2010年3月11日木曜日

対価を頂いて「仕事する」ということを考えてみる。。

今日のNHKの番組で「過払い金トラブル」を取り上げていた。

多重債務等で困った消費者が、弁護士に相談。
しかし、過払いを回収できても、弁護士費用としてほとんどが弁護士のお財布に。当の本人が生活再建出来ないという事態が起きているのだという。

ひどい話だ。

そもそも、弁護士という職業柄の倫理的な問題もあるが、弁護士に依頼するという行為が日常生活であまりないせいか、見積を事前に取るというようなことをしていなかったのだろう。いきなり請求書を見て、ビックリということが多々発生しているようだ。


生活弱者を痛めつける弁護士側の対応こそ非常に問題があるように思えるが、一方の仕事を依頼する側の「進め方」にも問題があるように、私は感じた。

ITの仕事をしていると、「わからないので、全てを任せる」という場面に遭遇する。そうした場合に、良く発生するのが「思った納品物と違う」といった結果。紛争に縺れ込む場合や、すべてやり直さざるを得ない結果になったり、お互いにとってマイナスの結果に。。。

本来、「仕事をお願いする」ということは、「自分(たち)の力で解決できないので、対価を払い依頼する」ことが主旨のはず。
であれば、「どうしたいか」というゴールがまず明確になっていなければならない。そして、仕事を受ける側は、「仕事に対して、対価はいくらなのか」を確認する。これは、ビジネスでは当たり前であり、日常生活で、買い物をする場合でも同じだろう。


一方、仕事を受ける側も配慮が必要だ。お金を頂いて動くという以上、「プロフェッショナル」として仕事を受けるのであれば、依頼する側がイメージする「ゴール」というものを専門家として依頼者から引き出し、それを「依頼側の視点」で可視化する。
ボランティアではなく、ビジネスである以上、それに対するコストも明示する。

当たり前のことであるが、このプロセスが出来ていないことが多い。さらに、自分たちの利益のみを優先し、こうした部分をブラックボックス化する企業さえある。


ビジネスにおいても、プライベートにおいても、仕事を依頼する側であれ、仕事を受ける側であれ、こうした視点は重要なポイントではなかろうか。