2010年6月16日水曜日

今日、とある仕事の打ち合わせで、「部下の教育」が話題になった。

社員教育は、多くの会社でも重要なテーマだ。

経営方針によっても、これを重視する会社もあれば、疎かにしている会社があるのも事実。それは、社風によっても現れてるのかもしれない。


ところで、社員の教育を考える際に、ポイントになるのが、「教える側の人材」。
この人材の有無も、組織が将来的に成長するか否かも左右する。言い換えると、後継者をどの層でも育てられる環境があるのか否かとも言えるだろう。


組織に所属するスタッフの年齢層別、経験年数別のピラミッドを作成してみると、「教える側」が、きっちりと存在出来ているかが分かる。


組織のピラミッドを描いてみると、

  • 富士山タイプ:年齢層が高くなるほど人数が少なくなるタイプ
  • サツマイモタイプ:中間年齢層が多いタイプ
  • ひょうたん型タイプ:ある特定の年齢層が少なくなっているタイプ
  • 逆三角形タイプ:年齢層が高くなるほど人数が多いタイプ
  • ずんどうタイプ:どの年齢層も同じ程度の人数がいるタイプ

のようないくつかのタイプになる。


ここ10年から20年の間に、企業は大きな環境の変化を迎えた。
経営危機を乗り越えるために、リストラを実行し、ある一定の年齢層が異常に少なくなるなどの、歪な年齢構成の企業も以前より増えている。

また、ITベンチャーなどは平均年齢も若く、そもそも高年齢層が少ない企業も存在する。
私自身、大企業、中小企業、零細企業、ベンチャー企業などほぼすべての規模の会社を経験してきたが、総じて、この形が「ずんどう」に近いほど、しっかりとした組織が出来上がっていた。

もちろん、計画的な採用が出来るから「ずんどう」に近い形を作り上げられるのだが、それ以外にも、しっかりとした役割分担、業務フローもきっちりと構築されている。

一方、ITベンチャーに多いのが、社員全体の平均年齢が若く、高さの低い富士山タイプかサツマイモタイプが多い。

前者は、技術的専門知識を持つ人材は数多くいるが、社会的経験の浅い人材ばかりで、偏った脆弱な組織構造を生み出してしまうタイプ。
後者は、中間の平均的な人材が多く、若年層が少なく後継者の人材の育成が行えないタイプ。現場に振り回されるプレイヤーばかりで、組織マネジメントが上手く構築出来ない。

人材採用は、個々の経営戦略に基づいて行われるべきで、上記の「ずんどうタイプ」が理想的であるかもしれないが、中々実現することは難しい。

「ずんどうタイプ」はあくまでも、自社内で教育が理想的に行われることが想定できるが、そうでない場合、外部の研修の仕組み、企業間や異業種などでの交流など、より柔軟な教育カリキュラムが上手く活用できるのかもしれない。