2010年3月16日火曜日

偽ニュースに見る、メディアの恐ろしさ。。。

とある国で騒動が湧きあがっている。その国はグルジア共和国。
黒海近くに位置する、1991年にソビエト連邦から独立した国だ。

最近では、2008年にロシアと軍事衝突をするなどの政治的な情勢の国でもある。

そのグルジアで、今回、グルジア国内の政府寄りのテレビ局、イメディテレビが、ロシア軍が首都を侵攻するとのニュースを報道。さらに、ロシア軍が野党指導者と手を組み、大統領は暗殺されたという内容。

このニュースは、たちまち国内を駆け巡り、避難を始める人が出るなどして大パニックになったのだという。一部では、携帯電話はパンクになり、スーパーでは物が買い占められたり、中にはショックで亡くなられた年輩の方まで出てしまった。

↓のムービーは、そのニュース映像の様子。




番組は通常の時間帯に30分の枠で放送。番組の最後に「この番組はフィクションです」ということを報じたそうだ。

こうした偽ニュース、調べてみると4年前にもベルギーでもあったようだ。
南部地域と北部地域との対立関係にある国内情勢で、連邦国家の在り方を問うという意味で、北部地域が独立したという偽ニュースが流されたのだ。

更に遡ること、第二次世界大戦時代のアメリカでは、ニュースではないが、ラジオドラマで宇宙人が襲来するという内容が、余りにもリアルな演出であったため、町が大パニックになったというエピソードもある。

今回のニュースは、映像も過去の映像を利用し、ニュース番組としてリアルに放送。エイプリルフールでも無く、真面目に放送しているものだから、多くの人が、その情報を信用してしまったのだ。


情報というものは、取り扱いを間違えると非常に恐ろしい。
特に、群衆が動いてしまうレベルに拡散してしまうと、情報そのものの真偽が定かでなくなってしまう恐れもある。


今回の騒ぎは、情報を発信する側の「モラル」、情報を受け取る側の「目利き」、双方が問われる時代を象徴するエピソードのような気がする。