2010年3月2日火曜日

今時の「春闘」って?

さて、春闘が本格化し始めたとのニュースがちらほら。

春闘とは。そもそも春季労働闘争の略だ。労働組合が賃上げを中心として毎年春に行う闘争。法律的にも、労働三権のうちの「団体交渉権」として認められているものだ。
昭和30年以来、労働組合が全国的に行っている。

ところで、経団連側は「雇用の確保が最重要課題とすること」との主張、連合の組合側は「定期昇給維持」の主張。

ここで不思議に感じるのが、「では、原資はどうするの?」という部分。
論争の中で、こうした部分に触れていることを見たことが無い。

高度経済成長時代のように、どんどんモノを作り、モノを市場に出せば売れるという「売り手市場」の時代では、定期昇給・終身雇用という常識の中で、こうした議論がされていたのかもしれない。

しかし、今は、モノは溢れ、人が生活するのに必要なものは、当たり前のように手に入れられる時代である。
商品も目新しいモノが出にくく、どうしても価格競争に走ってしまう傾向も否めない。新商品が出たとしても、直ぐに陳腐化してしまう。

一方で、様々な技術革新により、業務は効率化され自動化され、人間の出番はどんどん不要になる。つまり雇用の機会そのものが、機械に取って代わる時代だ。

そうした中で、潤沢な「原資」を生み出すためには、「創業」「創職」の視点が無ければいけないのではないか。


「雇う」「雇われる」だけの視点ではなく「生き残る」「生み出す」視点が無ければ、建設的な方向性を導き出せないのではないか。


労働者側の「労働そのものの質」、経営者側の「経営戦略の質」。双方が将来を見据えた視点で議論を戦わせ、そこに原資を見出そうとしてこそ、意義ある議論につなげられるのではないだろうか。

しかし、そもそも日本国内の労働組合の参加率も年々減少を続け、今は2割を切っている状態らしい。果たして、今の時代に、こうした今のやり方が合ったものかどうかさえ、考え直す時なのかもしれない。