2010年6月13日日曜日

「次に活かせる失敗」と、「単なる失敗」の違い。。

先日、Twitter上で、原口総務大臣がとある有名人の名言を紹介。
印象に残ったので、ここで取り上げたい。。

諸君は必ず失敗する。
ずいぶん失敗する。
成功があるかもしれませぬけど、成功より失敗が多い。
失敗に落胆しなさるな。
失敗に打ち勝たねばならぬ。
たびたび失敗すると、そこで大切な経験を得る。
この経験によって、もって成功を期さなければならぬのである。

これは、早稲田大学の創始者であり教育者、そして第17代内閣総理大臣である、大隈重信の言葉。


「成功」というものよりも「失敗」というもののほうが、そもそも多い、そして多くのことに挑戦すべし。失敗することは目的ではないが、失敗に学ぶことは多々ある。
果敢に挑戦し、経験することで、そこから学び成功に近づくべしというような意味。


ビジネスにおいて、「失敗」となると、どうしても責任追及などの雰囲気になりやすい。最近の社会全体の風潮も同じだ。特にメディアなどの報道姿勢も、そのような傾向がある。

「失敗」が発生してしまった際に、まずは「原因究明」を行うことが重要だ。
「失敗」を招いてしまった背景、環境、条件、手順、からくり、これらを方程式を解くように、分解しながら検討する。

更に「失敗」が、将来に活きるか否かは、その失敗を招いた行動が、「仮説」を伴った行動であったか、そうでなかったかにより、更にその質は変わる。


日常発生しやすい「ヒューマンエラー」等による「失敗」は、その行動の手順等を改善すればよい。

一方の「仮説」を立てた上での行動における「失敗」は、将来の計画をするうえで、非常に重要な「ヒント」を与えてくれる。特に戦略を立てる上でも重要だ。


最近の航空業界では、「失敗情報」を積極的に報告出来る仕組み作りが行われている。
機体の整備などにおける「失敗」を、次に繰り返さないための仕組みづくりである。

何百人もの命を預けて、安全運航を心掛けるためには、ちょっとしたミスも許されない。しかし、かといって人間である以上100%はあり得ない。

そうした背景もあり、「失敗の報告しやすい職場づくり」を心掛けることにより、業務改善に取り組み、結果として、安全運航・定時運行の数値にも反映したのだという。
こうした職場づくりに取り組む前は、やはり「隠蔽体質」があったとか。


私の古巣の流通でも「仮説」「実施」「検証」のサイクルを現場で徹底させられた。
特に「数値結果のデータの検証」よりも、どちらかというと、次のステップに対しての「仮説立案」を重視していた。


さて、日々のビジネスにおいても、「失敗」は起きるときには起きてしまうものだ。

その際に、日々の活動で、常に、「目的」「意図」「仮説」というものを意識しながら行動することが、同じ「失敗」を招いてしまっても、次に活かすことが出来るか否かを左右してしまう重要なことだと捉えるべきだろう。