その中で、みずほ情報総研の吉川氏の講演で印象に残る内容の一つ。
ナレッジマネジメントが成功するか失敗するかのポイント。
それは、2つ。
- 最初に目的や戦略を明確にする
- ツールについては試行錯誤と細かい修正の繰り返し
なのだとか。
ほとんど失敗する多くの事例が、上記のポイントが実施出来ていないらしい。
確かに。
ITシステム導入においても同じと思われる。
セミナーでは、特に「1」の目的や戦略を明確にすることを繰り返し指摘していた。
つまり、しっかりとした目的や戦略があれば、ツールである仕組みや手法は、その都度変えれば良いということ。(まぁ、投資コストの限界という側面の問題はあるが…。)
ITシステムでもこの「目的」や「戦略」が曖昧な場合が多い。
更に、厄介なのが、「目的」や「戦略」と「手法」「手段」をごっちゃに考えてしまっている場合があるのだ。つまり、手段や手法が目的になっているのだ。
例えば、表面上の使い勝手を変えることが目的になっていたり、機能追加が目的になってしまうことがある。これらは、決して目的ではなく、目的を達成するための手段である。それを、日々の業務に追われるあまり、忘れてしまうのであろう。
ナレッジマネジメントやITシステムの導入は、その効果は非常に見えにくいものだ。
更に、効果が出るまで時間もかかる。こうした特徴からも、最初の「目的」「戦略」を明確にしておかなければならない所以でもある。
「目的」「戦略」は、現場レベルだけで決められるものではない。
経営層レベルとの情報共有が、まず第一歩である。
経営層側は、こうした事業を推進する上での「戦略」や「方針」が、きっちりと末端まで伝わっているか。
そして、現場スタッフ側は、会社は何に常に考えているのか。
お互いが、寄り添い、力を合わせて、共有することが、成功への近道なのだろう。