2010年6月18日金曜日

情報の公開、ちょっとその前に。。。

今日、かねてより検討されてきた、検察の事件に関する取り調べの過程を「全面可視化」するかについての中間報告が発表された。


今日時点の報告では、「すべての事件を対象とするのは現実的ではない」とのこと。
事件関係者や捜査手法等への影響を踏まえて更に検討するのだという。


さて、「情報の公開」というものについてビジネスライクに考えて見たい。

企業において、日々、様々な情報を取り扱う。
経営戦略や事業計画、顧客情報に売上情報、業務ノウハウから人事考課、単なるうわさ話から四方山話まで。

そうした情報も取り扱い方も様々だ。

機密事項として取り扱うべき情報。
情報共有を行い公開すべき情報。

また、情報の取り扱い方によっては、タイミングを見計らったり、段階的に公開をしたほうが良い情報もある。重要な交渉等の際には、こうしたテクニックも用いられる。


今晩、民放の番組で、「官房機密費」に関する暴露番組が放映されていた。
「官房機密費」に関する使途についてだ。


「官房機密費」自身は国民の税金。無駄な使われ方はされてはいけない。
しかし、国としての機密事項として、機密費用として必要なこともあるだろう。
その使途は公開することにより、国益に影響することもあるかもしれない。


また、情報の取り扱いを、非常に戦略的に使うことで、売上や販売促進につなげている事例も多数ある。直近の事例では、村上春樹氏の「1Q84」、米国アップル社の「iPhone」「iPad」等がそうだ。

そういう意味で、日本企業の販売促進における情報の取り扱い方は、まだまだ、新たな手法が隠されているかもしれない。


また、身近な所にも、情報の公開自身が、心理的に影響するような情報もある。
医者による患者への「ガンの告知」がそうだ。
告知を受けた人間の性格、信念などによっても、その情報の受け取り方は変わる。


情報開示は、情報の発信者と受信者で、その見え方は異なる。
どちらか一方の見方のみで、その情報を開示するか、非開示するか、安易に考えるべきものではない。

その開示により、どのような範囲に、どのような影響がでるのか、じっくりと考えることが必要なのである。