2010年4月9日金曜日

モンスター○○は、何故出現したのか。。

横浜市教育委員会でとあるマニュアルを作成したのだとか。
それは、「モンスターペアレント対策マニュアル」。

つまり、学校に対して無理難題を突き付ける保護者の対応マニュアルというもの。

こんなマニュアルまであるのかと、聞いて驚いた。


最近では、この「モンスターペアレント」だけでなく、「モンスターペイシェント(患者)」、「モンスターカスタマー」、「団塊モンスター」等の言葉が取り沙汰されることがある。

どれも、自己中心的で理不尽な要求を突き付ける人たちのことを総称しての表現だ。


さて、こうした「モンスター○○」という人種(?)が、どうして出現してきたのか、私なりに考察してみる。

  1. 物が溢れて、様々なサービスの享受できることが当たり前のような時代になった
  2. 裕福な時代になり、「手に入れられて当たり前」的な自己中心の発想に陥りやすくなった
  3. 昔に比べて、サービスの受け手が、意見しやすい環境や社会風潮になった
  4. 物やサービスそのものが複雑化しブラックボックス化している
  5. 人間そのものが、コミュニケーション下手になっているということ

こんな所に原因があるのではなかろうか。

1は、人間というものは欲深であり、「昨日の満足が今日の不満足」になってしまうことが顕著に表わされるように、常に物やサービスのレベル向上に飢えている一方、提供側がそれに追い付いていないというもの。

2は、裕福な時代になって、「感謝」「敬意」というものが蔑になってしまっているということ。例えば、食事の際の「頂きます!」の本当の意味を、常に意識していれば、生産者への感謝を忘れないはず。「ありがとう」が言えない人が増えている。。

3は、社会のトレンドが、消費者起点の風潮になっていること。インターネットに代表される情報発信ツールの登場も、それらを後押し。

4は、家電等にも代表されるが、技術等の進歩により、買う側はもちろん、提供する側ですら内容が複雑なために理解していないものを売ることさえある現実。伝えなければならない情報が伝えられず、結果としてクレームを発生させる原因となっているのでは。

5は、非対面のコミュニケーションツールの発達により、直接のコミュニケーションの機会が減っているということ。相手の状況を思い、配慮してコミュニケーションを取っていた過去に比べて、電子メールや携帯電話など、相手にづけづけと土足で踏み込むようなコミュニケーションが主流になってしまっていること。また、家庭でも会社でも、会話そのものが減っているという事実。


こうしてみると、起きるべくして発生しているように見える。

少なくとも、上の中の(2)に記載した、相手への「敬意」、「感謝」というものがあれば、「モンスター○○」は、必ず減少するはず。


相手を慮る気持ち。
これは、コミュニケーションをするうえで、一番大切なことである。