実は、今日は世界禁煙デーだそうだ。
世界保健機関が制定し、禁煙を世界的に推進しようと決められたもの。
日本では、今日5月31日から6月6日までの1週間が禁煙週間なのだとか。
喫煙場所の撤去や、受動喫煙の検診などのイベントが国内各地で開催されている。
メディアもそれらを報道している中で、ひと際目を引いたのが、インドネシアの喫煙の様子。喫煙しているのは、なんと2歳の幼児。大人顔負けの恰好でタバコを燻らす姿が、何とも生意気に映しだされていた。
インドネシアでは、タバコの喫煙に関する年齢制限が無いらしい。
子供の発育に影響があるのは当然考えられるが、周囲の大人が、どう考えているのか聞いてみたいものだ。
さて、近年、日本国内も喫煙出来る場所が、随分減った。
ビル一棟が全面禁煙、全列車全面禁煙が当たり前の所が、かなり増えた。
このようにタバコの喫煙場所が減ったと同時に、企業の中で減ったと言われているものがある。実は、「社内コミュニケーション」。
タバコを喫煙する際には、ちょっとリラックスする。
そのリラックスした雰囲気では、日頃張り詰めた中で言い出せないこと、愚痴、悩み、相談事など、業務に関わるコミュニケーションが、結構行われやすいのだ。
所謂、「タバコミュニケーション」と言われるもの。
タバコに限らず、仕事仲間同士での「呑み二ケーション」も、過去に比べると減っている。福利厚生の見直しで、「社員旅行」という言葉も随分耳にしなくなった。
一方で、電子メールの台頭により、社内でのごく普通のフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションすら減ってしまっているのが、今の多くの職場の現状だ。
一部のIT系企業では、となり同士で座る社員間のコミュニケーションも、チャットやメールでコミュニケーションする始末だ。
私自身は、タバコは吸わないが、このコミュニケーションの場が減ってしまうことに関しては非常に危惧している。
欧米の職場は、個々人がパーティションで区切られ、職域も明確に権限と責任が明確になった雇用形態となっている。
一方の日本の職場は、「島」と呼ばれる「チーム」型、「家族的」な「わいがや」がベース。
雇用スタイルも、1人1人の職域や権限と責任が、欧米と比べて契約書として明確になっているわけでもないのが多数派だ。マネジメントスタイルも欧米とはかなり異なる。
そうした職場で、「個」が独立した形での職場環境に慣れていない日本で、コミュニケーションの場が減ってしまうことは、非常に競争力を落としかねない要因の一つになるのではなかろうかと考えている。
バブルごろから導入された欧米型の「成果主義」ベースの人事評価の見直しが叫ばれている。
終身雇用が崩壊し、年功序列等に対する批判など、従来の日本的経営に対して、バブル以降批判の的になってきた。
私は、こうした変革の時代だからこそ、「日本が培ってきた、日本人らしい本来の良さ」というものをもう一度見直しても良い時期なのではないかと思ったりする。
そして、その良さを、より多くの海外にアピールしても良いのではないかと。。
日本企業がガラパゴス化してしまう前に。。
タバコが及ぼす身体に悪い側面以外にも、職場環境が変化することによる、目に見えない影響力を、違う視点で考えて見ることもたまには必要ではなかろうか。