2010年3月20日土曜日

「高売り」でも、儲けられる戦略とは。

「値下げ、値下げっ!」と叫ばれている昨今、「高売り」をして好調なビジネス展開をしている「街の電器屋さん」がある。

東京の町田市にある「でんかのヤマグチ」だ。昨日テレビで紹介していた。

でんかのヤマグチ


この「でんかのヤマグチ」が凄いのは、販売価格が高いのに、売上を上げているというところ。

例えば、薄型テレビも量販店に比べると、約10万程度は高いのだ。

では、何が違うのか。。

それは、お客様に対するサポート。
しかも、特に年輩のお客様に対してだ。

最近の家電製品は、複雑化して多機能。テレビのリモコンのボタンもかなりの数になり、使いこなすにも一苦労。年輩の方にとっては、中々使いづらいのが現状だ。
高齢化と家電製品のデジタル化も追い風になっているようだ。

そうした中で、「でんかのヤマグチ」は、お客様に「とことん」丁寧にサポートしている。店頭で、DVDレコーダーの説明にも、1時間や2時間かけるのは当たり前。

更に凄いのが無料のアフターサービス。

購入後の家電製品の設置はもちろん。訪問出張のついでに、ちょっとした電球の付け替えや買い物の付き添い、おしゃべり相手から、なんと爪切りのお手伝いまで。。年輩のお客様に至れり尽くせり。

物を単に売るのではなく、お客様との信頼関係を築くのを軸に据えた経営戦略を取っているのだ。

1営業マンに500人のお客様をサポート。年間12億の売り上げを1店舗で上げている。

ところでこうしたユニークな「でんかのヤマグチ」も、もともとは数店舗あった量販店でもあった。メガ量販店の進出により、売上が減少。崖っぷちの所まで来て考えて考え抜いたうえで、こうした戦略に切り替えたのだと社長のコメント。

この「でんかのヤマグチ」には、4つの「無い」が存在している。

それは、

  1. 安売りチラシを作ら「ない」
  2. 安売りセールをやら「ない」
  3. ポイント還元は「ない」
  4. パソコン売り場が「ない」

といったもの。

世の中が、「値段」ばかりに目が向けられている中、きっちりとお客様にとって喜ばれるサービスにフォーカスした戦略は、私としては応援したい。

お客様に気軽に頼んでもらえる。お客様に喜んでもらえる。
これは、昔から存在する「商い」の原点であるのだろう。

「商い」は、「飽きない」とも、良く言葉を入れ替えて述べられることが多い。
確かに、お客様に「飽きさせない」ためには、常に喜んでもらい続けなければならないのだろう。