2010年5月30日日曜日

たかが質問、されど質問。。。

日曜日にテレビを見ていてよく見かけるCMで気になるものが一つある。
第一生命のCM「幸せの道 おとうと」編だ。

第一生命 CM


まずは、簡単なストーリーを。

とある小学校での授業風景。
自分たちの将来の「夢」を発表しましょうという授業。

そこで1人の男の子が先生にあてられて、他の生徒は、職業などを答えるなかでこう答える。
「キャッチボール」。

先生やクラスメートは不思議がる。先生は、
「野球選手になりたいのかなぁ?」と質問。

けれども、男の子は、かたくなに「キャッチボール」と。。。

CMのシーンは、学校が終わり、一目散に男の子が駆け出す。
駆け付けた先は、病院に入院しているお母さんのいる所。
どうやら、弟が生まれたようだ。

そう、男の子は、この弟とキャッチボールをしたかったのだ。

さて、私がこのCMで気になったのが、先生の男の子に対する質問の仕方。

初めから答えを決め付けたような質問の仕方。
あたかも、「野球選手」という言葉を知らないかのように、その質問に対する男の子の回答を決め付けているような印象を受けたのだ。


CMでは、そこまで考えていないかもしれないが、多くの学校でもこうしたスタイルでのやり取りは多くあるのではないだろうか。

私自身、高校の英語の文法の時間で、正解を一つに絞ろうとする先生の方針に、いつも疑問を持っていたことを思い出す。言葉なのだから、色々な表現があっていいはずだ、と。


コミュニケーションにおいて、「質問」の仕方によって、その場の雰囲気も左右するだけでなく、そのあとのコミュニケーションの内容が膨らむかということにも影響する。


質問の手法の中に「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」という考え方がある。

前者は、「Yes、No」で回答を求めるもの。後者が「5W1H」で回答を求めるものだ。

CMの先生は、男の子に対して「野球選手?」とクローズドクエスチョンに落とし込んでいる。これでは、男の子の考えていることが分からない。

本来ならば、「どうしてキャッチボールが夢なの?」と聞くべきだろう。
そこで、はじめて「弟とキャッチボールしたい」=「夢」と気付くはずだ。

同じように業務マネジメントでも上手く使い分けることが必要だ。

相手がどのように思っているか、どうしたいのか、上手く聞き出すためには、勿論後者のオープンクエスチョンを上手く取り入れることが一つのテクニックになる。