2010年1月19日火曜日

中身を透視できる「全身スキャナー」!!

昨年末より、アメリカではとある検査が物議をかもしている。

それは、「全身スキャナー」だ。

所謂、「なんでも丸見え」になってしまうスキャナーなのである。まるで、ドラえもんの道具やSF映画の内容のようにも聞こえるが、実際にそうした技術が既に実用化されているのだ。




この「全身スキャナー」を、全米の空港のセキュリティー強化をするために導入するということらしい。

昨年末、アメリカ航空機でテロ未遂事件があった。
こうした事件があったことも後押ししている感じでもある。

この「全身スキャナー」は、X線や電磁波技術を利用して、乗客の衣服の上から透視することができるのだ。チェックされたデータは、三次元化されて、体の表面に銃や爆弾、その他の爆発物や意見物の所持が無いかを確認することができるのだ。

この透視技術により、身体のはっきりした輪郭が映し出されることから、プライバシーの侵害だと反対している人もいるのだとか。


情報管理を行う上で、セキュリティーの問題やプライバシーの問題に必ずぶつかる。
そうした際の前提に考えなければならないのが、「性善説」か「性悪説」のどちらを取るかということだ。

過去の日本において、様々な決めごとを考える際、多くが性善説により成り立っているものが多かったのではと思われる。つまり、「こんなことまでは、常識の範囲でしないだろう。」という感じで、その曖昧な「常識」論の上で、規定を策定しているのだ。

最近、この「常識」というものが、徐々に崩れ始めているように、感じる時がある。

私が学生時代に法律を学んでいるころ、訴訟社会アメリカでは、「電子レンジで猫を乾かす人がおり、危険表示が無かったとして訴訟沙汰になったことがある」ということを耳にし、唖然とした記憶がある。

何となく、今の日本にも、同様の傾向が起き始めているように感じるのだ。

電子レンジの話は、性善説、性悪説から少し離れてしまうが、「常識の範囲」ということからかけ離れることが実際に起きてしまう、という意味で考えてみると、今の日本で起きていることも、外れてはいないだろう。


以前、個人情報保護のお手伝いをしていた際に、「性善説」で考える会社と、「性悪説」で考える会社と二分された。どちらもそれぞれの方針としては理解できるが、「性悪説」の会社は、個人的な印象であるが、そこで働く従業員は、あまり活き活きとした印象を受けなかった。

「性悪説」を取ると、どうしても「管理統制」の強化が求められ、非常に窮屈な組織になってしまうのだ。

こうした窮屈な組織に「しない、させない」ということであれば、上下左右、お互いに信頼できる組織構築が必要だ。その為には、お互いを良く知る、そしてお互いと密にコミュニケーションをする。そして、重要なのが、「お任せ主義に走るのではなく、自ら主体的に動く」ということだろう。