2010年1月20日水曜日

上を向いて、歩くと。。。

JR東京駅で、とある表示を見つけてしまった。




この表示を見たことがある人はどれくらいいるだろうか?
これは、東京駅中央コンコース付近の天井で、新幹線、京葉線、総武快速・横須賀線のホームへの行き先を表しているものだ。

JR東京駅は、13路線が集まっている大きなターミナル駅であることはご存じのとおり。乗り換えるのに戸惑う人も多いだろう。

そうした方のためにも、駅構内には、多くの路線表示がある。

最近の構内表示は、徐々にリニューアルが進み、文字のフォント、大きさ、照明そのものの明るさなどが改善されている。以前にも紹介したが、インタラクティヴな表示のものまで登場している。

そのような改善がある中で、一つ気になったのが、写真の表示。

「えっ、こんな表示があるの?」と思われた方も多いだろう。
それもそのはず、ほとんどの人が天井を見ながら歩く人などいないのだから。

人間が歩くときに見る視線は、自分が行こうとする方向、そして自分の足元を見るのが自然な行動。

そういう意味で、この表示がどれだけの人間が見ているのかと、ふと疑問に思ったのだった。

こうした標識のデザイン、電化製品やシステムのインターフェースを設計するときに、情報の受け手が、どのような状況で、どのようなタイミングで情報を欲するのか、深く考えなければならない。

道路の標識も、設置場所の悪いものがたまにあり、車の運転をしていてヒヤリとすることもある。
また、家電製品や銀行のATMでも、次にどのボタンを押したらよいのか分からないものがたまにある。

使う側の立場になり、使う立場になり切って、一通りのシミュレーションを行ったうえでの情報デザインやインターフェース設計であらなければ、良いものは生まれない。