2010年3月12日金曜日

「新村社会」で生活する若者たち

今晩、とあるテレビ番組で面白い特集をしていた。
「近頃の若者論」をテーマにしていた。


「近頃の若者はなぜダメなのか」の著者である、博報堂研究開発局 主任研究員 原田曜平氏がゲストに出演。近頃の若者を「新村社会」の中で行動していることを紹介していた。

「ケータイ世代」である、20代は携帯電話を中心に「常に、誰かと繋がっている」というのが当たり前。そんな若者たちが生活する環境を、「新村社会」として表現。
かつての日本にもあった村社会。どこに行くにも誰かが見ていたり、周囲の反応を気にしたりなど、かつて存在した村社会に、今の若者たちの環境を例えているのだ。

そんな「新村社会」には、5つの掟があるのだそうだ。
その掟とは、

  1. 愛想笑いを絶やさない
  2. 弱っている人を励まさなければならない
  3. 一体感を演出しなければならない
  4. 会話を途切れさせない
  5. 共通の話題をつくらなければならない

…という。
こうしたことが、20代では無意識にしているのだそうだ。

そうした意識が、若い人の自ずと場の空気を読む「読空術」を鍛えている。
相手に合わせるのが上手な、コミュニケーション能力が高い若者が増えているのだ。

意見や希望を持っていても、表には表わさない。
人との衝突を恐れて、無難に済ます。
親とは、友達感覚で、友達との関係に気を使う。

さて、こうした若者世代であるが、コミュニケーションという視点でいうと、ネットワークの広さについて、自分の学生時代に比べると、非常に広く比べ物にならない。羨ましいくらいだ。

常にこうしたネットワークがあるので、様々な情報も容易に手に入れることが出来る。
そうしたこともあり、半径5キロ圏内で生活が完結してしまう人がいたり、逆に、このネットワークを駆使して活動している人もいるのだそうだ。


さて、こうした若者世代、社会人とともにインターネットを使い始めた我々の世代、さらにずっとアナログで活動されてきた先輩方の世代、それぞれコミュニケーション的な視点では、おそらく考え方を異にするところだろう。

こうしたコミュニケーション視点のギャップは、恐らくこれからのビジネスにおいても、企業内で大きな課題の一つになるのではと思われる。

ステレオタイプ的に世代間を、一括りにしてしまうのは危険だが、少なからず感覚というものは、育ってきた社会環境によってその価値観も異なる。

企業組織で円滑に業務を遂行するための一つの要素である社内コミュニケーション。
それぞれの長所・短所を、良く理解し、それぞれを補う工夫や意識改革が必要なのではないだろうかと思うのである。