その音とは、「汽笛」。
汽笛といっても、鉄道ではなく「船舶」。
私は海岸近くに住んでいるため、時々、船舶の航行時の汽笛が聞こえるのだ。
特に、今朝は、東京湾が濃霧で覆われたため、船舶が安全航行するために汽笛を鳴らしていたのだ。実は、同じ東京湾に面する羽田空港は、この濃霧のため、午前中、離発着が出来ない状態が続いていたらしい。
ところで、この船舶の汽笛は、「操船信号」として使われているのだという。
つまり、「音」による情報伝達だ。
調べてみると、以下のようなパターンの信号があるのだとか。
- 針路を右に転じているとき ・ (ボッ)
- 針路を左に転じているとき ・・ (ボッボッ)
- 機関を後進にかけているとき ・・・ (ボッボッボッ)
- 先行する他船を追い越すときは次のとおり。
- 右側から追い越すとき ─── ─── ・ (ボー ボー ボッ)
- 左側から追い越すとき ─── ─── ・・ (ボー ボー ボッボッ)
汽笛の音程は、船の大きさによって違い、大きな船ほど低い音になるようだ。
今朝の汽笛は、非常に低い音が続いていたので、大型船の航行だったのだろう。
調べていて、意外に思ったのだが、船にはレーダーがあるはずだが、それは上手く活用されないのかと。。
良く考えると、レーダー自身では、その船の針路がどちらに向かっているのかを把握するには、ある程度の時間経過が必要だ。そうしたことを考えると、自らの意思表示と言う意味で、汽笛は非常に濃霧の中では有効な情報伝達手段なのだろう。
原始的と言えば原始的。しかし、シンプルで単純であるからこそ、複雑な情報を伝えるのではなく、伝えるべき情報をきちんと伝えられる。
情報を伝達することを考えるときに、常に機械やコンピューターに頼るのではなく、時にはこうした原始的な視点考えてみることも大切なのかもしれない。