。
頭にヘッドセットを装着し、脳波を読み取りそれを電気信号に変換して情報を伝達するのだという。
このヘッドセットを、学術用語的には「ブレイン・マシン・インターフェース」という。
この「ブレイン・マシン・インタフェース (Brain-machine Interface) 」とは、人間の脳の神経活動を電気信号に変換し、コンピュータに入力したり、逆にコンピュータの情報を脳に入力したりする仕組みのことを言うらしい。
このゲームの仕組みは、脳の神経活動の情報を取り出し、コンピューターに送ることで遊ぶのだ。
こうした技術は、ゲームだけでなく、医療のリハビリテーションやスポーツのトレーニングにも使われているのだとか。
医療では、脳内出血で遮断された脳内の神経回路に刺激を与え、リハビリテーションに活かすというもの。
スポーツ競技では、そもそも精神面のトレーニングも重要なトレーニングの一つだが、その成果を可視化するために、「集中力」と「リラックス度」を、脳波を使って測定。脳波を介して測定したデータをもとに、可視化しにくい精神面のトレーニングに活かしているという事例もある。
さらに、広告調査等にも最近使われているのだとか。
CMの効果検証を、アンケートやインタビューだけでなく、実際に被験者にCMを見てもらいその脳波を調べるというもの。番組では、アンケートやインタビューでは測定できなかった、違った視点の測定結果が出ていたことを紹介していた。無意識の反応を可視化ということであろう。
今、私たちは情報を伝えるために、「文字や言葉」、「画像(ビジュアル)」といったツールで伝達している。しかしこれらの手段では、情報の受け手、伝え手の能力によっても、伝えられる情報量や質が変わってしまう。
そうした中で、この「脳波」というものが、更に新しい一つの情報伝達のツールとなる時代が到来したのだ。
人の心の中を読み取るというような行為は、SF映画ではあったが、実際に技術的に出来てしまう時代になったのだ。
紹介していた番組では、こうした情報の読み取りにおける、運用面での危険性を指摘をしていた。
つまり、心の中がすべて読み取られてしまう、倫理面でのことだ。
また、人間の脳の中に情報をインプットすることも技術的には可能なのだと言う。つまり、マインドコントロールも出来てしまうのだ。
情報の伝達手段というものが、発達する一方で、それを使う人間のマインド、倫理観の成長も、求められているのではないだろうか。。