2010年4月30日金曜日

人は、やはり、目と耳でコミュニケーションしている!?

「メラビアンの法則」というものがある。
これは、米国心理学者のアルバート・メラビアン氏が1971年に提唱した法則。

これは、コミュニケーションにおける人の受け止め方についての法則であり、好意や反感などの態度、感情についてとある実験でとりまとめられたもの。

人間の行動が、相手に対して影響をどのように及ぼすかというものでその影響度合いの割合が下記のような研究結果データとしてとりまとめられている。


  • 話の内容などの言語情報(Verbal)…7%
  • 口調や話の早さなどの聴覚情報(Vocal)…38%
  • 見た目等の視覚情報(Visual)…55%


この「メラビアンの法則」で表れているように、相手に影響を及ぼす要因として、聴覚や視覚が非常に大きな影響を及ぼしていることがわかる。


さて、通信技術の発展に伴い、コミュニケーションのツールとして、電子メールが非常に一般的になっている。

この電子メールが、現代のコミュニケーションにおいて、非常にネガティヴな影響を及ぼしているのではないかと、私自身危惧している。

今晩のとあるニュース番組でも、「職場うつ」について取り上げられていたが、少なからず、私個人としては、電子メールによる影響もあるのではと考えている。


一方、対外的にお客様に対してメールで対応しなければならない場合も、以前に比べて格段に増えてきた。このメール一通で、会社のブランドを左右しかねない結果をもたらしてしまうこともある時代だ。

大手企業は、会社の広報窓口として、メール対応も非常に気を配って対応しているが、企業によっては、まだまだ対応が不十分な会社があるのが実情だ。


電子メールは、コミュニケーションを取るためのツールとしては、非常に伝えられる情報が限られる。上述の法則のような、文字情報以外の情報を伝えるのは、難しい。

さらに、日本語特有の問題もある。それは、主語の省略などの「曖昧な表現」。

そもそも電子メールは、英語圏を発祥とし、インターネット黎明期は、伝えたい用件のみのやりとり等がメインの時代があった。

しかし、日本人は、直接的な表現に慣れていない国民性もあり、事実情報のみを伝えると、「きつい人だな」という印象を受ける等、非常に誤解を生みやすい土壌そのものも存在する。用件のみを伝えるには、ある程度の人間関係が構築されていなければ、非常に誤解を与えてしまうものでもあるのだ。

こうした、日本独自の「メールのエチケット」なるものが確立されているのである。

さて、私個人もたまに、「事実情報のみのダイレクトな表現」のメールを受け取ることがある。しかも、それが企業のオフィシャルなメール対応としてである。

相手によっては、こうしたメールの文章で、会社のブランドそのもののイメージをダウンしてしまうリスクもあるのだ。

会社として、担当者本人としては、そうした意図は全くないはずであるが、きちんと対応しているにも関わらず、このように思われてしまうのは非常にもったいないことだ。


たかが、メール。されどメール。
メール対応にも、きちんと気配りを行わなければならない時代なのである。